第7話 『ド変態ドラゴン~~!!』
<紗菜>
この世界は解らない事ばかり
何がどうなってるのかさえ解らないって正直イライラしちゃう!!
ううう~~
翔は・・・私の胸に顔を埋めてお姫様抱っこされたままいつの間にか眠っちゃってるし!!
これって普通反対じゃない???
取り敢えず・・・
今私達が乗せてもらっているドラゴンは私達が助けたって思ってくれてるっぽいの・・・かな?
あの原始林の中に居たら、確実に今湧いて出てきている魔獣に食べられていた事だけは確実!!
私達が飛び立った後にあの原生林の中から湧いて出た魔獣・・まるで恐竜図鑑に出ているそのまままの姿
この上空から見ると小さく見えるけれど、一匹5メートル近くは有りそうな魔獣達、でもあの赤黒い禍々しい皮膚の色は何?
『まるで何かに汚染されたとでも思えるような禍々しい色』
そしてその赤黒い表皮の上を全身巡るような血管のような赤く発光点滅する模様が心臓の鼓動と共鳴しているように発光点滅を繰り返している!!
こんなにも大量の魔獣が溢れかえった世界・・・いったいこの世界で何があったんだろう?
私は過去に飛ばされちゃつた?それともこれは核戦争で人類が滅んだ未来の世界の成れの果て??
何も解らない・・・
今確実に言える事は、私と翔は青山学園の教室から一瞬で訳の解らない場所に飛ばされてきたって事だけは確か!!
私と翔を背中に乗せたドラゴンはゆっくりと原生林の中から飛翔して、地上500メートル近くをゆっくりと移動しはじめている。
『このドラゴン辺りをキョロキョロしながら何かを探してるっぽいけど・・何探してるんだろう??』
辺りには何もない!!
何もないっていう事はないっか・・
眼下には、どこまでも続く原生林と草原
その草原には体調20メートルはあろうかという恐竜達が肉食バトルを繰り広げている。
太陽は今まさに真上に近い位置で眩しく輝いている。
あの原生林の中は蒸し暑い位だったけれど、流石にこの高さまで飛翔してくると涼しい!!
太陽の移動方向からすると、進行方向の左手の方向が東になるっぽい。
そんな私達の進行方向東側向こうには高い岩山が漣漣と繋がりその岩山の所々からは噴煙が立ち昇り、時々火山が激しく溶岩を吹き上げているのが見える。
そんな風景を見ると思わず
『はぁ~』
っと深いため息が出てしまっていた。
どんな私の深いため息がドラゴンに聞こえたのか、何かを探しながらキョロキョロと探していただろうドラゴンの首が急に後ろを向いて下から覗き込んでくる。
ドラゴンの下から覗き込んできた視線の先は・・・
当然私のスカートの中に向いてた訳で!!
「バカ!!」
「えっち!!」
「見んな~~!!」
「変態~~!!
私はそんなドラゴンを睨みながら矢継ぎ早に罵倒する。
いくらドラゴンだってパンツ見られると恥ずかしいじゃん!!
もう!!
『バカ!!』
そんな私の表情を見ていただろうドラゴンは頭を大きく上空にあげた瞬間に
『ガッガッガッガッガッガッガッァ~~~~~』
と豪快な雄叫びをあげていた。
『変態ドラゴン!!~~』
そんな目で睨んでいたのが解ったのか?
上を向いて豪快に笑っていただろうドラゴンが急に私の目の前に頭を持ってきて覗き込んで
『クインッ』
『クインッ』
と頭を振ってくる
『何なのよ!!このドラゴン』
何か私に伝えたいの?
意味もなく頭を振っている訳じゃ無いみたい・・・
でもね~~
頭を振るだけじゃ・・
『全然解るはず無い!!』
変態ドラゴンだし!!
そうねいっそ
『変ドラ』
なんて名前にじちゃったほうが良いんじゃ!!
そう思うと!!
めちゃめちゃ可笑しくなって
「あははははっ~~」
って思わず笑ってしまってた私。
私はそれに気がついて思わずドラゴンを見ると、一瞬視線が合ってビックリ!!
私は
『フンッ』
っと口を尖らせ不機嫌をアピールし横を向いてドラゴンから視線を逸らす。
ホント馬鹿にされたようで腹が立つ~~!!
そんな私の目の前に!!
突然!!
ドラゴンの顔!!
『チュッ』
私が尖らせたくちびるに絶妙に押し付けられたドラゴンの顔!!
『か・・確信犯!!』
ヤラレタ~~!!
「変態!!」
「変態!!」
「変態!!」
「変態!!」
「変態!!」
「ド変態ドラゴン~~!!」
私の怒涛の罵倒の言葉に
『ヤットツウジタ!!シカタナイデアロウ!!オマエガキズカナイノガワルイノデアロ!!』
突然私の頭の中に直接響いてきた言葉?
言葉じゃない!!
頭の中に直接響いてくる言葉?イメージ?
理解?
そう
これは!!
『テレパシー!!』
つづく・・・
魔法と科学が混在する世界の中で シャーロット @airi_01
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