第121話【カエデ、忘れる!?】

「快人、準備終わったぞ。

説教もその辺にして遊ぼうぜ」


「おう、じゃあカエデ以後気をつけるように」


「はい!わかりました!」


そう言ってカエデは立ち上がり敬礼をする。


本当にわかってんのかコイツ。


「あ、カエデ」


「どうしたのお兄ちゃん?

もうお説教は終わりだよね?」


「いや、今ふと思ったんだが、お前変えの下着ちゃんと持ってきてるよな?

さすがに忘れたってことはないよな?」


「そ、そんなことないはずだよ?

あれ?

入れたっけ?」


カエデの顔がどんどん青くなっていく。


「おい、まさか」


「ちょっと待って確認する!」


そう言ってカエデが慌てて自分の鞄を漁り始める。


「あ、あ、あぁ」


カエデは手を止めさらに顔色が悪くなる。


「まじか?

まじなのかカエデ?

お前ってそこまでアホの子なのか?

お兄ちゃん信じたくないんだが」


「お、お兄ちゃん、ごめんなさい。

私を見捨てないで〜」


とカエデは泣きながら俺に抱きついてくる。


「わかった!

わかったから離れろ!」


俺は無理やりカエデを引き剥がす。


「さて、どうするか。

選択肢はどこかで買ってくるか海に入らないかの二つか」


「えー!

海に来て海に入らないなんて何しにきたんだってなるじゃん!」


「まあ、そうだな。

じゃあ買うしかないが、この辺にそんなとこあるのか?」


「あるみたいだよ」


そう言って話を聞きながら携帯をいじっていた沙耶がその携帯をこちらに向けて言う。

その画面にはショッピングモールが写っていた。


「ここからあんまり距離が離れてないみたいだしショッピングモールだったら下着屋の一つや二つあると思うよ。」


「そうだな。

沙耶ありがとう。

カエデ服を着ろ、買いに行くぞ」


「あ、お兄ちゃん、私そんなにお金もってない」


「買ってやるから早くしろ」


普段はあまりお金を持ち歩かないが今日は何かあった時のために多めに持ってきているので下着がどのぐらいの値段がするのかわからないけど大丈夫だろう。

帰ってから母さんに請求しないとな。


「わーい!

ありがとうお兄ちゃん」


そう言ってカエデがまた抱きついてくる。


「離れろ!

ってことだからみんな先遊んでてくれ」


「快人くん。

私もついて行くよ」


「でもいいのか?」


「うん、下着屋で一人で待つのしんどいでしょ」


「それもそうだな。

じゃあお言葉に甘えようかな」


「沙耶さん、ありがとう」


カエデは俺から離れ次は沙耶に抱きつく。


「気にしなくていいから早く服きてね」


「はーい」


カエデがやっと服を着始める。


来て早々問題だらけだな。

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