第99話【呆れ】
「あんた、沙耶ちゃんに引っ張られ過ぎじゃない?
男なんだから女の子を引っ張っていくぐらいの気持ちを持ちなさいよ」
母さんが呆れた表情で言う。
「わかってはいるんだがな。
おっ」
母さんと話していると沙耶からメッセージが来た。
「なになに。
今宵の戦場の場所が決まった!
貴様の今までの余裕ぶった態度も今日で終わりだ!
明日、20時!
貴様の母上と共に私の家に来るがいい!
ps.快人くんの甘い告白のセリフ期待してるね!
ってこいつ俺と決闘でもするつもりなのか?
今宵の使い方間違ってるし、今宵だったら今日の夜になるだろ。
絶対にノリと勢いでこの文書いて送ってきただろ」
「あはははっ。
沙耶さん面白いメッセージ送ってきたね!
お兄ちゃん、しっかりと甘い告白のセリフ考えないとね!」
カエデは大爆発しながら言ってくる。
「まあ、適当に考えとくわ」
「お兄ちゃん。
言っとくけどネットとかで調べたヤツとか絶対にダメだからね」
「そ、そんなことするわけないだろ?
も、もちろん自分で考えるつもりだったよ?」
「ほんとかなぁー」
さすが我が妹。
ネットのヤツを丸々パクるつもりはなかったが、多少参考にしようとしていたがそれも危なそうだな。
「本当にあんたは。
私、最近この言葉めっちゃ使ってる気がするわ」
「仕方ないだろ!
告白されるのも告白するのも初めてなんだから!」
「はいはい、みっともない言い訳はいいからあんたが言える精一杯の言葉を言いなさいよ」
「うん、わかった」
それからは、明日のことを考えつつもいつも通りの日曜日を過ごした。
◇◆◇◆
「快人くん。
朝だよ、起きて」
「ああ、おはよう」
「おはよう」
次の日の朝、いつものように沙耶に起こされる。
最近の学校のある日は、沙耶に起こしてもらうのが日課になっている。
「早くベッドから出て下いくよ」
「起こしてー」
「仕方ないなぁー」
俺は沙耶に手を引っ張って貰って体を起こす。
こういった、おふざけにもしっかりと構ってくれる沙耶はいい子だと心から思う。
それより、皆さんは結局俺が甘い告白のセリフを考えることが出来たかについてとても知りたいと思うので教えよう!
薄々みなさんも気づいているかもしれないが、結局何も浮かびませんでした!
ぶっつけ本番で頑張ろうと思います。
「快人くん、何ボーッと考え込んでるの?
さっさと降りるよ」
「はーい」
俺は沙耶の後についてリビングに向かった。
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