Act.1-9

「うーん……」


 ディスクをゲーム機に入れたはいいが、何も反応がない。入れ直したり、ディスクや機械本体を綺麗に拭いたりもしたが、相変わらずテレビの画面は真っ暗なままだ。


「やっぱり壊れてんのかなあ。まあ、安かったもんねえ」


 そう呟きながらもう一度電源を入れ直そうとした時、外が一瞬ピカッと明るくなった。

 次の瞬間。ドォーンッという轟音が大きく鳴り響く。


「キャアッ!」


 物凄い轟音と共に家も揺れる。一瞬にして辺りは真っ暗闇となった。どうやら落雷により停電してしまったようだ。


「び、びっくりした……今の雷、もしかして家に落ちたりしてないよね?」


 暗闇の中、鞄に入れたままになっている携帯で明かりを点けようと手探りで立ち上がると、後ろからブゥンという音がした。

 振り返ってみると、テレビから明るい光が洩れている事に気が付く。画面は真っ黒だが、確かに電源が入っている。


「え……停電してるはず、だよね? 何でテレビだけ……?」


 そう呟いた瞬間、突如テレビからまばゆい光が放たれた。


「わっ!?」


 あまりの眩しさに、美亜はギュッと目を瞑る。

 部屋全体が光に包まれ、閉じても痛いくらいの光の量に両手で目を覆った。




 ――さあ……行こう――

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