第98話【前日】
あれから日が経ち6月9日、日曜日、午前10時頃。
告白の答えをする前日になった。
「明日か、学校の帰りにでもどっかに行って告白の返事するか。
夜に連絡するとしてそれまでどっか行く場所を探さないとな」
俺は、ベッドに座り携帯で俺達の行動範囲でロマンチックな場所はないかと探す。
「なかなかピンとくるところが見つからないなぁー。
世の中のイケメン達はどうやって場所を探してるんだろうな?」
ベッドで調べ始めて早2時間見つからさ過ぎてダレてきていた。
「お兄ちゃん、昼ごはんできたよ!」
「はーい!
とりあえず、昼飯食うか。
カエデや母さんの意見も聞いてみてもいいかもしれないな」
俺は、そう思いながら1階に降りた。
◇◆◇◆
昼飯のチャーハンを食べ終わり、リビングで少し休憩をしていた。
「ねえ、あんた明日、沙耶ちゃんに告白の返事する日でしょ?
ちゃんと場所とか考えてるんでしょうね?」
「今探してるんだけどいい所が全然見つからないんだよね。
何かいい所ない?」
「あんたは本当に」
「お兄ちゃん、今頃そんなこと言ってんの?」
母さんとカエデは頭を抱えてしまう。
わかってるよ。
ダメだってことは。
でもね、間に合ったら別にいいかなって思ってしまうものなんですよ。
Prrrrrr!
「母さん携帯鳴ってるよ」
「取ってー」
「はいよー」
俺は机の上に置いてあった母さんの携帯を取って渡す。
「はい、もしもし。
あ、沙耶ちゃん!
うん。
あ、ちょっと待ってね」
そう言って母さんはリビングを出ていった。
「何で母さんが沙耶と連絡先交換してんだよ」
「ん?
知らなかったの?
たまに電話してる時あるよ」
「え!?
まじ?」
「うん、私もメッセージのやり取りとかしてるし」
そう言ってカエデがトーク履歴を見せてくる。
「マジじゃん。
君たち、沙耶と仲良過ぎない?
ワンチャン俺よりいいんじゃない?」
「いや、それはないよ。
トークの内容も大体お兄ちゃんのことだし」
「お、おう」
「何照れてんの、キモイー」
「おい、兄にキモイって言うな!
結構傷つくんだそ!」
「あー、はいはい。
ごめんねー。
お兄ちゃん、大好きだよー」
「あんた達、何頭のおかしい会話をしてんのよ」
沙耶との電話を終えたのか母さんがリビングに戻ってきた。
「あ、母さん。
沙耶なんか言ってた?」
「沙耶ちゃんが明日、あんたと行きたいところがあるから送り迎えお願いしてもいいですかって。
後であんたにも何かしらの連絡を入れるって」
「わかった」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます