第145話【お着替え完了】

「着替えてきました!!!」


バーン!!!


凄い勢いで襖を開けて巫女服に着替えに行っていたカエデが部屋に入ってくる。


「そんなに乱暴にしたらダメだろ。

もし壊れたら修理代はお前のお小遣いからだぞ」


「そんなことより凄いんだよ!」


そんなことではないだろ。

ちゃんと父親の話を聞いてやれよ。


「で、何がすごいんだ?」


「沙耶さんだよ、沙耶さん!」


「めっちゃ可愛いの!

ほら沙耶さん、恥ずかしがってないで早く来てよ!」


「でも、なんかこの格好恥ずかしい」


「何を言ってるの!

沙耶さんがモデル時代に雑誌に乗ってた服の方が露出度が高かったでしょ!」


「それとこれとはなんか違うの!

自分がコスプレをしてるって思うと恥ずかしくて」


「もう早く!」


しびれを切らしたカエデは一度部屋を出ていき沙耶の手を引いてもう一度部屋に入ってくる。


「ど、どうかな?」


「お、おう」


巫女服に身を包んだ沙耶は綺麗とかではなく美しい。

髪も後ろで括ってポニーテールにしていてチラチラと見えるうなじがたまらん!


「お、おう。

じゃないでしょお兄ちゃん!」


「ごめん。

あまりの美しさに言葉を失ってしまったんだよ」


「か、快人くん。

あ、ありがとう」


俺と沙耶は二人して顔を真っ赤にしてしまう。


「初々しいね〜」


「こっちが恥ずかしくなってくるよ」


母さん達は楽しそうでいいですね!


「はいはーい!」


「私達もいるよー!」


沙耶の後ろから声が聞こえ左右にスっと双子が出てきた。


いつから沙耶の後ろにいたんだ?

全然気づかなかったわ。


「おお!

いい!

いいぞ!」


パシャ!

パシャ!パシャ!

パシャ!パシャ!パシャ!パシャ!パシャ!パシャ!パシャ!パシャ!パシャ!パシャ!パシャ!


叔父さんは凄い速度でシャッターを押しまくる。

おいあんた撮りすぎだぞ。

普通にキモイ。


「きゃっ!」


調子に乗った叔父さんは際どい角度からの撮影を開始した。


「叔父さん、それはいかんよ」


「ご、ごめんなさい」


俺はすぐさま叔父さんを巫女服を着た四人から離す。


「お兄ちゃん!

そんな人ほっといてこっち来なよ!」


「そうそうこっちだよ」


「そんなクズはほっといてね」


「そ、そんな人。

クズ、、、。」


カエデと双子にそんな人扱いされた叔父さんはその場に崩れ落ちた。

まあ、自業自得だから慰めたりはしないのだが。

俺はそんな叔父さんを放置して沙耶達のほうに歩いていく。

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