第36話【高級焼肉屋】
話しがまとまったところで俺達は、その高級焼肉屋に入る。
「申し訳ありませんが予約などはして頂いていますでしょうか?」
制服を完璧に着こなした、とても美人のウエイトレスさんがそう聞いてくる。
やっぱりこんな高そうなお店になると、完全予約制だったり、一見さんお断りだったりするのだろうか?
「予約していた佐藤です」
「佐藤様でしたか。
お待ちしておりした。
御席の準備が出来ておりますのでこちらへどうぞ」
母さんはちゃんと予約をとっていたようで、ウエイトレスさんに名前を言うと席に案内してくれた。
俺達の席は個室になっていてとてもいい雰囲気だった。
俺達が席に座ると、簡単にメニューの説明をしてくれて、「ご注文が決まりましたらお呼びください」と言いウエイトレスさんが下がって行った。
「外装だけじゃなく内装も綺麗だね」
カエデが周りをキョロキョロしながら言う。
田舎者みたいだからやめなさい!
「そうでしょ!
ここ私のお気に入りなのよ」
あれ?
お気に入り?
ってことは何回も来てるってことだよね?
俺とカエデは家族なのに一回も来たことないし、母さんが来てたことも知らないんだけど。
「母さん、お気に入りってどういうこと?」
「あ!
しまった!」
母さんがやってしまったって顔をする。
「これは、許されないことだと思うんだよね?
なぁ、カエデよ」
「おうよ!
どう落とし前つけんだ?
んん!?」
カエデよ、お前何故ヤクザ口調になるんだ?
「いや、これで二回目よ!」
これは嘘ついてるな。
何となくそんな気がする。
「本当は?」
俺が満面の笑みで聞く。
「さ、三回目です」
母さんが恐る恐る答える。
お、これは本当っぽい。
けど念の為もう一回聞いとくか。
「ほ、ん、と、う、は?」
次は威圧感を増すために区切って言ってみた。
「本当です。
本当に三回目何です」
「今回は、許すけど。
こんな事がないように頼むよ。
いいだろカエデ?」
「アニキがそう言うならアタイもそれでいいですぜ」
お前はいつまでヤクザのモノマネやってるつもりだ?
「はいはい。
遊びはここまでにして頼みましょう」
母さんがそう言ってメニューを開ける。
「うわぁ〜。
凄い!」
メニューを見た沙耶は目をキラキラさせながらそう言った。
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