第61話【頑張るって何を?】
「快人くん、帰りましょう」
放課後、学校モード?の沙耶が話しかけてきた。
「おう、行くか」
「あれ?今日はもう帰るの?」
そうすると奈緒が不思議そうにそう問いかけてきた。
最近は、予定のない日は奈緒含めたいつものメンバーで少し話してから帰っていたので、すぐに帰ろうとした俺達に疑問をもったのだろう。
「そういえば言ってなかったな。
今日は、カエデと買い物行く予定があって校門で待ち合わせしてるから早めに行かないと行けないんだ。
だから俺らは先帰るわ。
悪いな」
「そういうことなら早く行ってあげないとね。
ジンとかには私が言っとくね。
二人ともバイバイ」
「ああ、頼んだ。
また月曜日」
「バイバイ」
掃除や先生からの呼び出しでこの場にいないジンなどへの事情説明を奈緒に任せて俺達は校門に向かう。
「まだカエデ来てないみたいだな」
俺達は校門につき周りを見渡したがカエデの姿はなかった。
校門で数分待ったがカエデはまだ校門に来ない。
「教室まで見に行くか?」
「でも、自分の兄が自分の教室に来るのって妹的には嫌なもんじゃないの?」
「でもあいつブラコンだぞ?
そんなことないだろ?」
「あー、それもそうだね。」
「とりあえず電話してみるか」
<もしもし、カエデ?
俺らもう校門で待ってんだけどまだか?>
<ごめん!
ちょっと手が離せない用事が出来ちゃったの!
買って欲しいものをメールで送るから沙耶ちゃんと二人で行ってきて!
ほんとごめん>
<わかったけどさ。
そうならそうともっと早く連絡してこいよ>
<ほんとごめんって。
あ、沙耶ちゃんに代わって>
「はい」
別に拒む理由はないので沙耶に携帯を渡す。
「なに?」
「わからんがカエデが代われって」
<はいもしもし>
沙耶は電話を受け取りカエデと会話を始める。
何の話しをしてるのか少し気になるな。
<うん。
うん。
そうだね。
うん、頑張るよ!
ありがとう、カエデちゃん>
何がありがとうなのだろうか?
「はい、返すね」
沙耶は携帯を俺に返す。
「何話してたんだ?」
「内緒ですよ!」
「なんだよ、言えよ」
「内緒だって。
さあ、行来ましょう」
「お、おい!」
沙耶はそう言って俺の手を引いて歩いていく。
めっちゃご機嫌じゃねえか、ほんとにカエデは何を言ったんだ?
そんなことを考えながら俺は沙耶に手を引かれるがままにスーパーに向かう。
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