第13話 不幸な生い立ち?

「フハハハ、ローランよ。これでもう電車は使えまい」


 あ、リッチブリッジにいたキモい体の魔物だ。確か遺伝子のなんちゃらとか言ってたな。


 コイツはカエルと猫と人が合体したような姿をしてる。キモすぎる。


「ベリトの嘘にまんまと乗せられおって!“遺伝子操作”のバエル様が相手してやる。さあ、このニュー・セーフ・キャッスル駅の跡地が貴様の墓場だ!」


 キモい奴が喧嘩を売ってきてる。やれやれ。この人、キモいだけで大して筋肉はない。そんな体躯じゃあ、僕には勝てないぞ。


 しかし、この魔物、なんでこんなにキモいんだ?

 僕は気になって尋ねてみる。


「フッ……俺は自分の醜い姿が嫌いでな……ある日整形手術をしたのだ」


 何と、そのキモい体は整形手術の失敗によるものだったのか!


 しかし、整形手術にしてはダイナミックに整形したものだ。どちらかというと改造手術じゃ無いのか?

 どこをどう間違えたら整形手術でカエルとネコと人が融合する手術になるんだ?


 僕が疑問に思っていると、キモい奴が話を続ける。


「しかし、手術は失敗……俺はこんな姿になってしまった!見ろ!この醜い姿を!」


 そう言って、キモい奴は一重の目蓋を見せてきた。

 ……あれ?何で目蓋を見せるんだ?


「二重にしたかったのに、一重のままだ!おまけに目蓋に傷跡がついてしまった……この悲しみが分かるか!ローランよ」


 さっぱり分からん。コイツの言ってることは二重目蓋の整形失敗じゃないか。どこにキモい体になった理由があるんだ?


 再度、キモい奴に尋ねてみる。


「フッ、この体は生まれつきだ。どうだ?かっこいいだろ?」


 何だよ、コイツ!一重をキモいと思ってるのか?別に一重か二重なんて好みだろ。キモいのはお前の体と美的センスだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る