第5話 拉致

和美「ねえ、城路、何処行くの?手離して、痛いよ。ここって、城路の家?」

私は城路の力に勝てず両手両足を縄で縛られお姫様抱っこでリビングへ連れて行かれた。

翼「そーだよ。今ここ俺1人しか住んでないの。和美と住む為に一生懸命和美の部屋も作って待ってたんだよ。なのに、和美ってばあのヤンキー達と仲良く話すからダメなんだ。俺は和美しか見てないって言うのに。もう一生和美はここで暮らすんだ。」

和美「はあ?ふざけないでよ。連絡無くなっていきなり現れたと思ったら一生ここに住むですって?あなた私のお父さんがヤクザなの知ってて言ってるの?」

翼「そーだよ、もう和美のお家は俺の家の権力なしぢゃやって行けないよ。だから、和美は俺と結婚するしかないんだ。」

和美「嘘よ。」

翼「本当だよ、あと少しで電話掛かって来るんぢゃないのかな。それよりも、城路ぢゃ無くて翼って呼んで。」

和美「つ、ばさ。」

翼「もう一度呼んで。」

和美「翼…」

翼「なあに?和美。」

‘プルルルルッ プルルルルッ’

翼「あ、来た来た。はい、俺がケータイ持っててあげるから話して。いいね。くれぐれも監禁されてるとか言ったらダメだからね。」

和美の父『もしもし、和美か?今少し良いか?』

和美「もしもし…お父さん。時間大丈夫だよ何?」

和美の父『あのな…和美。翼君と結婚してくれないか。学校卒業するまでは、婚約者と言う形で良いから。すまない、頼む。』何だか言われることが…気持ちがわかった様な気がした。

和美「うん。わかったよ、翼に伝えておくよ。また帰り電話するね。」

和美の父『いや和美。お前は今日から翼君の家で暮らすんだ。荷物は送ってある。数日で届くだろう。じゃあな…すまない。』と言うと機械音がケータイから聞こえてきた。

翼「なんだってー?お父様は何て言ってたんだい?」

和美「私にこの家で一緒に住んで欲しいと、翼と

結婚してくれと学校卒業するまでは婚約者でいてくれと…」

翼「最後間違えてるよ。学校卒業迄なんか待てないよ。やっぱり、あの人はわかってなかったんだね。」

和美「待って、私の伝達ミスだった。今すぐにでも結婚しなさいって言われたわ。」

翼「そーなんだ、よかった。和美にそんな事言われたら直ぐにでも市役所行って入籍しよう。」

和美「待って待って、次の休みの日にしない?」

翼「良いけど、逃げようとしたらどうなるか分かるよね?」

和美「わかってるよ。まだ水曜日だし土曜日か日曜日でもいいよね。」

翼「わかった。あと、これから学校の行き帰りは送り迎えするから、変な虫付くと大変だからね。」

和美「わかったゎ。」

私は、この時翼の行動を軽く捉えすぎていた事を今の私は気づく余地も無かった。

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