第97話【解決】

「ただいまー」


「ただいま」


「おかえりー」


リビングに入るとカエデがいつも通りゴロゴロしていた。

本当にこいつ毎日リビングでゴロゴロしてるよな。


「遅かったね。

そんなに事情聴取が長かったの?」


「いや、事情聴取は結構すんなり終わったんだけど、母さん達の世間話しがめっちゃ長かったんだよ」


「だから悪かったって言ってるじゃない!」


「てかさ、父さんに昨日、まだ動けるか?って電話で言われたんだけど、今日のことを見越してってことなのか?」


俺は、寝転がっているカエデを座らせソファーに座りながら聞く。


「そうよ。

さすがにあんたの友達まで巻き込まれるとは思ってなかったけどね。

あそこまで追い込まれたら、あいつみたいな行動を起こす確率は結構高いのよ。

まだあの時点では、あいつは明確な犯罪を犯してなかったから逮捕も出来ないし、困った状況だったのよ。

あいつも野放しにしたくなかったし。

これでも、私もお父さんもそうならないように頑張ってたんだけどね」


「まあ、言いたいことはわかるがせめて先に言っといてくれよ。

そうしたら、ジンや沙耶達と一緒に帰ったりしなかったのに」


「ジンくん達のことはそうだけど、沙耶ちゃんとは一緒に帰ってもらわないといけなかったけどね。

沙耶ちゃん一人の時に襲われたら困るし、あんたならあんなやつぶっ飛ばせるでしょ?」


「今回は無事解決したからいいけど今後はしっかりと話してくれよ」


「わかったわ」


「お母さん、晩御飯どうする?

田中だっけ?

あの変なやつのせいで買い物行けてないから今、冷蔵庫の中からだったから何もないけど」


時計を見ると21時を回ったところだった。


「それは仕方ないわね。

今から外出るのも嫌だし出前でも取りましょうか」


「おおー!

寿司!

私、寿司が食べたい!」


カエデがビシッと手を挙げて言う。


「はいはい、快人もお寿司でいい?」


「いいよ」


「やった!

お寿司、お寿司」


カエデはソファーから立ち上がりネットでお寿司屋の電話番号を調べて電話をかけた。


本当にこいつは自分の好きなこととなると行動が早いよな。

でも、やっぱりこいつが馬鹿みたいにはしゃいでいる姿を見ると今回の件が終わったんだと実感が湧いてくる。

昨日も元気だったがやっぱり少し無理している感じがしたからな。

シスコンお兄ちゃんとしては、今のように心から元気な姿を見るとほっとするな。

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