初恋の裕子だよ

第1話 裕子です

裕子「いらっしゃいませ、どうぞこちらへ」

ぼく「有り難う、ＶＳＯＰをウーロン割りで」

裕子「かしこまりました」

ぼく「初めまして、小川です」

裕子「・・・はい、裕子です」

ぼく「美人ですね、中学の同級生の初恋の人に似てる」

裕子「まあ嬉しいわ、初恋の人だったの～？」

ぼく「でも気が小さくて好きだなんて言えなかったよ」

裕子「今アタシに言ってくれたからいいじゃない」

ぼく「うん、そうだね、同じ裕子さんだもんね、へへへ」

裕子「でもとっても嬉しいわよ」

ぼく「来て良かったな～、独りで飲んでも虚しいしね」

裕子「いつでもいらしてね！何かお疲れみたいで大丈夫？」

ぼく「色々疲れ過ぎる事ばかりで、君に会えて良かった」

裕子「アタシも！何か気が合うみたい～なんてね」

裕子「お好きな曲でも歌ってくださる？」

ぼく「カラオケかぁ、バブルの時以来だな、じゃあコレ」

裕子「わあ、アタシもこの歌大好き～」

ぼく「♪青空の澄んだ色は初恋の色～あの人と肩並べ～♪」

裕子「懐かしい、あの頃に戻りたい・・・グスン」

ぼく「大丈夫？ごめん、でも楽しかった、また来るよ」

裕子「もう帰っちゃうの？また来てね、小川君！！」

ぼく「あっはい、えっ？小川君って？」

裕子「アタシよ、1年1組一緒だった裕子だよ！！」

ぼく「え？ええ？？えーーーー？！！！」

https://www.youtube.com/watch?v=q0HyIGiDuqI