第135話 休日の過ごし方

 2か月ぶりの休日、何もない。

 予定など、まったくない。

 バイトしても良かったのだ。

 出てこれるか?とも聞かれたし…

 でも断った、疲れもあったし、何より独りになりたかった。


 寝坊してもいい…

 でも、いつも通りに目が覚める。

 二度寝してもいい…

 でも寝れない。

 数か月に1度の休日とはいえ僕には何もない。


 珍しく家にいる僕を猫が不思議そうに見ている。

 夜は、ずっと僕の傍で眠っている猫。


 洗って干しっぱなしのスニーカーの靴ひもを結んでいると猫が紐にじゃれてくる。

「チョビさん…それは噛まないでください」

 赤い紐を爪で引っ掻き、噛みつきじゃれる。


 今日は何もない。

 昔好きだった深夜ドラマのDVDが再販されていた。

 少し高い…買うのは来月にしよう。


 今日は…今日はそうだな…

 猫と遊ぼう。

 老猫、少し遊ぶと飽きるのか疲れるのか、結局、僕の膝の上で丸くなる。


 数か月に1日だけの休日、明日からはまた…

 だから今日だけは、好きにしていい。

 何もないけど…どこにも行かないけど…。

 それもまた休日。

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