第122話【俺が財布です】

新作出したんでよろしければ覗いてください。

『心の種、花咲かすとき(仮)』


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「じゃあ、早く選んでこい」


「了解です!」


カエデはビシッと敬礼を決めた後ブツブツと独り言を言いながら下着を選んでいく。


「いらっしゃいませ。

お客様、本日は彼女さんの下着をお買い求めですか?」


俺と沙耶が軽く話しながらカエデを待っていると定員が話しかけてきた。


「いえ、今日は彼の妹の買い物で私は彼の付き添いで」


「俺が財布です」


「あ、そうですか」


スルー耐性高いなこの人。


「で、あそこでブツブツ呟きながら下着漁ってるのが我が妹です。

申し訳ないんですがあいつの選ぶの手伝ってやってくれませんか?

友達を待たせているんで早めに買って戻りたいんです」


「と、言うことは海に水着を着てきて下着を忘れてきちゃった感じですか?」


「そうなんです。

困ってしまいますよね。

その言い方だとそういう人って結構いるんですか?」


「たまにおられますよ。

ここは海から一番近い下着店ですからね。

それでご予算はどのぐらいでしょうか?」


「んー。

沙耶、下着ってどのぐらいするんだ?」


「だいたい安いので1000円からあるけどだいたい3000円から4000円ぐらいのを買うのが無難かな?」


「へぇー。

別に帰るだけだし安い1000円ぐらいのでいいんじゃないか?」


「何言ってるのお兄ちゃん!」


いつの間にか俺らの近くに来ていたカエデが俺にビシッと指を指しながら言う。


「なんだよ」


「この超絶ブラコンである私がお兄ちゃんから買って貰った下着を帰るだけで捨てるわけないでしょ!胸のサイズが合わなくなるまで大切につけて、サイズが合わなくなっても捨てずに大事に仕舞うに決まってるでしょ!」


「いや、決まってねーよ」


「だから多少高くても丈夫で可愛いやつにしないといけないの!」


「おい、俺の金だぞ」


「あ、あと何個かに候補を絞って最終的にはお兄ちゃんに選んでもらうから楽しみにしててね!

それじゃあ、定員さん行きましょ」


「え、あ、はい」


そう言い残してカエデは定員とどこかに行ってしまった。


「なあ、沙耶。

俺たちいつ戻れるかな?

絶対に直ぐには戻れないないよな」


「そうだね。

みんなに遅くなるって連絡を入れた方がいいかも」


「わかった。

じゃあ、電話してくるからここで待っててくれ」


「おけー」


俺はそう言って下着屋から出てジンに電話をかける。


〈はい、快人どうかしたか?〉


〈いや、なんかカエデが張り切って下着を選んでてさ、戻るのが遅くなりそうなんだよ〉


〈まじか。

もう、こっちは適当に遊んどくぞ?〉


〈おう。

うちの妹がすまんな〉


〈まあ、あんまり気にすんなや。

昼飯までには戻ってくるだろ?〉


〈ああ、それまでにはカエデをしばいてでも戻るよ〉


〈おっけー。

じゃあ、また後で〉

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