第83話【テスト終了】
「やっと終わった!」
最後のテストが終わり先生が教室を出るとテスト終の開放感からかいつもよりも大きな話し声があちらこちらから聞こえてくる。
「やっと終わりましたね」
「あ、沙耶、テストどうだった?」
「はい、快人くんにテスト勉強を手伝ってもらったこともありいつよりはいい点数が取れていると思います。
快人くんはどうでしたか?」
「うん、俺も今回はいつもよりも勉強時間を増やしたこともあって結構自信あるかな」
「快人くんはあまり点数を上げないでください」
「え?
何でだよ?」
「私がどれだけ頑張って点数を上げても、それと同じぐらい快人くんの点数が上がってしまうと差が縮まらないではありませんか」
「あーそういうことね」
沙耶は俺と同じ大学に行くために俺との成績の差を縮めようと勉強を頑張ってるのに俺が同じぐらい成績を上げてしまったら差が縮まらず結局同じ大学に進めなくなってしまう。
「沙耶が全教科八十点以上取ればそこまで差は出ないんじゃないか?」
俺のテストの平均点はだいたい八十点ぐらいで今回のテストは手応え的に八十五点ぐらいはいってると思う。
「それは難しいですよ」
まあ、前まで平均点よりちょっと上ぐらいの成績の沙耶には少し難しいか。
ご褒美でも考えたらもっと頑張るかな?
期末試験の時に試してみるか。
「快人と沙耶は余裕そうだね」
奈緒達も俺の席に近づいてくる。
「お前達はどうだったんだ?」
「いつも通りかな」
「同じく」
「今回も快人のおかげで赤点だけは避けれそうだ」
奈緒、ジン、タクがそれぞれ返事をする。
「木下さんはどうだった?」
「私は、皆との勉強会のおかげかいつもより手応えはあるかな?」
「それは良かった」
「あ、そう言えば快人くん、前の話し六月二日の日曜日でどうですか?」
「うん、その日は予定ないはずだから大丈夫だぞ」
「それでは、決定でいいてすか?」
「おう、わかった。
また前日に時間とか教えてくれ」
「はい」
「前の話しってなんだ?
もしかしてデートの約束か?」
タクが聞いてくる。
「いや、沙耶のモデルの仕事を見学しに行くんだ。
いろいろな事情から辞めてしまうかもしれないだろ?
その前に沙耶の頑張ってる姿を見に行こうと思ってな」
「あ、そういうことか」
タク達は今の俺の説明で沙耶がモデルの仕事を辞めてしまうかもしれない理由なども全部理解したようだ。
そうして、六月二日の日曜日に沙耶のモデルの仕事を見学することが決定した。
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