第124話【スイカ割り】

買い物に行っていた俺と沙耶とカエデの着替えを済ませ、荷物の置いてある場所に集まる。


「で、何する?」


「ふふふっ。

何をする?だと?

愚問だな快人よ」


とタクがウザイ話し方で言ってくる。


「どういうことだ?

何かいい案でもあるのか?」


「今まで俺たちは何をしていたんだったっけ木下さん?」


「え?

わたし?

えーと、昼ごはんを食べていた?」


俺と話していたタクにいきなり話を振られ戸惑いながら答える。


「That's Right!」


うわぁー、めっちゃ嬉しそう。

それに何で英語全然出来ないのにこういうよく使うやつだけ発音めっちゃいいの?


「で?」


「じゃあ、つぎ!

ご飯を食べたら次は何でしょう?

琴音ちゃん!」


「んー、ひ、昼寝?」


「ぶぶー!

違います」


ちょっとイラッとしてきたな。


「おい、いい加減に正解を言えよ」


「おいおい、焦るなって。

ちょっと待てよ」


そう言ってタクが自分の大きなカバンを探り始める。


「ん?

もしかしてだけどお前のカバンに入ってるスイカのことか?」


とずっと黙ってたジンが口を開く。


「な、な、な、ななぜ知っている!?」


ジンの言葉とほぼ同時にカバンからスイカを取り出したタクは驚きのあまりそのスイカを落とし、ジンに詰め寄る。


「いや、日帰りなのにそのでかい荷物はおかしいし、そのカバンを持った時の重さとお前の性格、最後にお前のさっきのウザイ言動を合わせると答えなんか自ずと出てくる」


「ウザイ言動とはなんだ!

せっかく俺が場を盛り上げてやろうとしてんのによ!

くそ!

荷物整理の時もっと気を使っていれば!」


「はいはい、悪かったよ」


「みんなー、スイカ割りするよ!」


「「「おー!」」」


カエデがタクの落としたスイカを拾い上げみんなに呼びかける。


「おい、それ俺のスイカ!」


それに気づいたタクが声を荒らげているのを横目に俺と沙耶はタクのカバンを漁り棒のようなものやレジャーシートのようなものを探す。


「お、あったあった」


「あ、本当に快人くんが言った通りあったね」


「人のカバン勝手に漁るなー!」


タクは思いつきで行動したり、変な言動を良くするが、今回のような計画的なものであれば用意を怠ることはない。


「よし、必要なものは全部揃ったし、スイカ割り始めるか」


「「「「おー!!」」」」


「ねえ!

俺は無しなの!」


タクのいつも通り大きな声を上げる。

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