幸せの形

勝利だギューちゃん

第1話

魔法・・・

全く興味がない。

そんなのは信じないし、胡散臭い。


でも・・・


何でも試して見るのは、いいことだ。


古本屋で、魔法辞典を買ってきた。

魔法使いの、呼びだしが書いてある。


えーと、トカゲのしっぽなどを用意・・・パス。

魔法陣だけ書こう。


紙でいいや。


うーんと、こんなものかな・・・


よし、魔法使い出てこい。

て、来るわけがないか・・・


すると、魔法陣から煙が出た。

すると、女の子が現れた。


「ああっ、久しぶりの仕事だわ」

「あのう・・」

「あっ、私を呼びだしたのは君?」

「そうですが・・・」

女の子は、肩をならす。


「最近、なまっててね」

「あなたは、本当に魔法使いですか?」

「そうよ。下級だけど」

「どうして、下級が来るんですか」

その一言に、女の子は、立腹した。


「君のせいでしょ?」

「えっ、俺?」

「こんなへたくそな魔法陣。何も用意していない。

私しかこれないよ」

ごもっとも。


「で、願いは何?」

「願い?」

「あるから呼んだんでしょ?早く言ってよ」

俺は、間髪いれずんに応えた。


「かつて関西にあった、南海、阪急、近鉄のプロ3球団を、復活させてください」

「そういう大掛かりな事は、ちょっと・・・」

「世界征服」

「無理」

「大金がほしい」

「こっちが欲しいくらい」

「願いを増やせ」

「ルール違反」

「不老不死」

「それは、後で後悔するわ」

わがままだ。


で、なかなか許可してくれる願いが見つからない・・・


「大事な願いがあるでしょ?」

「無病息災や家内安全は、神様に祈る」

「そうじゃなくて・・・」

「何?」

女の子は、じれったいという顔をしている。


「私みたいな、かわいい女の子を彼女にしたいでしょ?」

「断る」

「いいから、それにしなさい」

「やだ」

この言い合わそいは、3日続いた。


「わかったよ。君に僕のそばにいてほしい」

「その願い、受理します」

いいんかい。


「だって、向こうを追放されて、いくとこなかったんだ」

それだけかい。


「じゃあ、私はシルキー。よろしくね」

「俺は、夏野佐馬(なつのさま)だ。」


かたく握手をした。


で、その後どうなったかというと・・・


失敗した。

女子力0.勉強も運動も普通以下。

とても、傍若無人だ。


ただ、なぜだが楽しい。

なので、失敗ではあるが、不幸とは思わなかった。


こういうのも、悪くないかもしれない。


「佐馬、何ぶつくさ言ってる、出かけるゾ」

「ああ、今行く」


これから、買い物に付き添わされる。

また荷物持ちが・・・


でも、今は幸せです。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

幸せの形 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る