高校卒業編
第104話【沙耶、モデルを辞める】
お久しぶりです!
久しぶりなので奮発して二千字書きました!何か変なとこがあればコメントください。
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6月11日火曜日、俺が沙耶に告白した次の日、俺と沙耶は学校が終わってからそのままある場所に来ていた。
コンコン。
「はい」
「松本沙耶と付き添いの佐藤快人です。
入ってもよろしいでしょうか?」
「どうぞ」
「失礼します」
「し、失礼します」
沙耶は扉を開け部屋の中に入り、俺も沙耶の後ろについて行くようにして部屋の中に入る。
中には優しそうな四十代後半ぐらいの男の人が座っていた。
「おお、久しぶりだね。
松本さん。
それで君が佐藤快人くんで間違いないね?」
そう言いながら、男の人は椅子から立ち上がり俺達の方に近づいてくる。
「はい、私が佐藤快人です。
よろしくお願いします」
「知っているかもしれないが、松本さんが所属している事務所の社長をやっている岡本勝だ。
こちらこそよろしく。
立ち話もなんだしとりあえず座ってくれ」
「「はい」」
俺達は、岡本さんに促されるままにソファーに座り、岡本さんも俺達の正面に座った。
「さて、話しに入ろうか。
松本さんがモデルを辞めたいと言う話しだったね」
そうなのである。
今日は、沙耶がモデルを辞めるというのを言いに来たのだ。
何故俺も一緒にいるのかって?
そりゃ、彼女に「一人じゃ怖いから着いてきて?」って上目遣いで言われたらそれが嘘であるのが薄々わかってたとしても着いてくるしかないだろう?
「はい」
「まあ、理由は大方見当つくけど一応聞いていいかな?」
「まず、そこまでお金に困らなくなったからです。
社長も知っての通り、私がモデルの仕事をしていたのは家の経済事情が厳しかったからという理由がありました。
しかし、母親の給料が上がったことでそれが解決しました」
「うん、それは喜ばしいことだね」
「ありがとうございます。
そして次に勉学です。
来年には受験を控えていますし、そろそろ勉強にも力を入れていきたいと思っています」
「言いたいことはわかるが、別にモデルの仕事を減らす事も出来るし、アルバイトをしていても勉強を頑張ってる人もいると思うのだが?」
「そうですね。
確かにそういう人もいます。
しかし、お恥ずかしながら私はあまり頭が良くありません。
そのくせ、偏差値の高い大学を目指しているので勉強の時間をできるだけ作りたいのです」
「その大学というのは横の彼と同じ大学を目指しているということかね?」
「はい」
「うむ」
岡本さんは、少し考え込む。
岡本さん的には沙耶には残ってもらいたいのだろう。
「それに田中さんの件でネット、人の噂というものに対する怖さをあらためて思い知りました。
その恐怖が残っているままではモデルの仕事は続けられません」
おそらくこれは沙耶の嘘だろう。
ネットや噂の怖さをあらためて思い知ったのは本当のことだと思うが、今日の朝もエゴサがどうのって言って鼻で笑っていたのでその恐怖が残っているってことはないだろう。
なので、この理由なら岡本さんが何も言えないと踏んでの言葉なのだと思う。
「そうか、そうだね。
わかった、契約を解消しよう」
「ご理解頂きありがとうございます」
「少し待ってくれ」
そう言って岡本さんは立ち上がり自分の机の引き出しから一枚の紙を取り出し戻ってきた。
「じゃあ、これを書いてくれるかい?
印鑑持ってきているかい?」
「はい、あります」
それから沙耶は、名前などの必要事項をスラスラと書いていった。
「書き終わりました」
「はい、確かに受けた。
もし、またモデルの仕事をしたいと思ったらいつでも来てくれ」
「ありがとうございます。
その時はよろしくお願いします。
では、私達はこれで失礼します」
「失礼します」
「さようなら」
そうして俺達は会社を出て帰路についた。
「ふぅ〜。
これで二人の時間が増えるね!」
「なあ、沙耶は本当にバイトとかしないのか?」
「うん、快人もわかっている通り学力がやばいのもあるし、快人くんとの時間を大切にしたいから」
「それはわかるが、女の子って色々お金かかったりするんだろ?
俺が出してもいいが沙耶は嫌なんだろ?」
「当たり前でしょ!
今までの貯金もあるし、お母さんが多少お小遣いくれるって」
「へぇー。
美陽さんも協力的でよかったな」
「お母さんによると、「快人くんと付き合えたからって油断しては駄目よ、最終的には結婚を目指さないといけないんだからね?
同じ大学に進んで快人くんを他の女に取られないようにしないといけないんだから、しっかり勉強頑張りなさいよ、私もできるだけ手伝うから」だって」
「俺も母さんに同じようなこと言われたよ」
「あの二人仲良いからね」
そう笑い話しをしながら俺の家に向かって歩いていった。
てか沙耶って最近ずっと俺の家にいないか?
気がついたら沙耶と美陽さん用のタンスが置いてあったし。
まあ、気にしたら負けか。
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