第125話

「よし、みんな帰るぞ〜。

荷物の整理しろよ〜」


「「「「「「「は〜い」」」」」」」


あれから泳いだりビーチバレーなどで遊び気がつけば夕方になっていた。

みんなは遊び疲れたのかゆっくりではあるが片付けを始める。

そのあと着替えを終えみんなが横一列に並びボーッと海を眺めるという謎の時間に入った。


「綺麗だな」


「そうだね」


俺と沙耶はみんな以上にのんびりした感じになっている。


「おい、そこは「お前の方が可愛いぞ、沙耶」って甘い言葉をかけるところじゃねーのかよ」


タクはお前ダメだなぁ〜的な感じで言ってくる。


「お前らがいなかったら言ってたなぁ〜」


年齢=彼女いない歴のくせにって言おうかと思ったがそんな気分にはなれなかったので適当に返しておいた。


「そうだね、快人くん2人の時は結構かっこいいこと言ってくれるもんね〜」


「惚気けやがって、クソ!」


「ねぇ〜ねぇ〜。

てか、これなんの時間なの〜?」


カエデがタクの叫びを無視して聞いてくる。


「無駄な時間」


「だよね〜。

そろそろ帰らない?」


「そうだな。

よし、帰るか」


そうして俺たちは海を離れ電車に乗る。


「みんな寝ちゃったね」


「そうだな」


電車の中では余程遊び疲れたのか俺と沙耶以外寝ゆってしまった。


「私達は午前中カエデちゃんの買い物に付き合って遊んでないからみんなほど疲れが溜まってないのかもね」


「そうかもな。

まぁでもカエデは俺の横で爆睡してるけどな」


「そうですね」


「むにゃむにゃ。

おにぃちゃ〜ん〜」


こいつは夢の中でも俺のこと考えてるのかよ。とんだブラコンだな。こいつに彼氏ができる未来はあるのだろうか?

俺はそんなことを考えながらカエデの鼻をつまんでやる。


「うぬ!

ぬぐぅ!

え?

もう着いたの?」


カエデは苦しそうな呻き声を上げて目を覚ましキョロキョロと周りを見渡す。


「いや、まだ寝てていいよ」


「うん、おやすみ」


カエデの頭を軽く撫で寝るように言うと、カエデはまたすぐに夢の世界へ旅立った。


「もう、快人くん可哀想だよ」


「あははっ。

もうしないよ。

それにしても今日は楽しかったな」


「そうだね。

でも、今度は二人っきりで行ってみたいかなぁ〜なんて」


沙耶はそう言って俺の手を握り肩に頭を乗せて甘えてくる。


「それもいいな。

じゃあ、来年は二人で来るか」


「ん〜」


沙耶が何か悩んでいるような声を出す。


「ん?

どうした?」


「みんなで遊ぶのも楽しいから、来年は二回期待かなぁ〜なんて?」


「おいおい、来年は受験だぞ?」


「でも、みんなで過ごせる最後の夏休みかもしれないんだよ?」


「でも、みんなも受験勉強忙しいかもだし」


「お願い」


沙耶が上目遣いでお願いしてくる。


こいつ本当にお願いの仕方が上手いよな。


「わかったよ。

俺もみんなに声かけるけど、みんながどうしても無理って言ったら諦めろよ」


「やった!

快人くん、ありがとう!」


俺って、沙耶の笑顔に弱いよなぁー。

まあ、いいか。


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