第8話 暗闇
ーそして木曜日ー
城路 翼「おはよう、和美。今日から一緒に登校して帰りも一緒に帰れるね。逃げようとか助け求めようとか思っちゃダメだからね。いつ何処でも見てるから、もしそんな事したら、もうお家から出れなくするからね。」
和美「わかったよ。」
城路 翼「なら、良かった。そしたら、学校行こうか。」
ー学校の門前に着くと…ー
美結「あっ!和美!」と涙目な美結が遠目に見えた。
その瞬間、翼は「学校内では、婚約者って言ってね!仲良い子に聞かれたら絶対言わないと僕何するか分かんないから。じゃあ帰り!」
私は、翼が立ち去ったのを横目に確認し美結に近寄って行った。
美結「もう、和美!何で連絡したのに出てくれなかったの?隼さん達も心配してたんだよ。」
和美「ごめんね…。」
美結「まあ、いいけどさー。今の人カッコよかったけど、彼氏?」
和美「違う…‥よ、婚約者なの…。」
美結「え!嘘。何でどーして。隼さんは?どうするの?和美、隼さんの事凄く好きそうに見えたのに…私、隼さんと和美は絶対両想いだと思ったのに。」
和美「ごめん、ね?美結…ごめん。教室行こっか!」
美結「か、ずみ…なんかあったでしょ?」
和美「なんでも、ないよ。」
美結「バカ!じゃなきゃ、何で泣いてるの!」
ー!!!ー
私は気付かないうちに涙を流していたみたい。でも、助けてなんて言ったらお父さんがどうなるか、家がどうなるかなんて考えていたら美結や隼達には言えない。でも助けて欲しい。どうしたらいいんだろう。取り敢えず、今日を頑張って過ごそう。隼達には、伝えたく無いから、会わない様にしよう。そう決めて、美結と教室に向かった。
美結「あーあ、1限目やっと終わったねー。しんどかった。」
和美「ねえ、美結…」
美結「どしたのー?」
和美「隼達には、婚約者の事秘密にしててくれないかな?私、知られたくないし…隼が、隼の事が…」
美結「わかってるよ、和美の気持ち。だから、今は最後まで言わなくても大丈夫だから。」
和美「美結…ありがとおお」
美結「和美、今日はよく泣くねー。」
ーその時、ケータイが鳴った。ー
♪プルプルプル♪
美結「電話ー?」
心配そうな表情で聞く美結に「うん、ちょっと出るね。」
聞きたくない、出たくない電話を出て
和美『もしもし?』
城路 翼『あ、和美ー?もう少し嬉しく電話出てくれる?』
和美「普通だよ、要件は何?」
城路 翼『そうそう、和美これからは一人で居て!友達とは、もう喋らなくていいよ。孤立して、んで、僕とお昼食べよう。これ決定ね!じゃ。』
和美『待って、美結とは話していいでしょ?私の親友なの。』
城路翼『うーん、まあ女なら良いよ。』
和美『ありがと、じゃあお昼ね!』
♪プチップープープー♪
和美「美結、これからは隼達と絡む事出来なくなった。だから、もし怪しまれたら何とか濁して欲しい。お願い。」
美結「わかった…よ。」
ーそしてお昼ー
城路翼「あ!いたいた!和美ー!」
黄色い歓声の中、入って来ては美結に綺麗な笑顔で私がお世話になってます。と挨拶してたが、目は笑っていなかった。でも美結や周りの女子達は倒れるくらいだった。
和美「じゃあ、もうお昼食べに行くよ!」って、城路翼の手を取って教室出ようとしたら…
【和美‼︎‼︎】
〈和美ちゃん⁉︎〉
[和美ちゃん!]
何で今なの…私の欲しかった声…ずっと聞きたかった声なのに…それなのに…辛いよ…
和美「行こう!翼。私腹ペコだあ」
って通り過ぎようとしたのに、翼の手を握ってない方の腕に隼が握りしめている感覚が伝わってきたと同時に…低い声が聞こえた。
隼【誰そいつ?何で手握ってるわけ?離せよ。】
心が苦しかった聞いたことの無い冷血な声。だが、反対側からは陽気な声が聞こえた。
城路翼「あれー?和美から聞いてないですか?婚約者の城路翼です。因みに今度の土曜に入籍するんで、僕の和美に手を出さないでね!」
隼「ッチ!」舌打ちしたかと思うと私にいつもの笑顔を見せすれ違い様に【俺は絶対入籍する前にお前を取り戻しに行くだから待っててくれ。】そう言い残し歩いて行った私も翼に手を引っ張られながら振り返り心の中で「ありがとう。隼。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます