文通から始まっても好きになれますか?
隠音
第1話 始まりはこの相談にあり。
高校生活2年目迎えてから
もう、2ヵ月余りが過ぎた頃の昼休み
春子は悩んでいた。
「…………はぁ。」
とため息。
「どーした?ため息ついて、悩みか?」
春子の親友である涼子が顔を覗かせる。
「悩みと言うか……うーん。」
「はらほら、吐いてしまないなよ!!」
涼子は耳を傾ける。
そして、
春子は何かを決心したかのように
ゴクリと息を飲み言った。
『私……恋がいしてみたい!!!』
突然の大声に教室がざわめく。
とっさに涼子は
「声が大きいよ!春子!」
と春子の口を抑えた。
すると、春子は恥ずかしそうに
顔を赤らめる。
「ご……ごめん……。」
春子の口から手を離し、
恥ずかしそうにしている春子に涼子は
困った口調で問いかけた
「いや、良いけどさ……でもなんで急に?」
春子は少し言いずらそうに
口を開いた。
「いや……なんかこう、もぅ高校2年生なのに恋の一つや二つしてみたくなったというか……思いつき?」
と首を傾げた春子に対して
涼子はポンッと春子の頭を叩いて
少し呆れたように言った
「馬鹿者っ!恋はね、思いつきで出来るものじゃないの!」
春子はポンッと叩かれた頭をさすりながら
自信なさげに答える
「えっ……だ、だよねぇ……そもそも私、あんまり男の人とも話したりしないし……」
涼子はまたもポンッと叩く仕草をしたのを
見て、春子はとっさに頭を手で抑えながら
少し潤ませた目で涼子を見つめながら
「え、りょーちゃん……ごめんって思いつきなんて言って……」
と言った。
涼子は少し困った様な顔をして
「まったくもぅ。そうじゃなくて、その内気な所がダメなのよ!まぁ、思いつきもどうかとは思うけど……とにかく何か行動しないと恋なんて生まれない!だよ!」
言われてみれば確かにその通りだと
春子は思った。
涼子はまだ何か言いたそうにしていたが
春子はそれを遮って何かを決意した顔で
「行動ね、確かに。なるほど……!ちょっと考えてみる」
涼子はうんうんと頷き
次の授業は移動教室なので
«とりま!行動あるのみよ!»と言い残し
颯爽と教室から出ていった。
そして
春子も次の授業の準備をして
移動先の教室へと向かった。
こうして、昼休みは終わった。
文通から始まっても好きになれますか? 隠音 @kakuuune1214
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