第14話 遺伝子操作の成れの果て

「貴様!俺の体がキモいだと!?なんて美的センスが無いやつだ」


 キモい奴に否定された。コイツに言われたくは無い。


「よく見ろ、この私のヌラヌラしたカエルの体、それに猫の体の毛艶がいいこと。更に更に!この人型のボディの素晴らしく引き締まった体!正に美の集合体だ」


 どこが?カエルのヌラヌラは気持ち悪いし、猫の毛艶は……少し触ってみたくなる。待て待て、そもそも猫の毛艶などどうでもよいだろ。


 それよりも一番気になる点がある。


 コイツの体のどこが引き締まってるんだ?


 貧相な痩せた体に浮き出る肋骨、腕はヒョロヒョロ、腹筋は痩せすぎてしょぼくれた筋肉が浮き上がっている。

 僕は失笑を禁じ得ない。思いっきり侮蔑的な顔をして嘲笑ってやろう。


「き、貴様!何がおかしい!?」


 全てだ。全て。特に貧相な人の体だ。


 まったく、コイツは確か遺伝子操作の大罪だったかな。この体が生まれつきな筈ないだろう。大方、遺伝子操作で体を改造しすぎた結果、頭がおかしくなったに違いない。


 僕は指を指して笑ってやった。


「き、き、貴様ぁ!許さん!この“細マッチョ”と言われたこのボディをバカにするのは許し難い」


 ……“細マッチョ”……僕はその言葉を聞いてフツフツと怒りが込み上げてきた。

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