第141話【UR】
「ただいま帰ったそ!
愛しのハニー!そして息子と娘よ!」
父さんがそう言ってリビングのドアを開け放ち手を広げている。
あれから何事もなく日々が過ぎ、父さんが帰ってきた。
「おかえり」
「おかえんなさ〜い」
「お、お帰りなさい」
俺とカエデは適当に、このまま俺達の実家に行くので荷物を持って俺の家にいた沙耶は緊張した様子で挨拶をする。
「あ〜な〜た〜!
お帰りなさい!」
父さんが帰ってくるということで朝からソワソワしていた母さんが父さんに抱きつに行った。
「おい、母さん。
イチャイチャするのもいいが、まず沙耶の紹介からだろ」
「あ、そうだったわね。
ほら、自分で紹介しなさい」
「へーい。
父さん、この子が前に電話で少し話した、彼女の松本沙耶」
「は、はは初めまして!
か、か快人くんとお付き合いさせてもらってます、松本沙耶です!」
めっちゃ緊張してるな。
母さんと初めてあった時は知らないけどそこまで緊張してなかったってカエデに聞いてたんだけど何が違うのだろうか?
「おお!
話は聞いてるよ。
沙耶ちゃん。
うん、聞いていた通りとても美人だね。
これからも快人をよろしくね」
父さんはそう言って沙耶に笑顔を見せる。
「ありがとうございます!
はい!
よろしくされました!」
よろしくされました!って何だよ。
「うんうん。
快人、ちょっとこっちに来なさい」
「ん?
うわっ!」
断る理由もないので父さんに近づいていくといきなり肩を掴まれた。
「お前!
どうやってこんな美少女をゲットしたんだよ!?
どっからどう見てもSSR、いやUR級じゃねーか!
しかもお前初彼女だろ!?
確率何パーセントだよ!
普通のソシャゲだと0.03パーセントとかだろ!?
何単発で当ててんの!?
廃課金勢に謝って!お願い!
俺だって母さんっていうUR級を捕まえるのに5連はしたぞ!」
「ねえ、カエデ聞いた!
私もURだって!
沙耶ちゃんお揃いね!」
「あーハイハイ、よかったねー」
「あはははっ」
父さんに褒められて舞い上がっている母さんをカエデは適当に流し沙耶は苦笑いを浮かべている。
「父さんのガチャ運でも引き継いだんじゃねーの?
てか、そんなことはどうでもいいだろ。
父さんも早く出かける準備しろよな。
もう皆出来てるんだから」
「あーそうだったな。
悪い悪い。
てか、俺何準備したらいい?」
「もうあなたの準備も私がしておきましたよ。
汗をかいてそうなのでシャワーを浴びてきてくださいな。
あなたが上がって少ししたら出発しましょう」
「「「はーい」」」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます