第101話【告白(前編)】

「このへんでいいかな」


草原の真ん中付近で沙耶は、立ち止まり沙耶が持っていた大きめのカバンからレジャーシートを取り出し、地面に敷きその上に座る。


「快人くん。

座って座って」


沙耶は、自分の隣をトントンと叩いて俺を呼ぶ。


「おう」


俺は、それに従ってさやの隣に座る。


「よし!

じゃあ、ごろーん!」


沙耶は、俺が隣に座ったことを確認してから寝転び空を見上げる。


「うわぁ〜。

凄いきれ〜。

快人くんもそんなポカーンとした顔してないで、寝転んで空を見上げてみなよ」


「そうだな。

せっかくこんな山まで来たんだからな」


俺もそう言って沙耶の隣に寝転がり満天の星空が広がる夜空を見上げる。


「周りに街灯が無いから星空がハッキリと見えて綺麗だな」


「そうだよね。

夏の大三角形とか見えないかな?

デネブ、アルタイル、ベガ!」


「まだ6月だから見えないだろ」


「そっかー」


俺は、そう言いながら沙耶の横顔を見る。

その嬉しそうに星を眺める顔は、今俺達の上で輝いている星たちなんかよりもとても綺麗で魅力的なものに見えた。


「ねぇねぇ快人くん」


「ん?

なんだ?」


「I love you」


「なんで英語?」


「あはははっ。

何か急に恥ずかしくなっちゃって」


沙耶は、真っ赤になって恥ずかしがる。


「それにしてもこの1ヶ月間色々なことがあったね」


俺と沙耶は、星空を見ながらこの1ヶ月間のことを思い出す。


「そうだな。

学園のアイドルである、松本沙耶様に告白された時は、本当に罰ゲームか何かだと疑ったな」


「何よそれ〜。

あの時、私結構勇気を振り絞ってたんだよ!」


沙耶が頬を膨らまし怒ってますよアピールをする。


「ごめんって。

でも仕方ないだろ?

俺は、入学式の時のことも覚えてなかったわけだし、業務連絡以外で話したこともない人に告白されたら誰でもそう思うだろ?」


「まあ、それもそうだね。

他にも色々あったね」


「いきなり沙耶がうちに泊まることになったり、気づいたら外堀を埋められてたり、本当に色々あったな。

デートの時は、初めてカエデに手伝ってもらってオシャレしたっけ」


「私も別に外堀を埋めようと行動したわけじゃないんだからね?

お義母さんもカエデちゃんにも私は快人くんのことが本気で好きですって言ったら背中を押してくれるようになっただけで。

デートの時の快人くんは、とってもカッコよかったよ。

外見もそうだけど、ナンパされてるところを助けてくれたり、私が欲しがってたシュシュをこっそり買ってプレゼントしてくれたりして」


「田中のこともあったが、それを除けばこの1ヶ月間は新鮮で楽しいことばかりだったな」


「うん、楽しかったね」

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