Act.2-3

 ここはPromise World -プロミスワールド-


 この世界を創りし創造主と、精霊達の約束の大地。


 世界を創りし時、創造主は精霊達に言いました。


「私は世界の創造に力を使い果たしました。力の回復の為、しばらく眠りにつきます……この世界は、そなた達に預けましょう。皆で協力し合い、私が目覚めるまで平和を保ち続けていきなさい……」


 そして、八つの精霊一人一人に土地を与えました。

 まず、世界の基盤となる大地を司る地の精霊には、一番大きな土地を与えました。

 次に、自然や生命の基盤となる火、水、風、雷の精霊には、ほぼ同等の土地を、それぞれに与えました。

 更に、自然の摂理として最も厳しい氷の精霊には、世界のバランスを取るために、北方の広く長い土地を与えました。

 そして、最も力の強い光の精霊と闇の精霊には、他への影響力を考え、それぞれ他の精霊達とは離れた両極端の場所に、小さな土地を与えました。


「互いに均衡を保ち、この世界を護っていきなさい……」


 そう言って創造主は、永き眠りにつきました。


 創造主が眠りについてから、精霊達はこの世界の住人を生み出し、世界を発展させて行きました。

 住人達はお互いに慈しみ、協力しあい、自然とも上手く共存し、平和に暮らしていました。


 世界が創られて数千年が経ったある日。

 平和だった世界の均衡が、突如破られました。

 闇の精霊が自らの土地から出て、他の土地を侵食し始めたのです。

 闇に侵食された土地に居た妖精や動物達は、闇に引きずり込まれ、闇の住人へと変化していき、更に人々の心には邪悪な心も芽生えていきました。

 これを知った他の精霊達は、闇の精霊に唯一対等に抗える光の精霊と共に立ち向かいました。


 しかし。


 闇の精霊は他の精霊達の抑止も聞かず、更には光の精霊の力の源でもあるクリスタルを奪い、闇に染めてしまいました。

 これにより光の精霊は力が弱まり、闇の勢力は更に増して行きました。

 住人達に芽生えた邪悪な心は、互いに憎しみ傷付け合わせ、平和だった世界を分裂させていきました。

 このままではいけないと判断した他の精霊達は、光の力を取り戻すため、新たにクリスタルを精製する事にしました。

 しかし光の精霊も弱まり、自分達の力も徐々に弱まっている今、新たにクリスタルを造る力はありませんでした。

 そこで精霊達は、自分達の力を高める事が出来る光の原石を探すことにしましたが、この世界のどこを探しても自分達では見つける事が出来ませんでした。


 光の精霊は雷の精霊の力を借り、異世界へ協力者を探しに行く事にしました。

 他の精霊達はバランスを崩さぬよう、光と雷の力を補うように更に協力して保ち続けました。

 その中で風の精霊は、世界に希望をもたらすため、言い伝えを世界に流しました。



 世界が闇に堕ちる時、異世界から来たる救世主と呼ばれる光の話を──。

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