第55話【鼻血】

木下さんに今回のことを掻い摘んで話してからは、二人がどんな話し合いをしてるのかや喧嘩して戻って来たらどうしようなどと俺、ジン、タク、木下さんの四人で話していた。


キーンコーンカーンコーン


「セーフ」


「間に合いましたね」


ホームルームが始まるチャイムがなるとほぼ同時にどこかで話し合いをしていた沙耶と奈緒が教室に戻ってきた。


「おい、ギリギリだぞ。

さっさと席に着け」


「はーい」


「わかりました」


担任の先生に怒られ急いで二人は席に着く。


どんな話し合いをしていたんだろう?

別に二人がギスギスしてる感じでは無いし、逆にちょっと前より仲良くなっているような気さえする。

まあ、喧嘩してたり、ホームルームまでに戻ってこなかったりしなくて良かった。


休み時間になり、さっき話していた三人と沙耶と奈緒が俺の席に来る。


「で、二人はどんな話し合いをしたんだ?」


「「ないしょ!」」


俺の言葉に二人は顔を合わせてから口に人差し指をおきウインクしながら言った。


ブゥーとあちらこちらから鼻血が出た音が聞こえる。


やばいだろ!

美少女二人がこんなことしたらこうなることはわかってただろ!?

あ、やばい俺も鼻血でそう。


俺は制服のポケットからティッシュを取り出し鼻をかむフリをして鼻血を拭き取る。


「二人共!

美少女二人がそんなことしたらクラスの男子が凄いことになるでしょ!」


俺が鼻血を拭き取ってると木下さんが二人を注意してくれる。


「え?

どういうこと?」


「周りを見なさい」


あまり理解出来ていない沙耶に木下さんが周りを見るように言う。


もうそこは地獄絵図だ。

男子の八割と女子の二割程度の人達が鼻血を出し、中には鼻血を出しすぎたのかぐったりしている人もおり、みんな介抱やら鼻血の処理やらでてんやわんやになっていた。


「そうだぞ!

お前らは頭はちょっとあれだが見た目は完璧な美少女なんだしっかりと周りに気を使わないと今回みたいな大惨事になるんだ。

しっかり自覚を持ちなさい」


「えへへっ。

快人くんに美少女って言われた」


「そうだよ沙耶ちゃん!

私達は、快人公認の美少女コンビだよ!」


こいつら頭はどうとかって部分絶対聞こえてないだろ?


「そう言えば快人もティッシュで鼻をいじってたよね。

快人も私達の可愛さで鼻血出したの?」


「断じて違う。

たまたま、お前らがあのポーズを取った瞬間に鼻水が滝のように出てきてしまっただけだ」


「あ、でもこのティッシュ血がついてるぞ」


タクがニヤニヤしながら俺がさっき鼻血を拭いティッシュを指さす。


こいつ!

なんて余計なことを!


「へぇ〜、快人私達で興奮したんだ〜。

いいんだよ私達にだけならいつでも興奮してくれて」


「何馬鹿な事言ってんだ」


「いてっ」


馬鹿な事言った奈緒にはチョップをお見舞いしてやった。

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