第120話【海!!】
「おはよう。
すまん俺が寝坊して少し遅れた」
「おはよう。
おいおい、しっかりしろよ。
まあ、電車の時間には間に合っているからいいけどよ」
駅に着くとジン、奈緒、木下さんの三人が先についていたのでそれぞれが挨拶を交わす。
「あれ?
タクは?」
今は、乗る予定の電車の出発時刻の十分前なのでそろそろ来ないと乗り遅れるんだがタクの姿が見えない。
「まだ来てないし連絡も取れん」
「まあ、いつも通りか。
今回は、時間までに来なかったら連絡だけ入れて先行こう。
その辺で遊ぶなら待つけど電車移動で少し遠出するからさすがに待てん」
「いいのかな?」
俺の言葉に優しい沙耶が聞いてくる。
「自業自得だろ?
これで少しでも遅刻癖が治ってくれたら万々歳だな」
「そだな」
「こんな日に遅刻して連絡も入れないあいつが悪い」
などとみんなが俺の意見に賛成する。
「残念だがそろそろ行くか」
そんな話をしていると出発時刻の五分前になったので荷物を持ち改札口に向かっていく。
「おーい!」
「ん?」
改札口を通った俺たちに声がかかる。
見てみるとタクが猛ダッシュでこちらに走って来ていた。
「おい!
何置いていこうとしてんだよ!」
「うるさい。
遅れたお前が悪い。
てか早く入ってこいよ乗り遅れるぞ?」
「そ、そうだった!」
そうして俺たちはギリギリ予定していた電車に乗ることが出来た。
◇◆◇◆◇
「海じゃーい!
テンション上がる〜!」
「カエデちゃん元気だね。
余程楽しみにしてたんだろうね」
ごめんなさい。
妹が馬鹿でほんとごめんなさい。
「おい、カエデ!
恥ずかしいからそんな騒ぐな!」
電車を何回か乗り換えて約一時間、そして駅から徒歩十分で海に着くことがてきた。
「よし!
泳ぐぞ!」
「何言ってんだ。
先に荷物の準備だろ」
俺の言葉を無視してカエデが服を脱ぎ始める。
「おい!
何してんだ!」
「ん?
下に水着着てるよ?」
「そういう問題じゃないだろ!」
もっと恥じらいというものを持ってくれないかな!?
ほら!周りの男共(タクを含む)がお前のことを変な目で見てるだろ!
「ちょっとこっちに来い」
俺は水着姿になったカエデの頭を鷲掴みにする。
「みんな悪い。
俺こいつの説教をするから荷物の準備任せてもいいか?」
「いいよー」
「おう、お前も頑張れ。
色んな意味で」
「ありがと」
そうして俺はみんなが準備している横でカエデを正座させ約十分ほど説教したのだった。
疲れる。
海についてそうそう説教で体力を使わなければ行けないんだ。
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