第6話 『えっちなだけの変態ドラゴン』

<紗菜>


「さな~~~~~~~~~!!!」

悲痛な翔の叫び声!!


私はそんな翔の叫び声に驚いて横を向いた瞬間


ドラゴンの洞窟のような大きな口が私の頭上に広がっていて急速に私の体に向かって頭上から落ちてくる。



私!!

このドラゴンに食べられる!!


っと思って身構えた瞬間


『ペロンッ』


『ペロンッ』


そんなドラゴンから私は突然大きなザラザラの舌で舐められて思わず尻餅を付いてしまってた私


一瞬食べられるかと思っちゃった!!

そんなドラゴンは大きな青い透明な瞳を細くし私の顔を



『ペロンッ』


『ペロンッ』


っとまるで子犬のように舐めまわってくる。

しかし・・

そのドラゴンの瞳は・・

何故か・・


私が尻元を付いて大きく開いた脚の間を凝視しているっぽい?

私はそれに気がついて思わず尻餅を付いた姿勢から正座に変えた瞬間


「バカ!!えっち~~~!!見るな~~~!!」


と真っ赤になりなからも思わずドラゴンを怒鳴りつけ同時に睨みつけちゃってた。

ドラゴンは私が睨んだ途端に、私の身長よりも大きな瞳を瞬間私のスカートから逸ら


せて上を向いたと思ったら


「ガガガオォ~」


「ガガガオォ~」


「ガガガオォ~」


っと何度か笑うような雄叫びをあげている

これって・・

私・・

『ドラゴンにからかわれてる?』



翔のほうは大丈夫かと視線をむければ・・・

大きな口を開けたまま・・


『固まっちゃってる』


だらし無いわね翔!!

ドラゴンは確かに怖い存在だけど・・



私のパンツ見て欲情するような奴?

そう


『えっちなだけの変態ドラゴン』


って思うとムカついてきちゃって怖いって気持ちに何故かならない

上を見上げるとと豪快に雄叫びをあげてまるで私が


『バカ!!えっち~~~!!見るな~~~!!』

って言った言葉を解ってるように笑っている


そして


『チラッ』


『チラッ』


っと時折私の方に一瞬視線を向けて、私の様子を伺っているよう

私と視線が合うと、悪戯っぽい瞳で私から視線を逸らしているドラゴン。

私まるで


『からかわれている?』


っぽい・・・

それにしても・・此処は何処なんだろう?

湿気が有り過ぎてムシムシするから、じっとしてるだけで汗が出てきそう

それに、私達の周りは原始林に覆われてて周りの景色は殆ど見えないけれど確実に今


までいた世界とは違うなは解る!!


ドラゴンが落ちてきた為に、なぎ倒された原始林の間から高くそびえ立つ岩山が見え


、所々に火山の噴火かモクモクと立ち昇る黒炎が見える。


太陽はまだ真上には来ていないから午前10時から11時って感じ

私はそんな風景を見ながら不安な表情をしていたのだろう・・


ドラゴンが再度


『ペロンッ』


『ペロンッ』


って私の顔をザラザラの舌で舐めてくる。

『私が助けたって思って思ってるのかな?』


私は思わずそんなドラゴンの鼻を撫でてやると、目を細めて私に顔を擦り付けてくる


私は懐かれちゃった?のかな・・・

暫くそんな風に私に顔を擦り付けてきてたドラゴンは、不意に私の足の前に大きな手


を差し出してきて、私の顔と差し出してきた手を交互に見る動作を何度かしてくる。


そんなドラゴンの行動を見て


「私に此処に乗れって事?」


って思わず独り言を言ってしまってた私。

ドラゴンは私の言った言葉が解ったのか


『ウン』


『ウン』


っと大きく頭を上下に振って頷いてくる。


「うっそ~マジで?」


と私が言うと、悪ガキが


『ニッ』


っと笑うような笑みを向けてくる

私は後ろを振り向きながら


「翔~ドラゴンが乗せてくれるって~」


って私が言うと


「紗菜このドラゴンの言う言葉が解るのか?」

って震えた弱々しい声で聞いてくる翔

「ドラゴンの言葉なんて私に解るはず無いでしょ!!何となくよ何となくそんな感じ


がするだけよ!!」

そう私にドラゴンの言葉が解ってたら、こんなに苦労する事無いじゃない!!

翔に、ちょっと文句も言いたい気分なんだけど・・

こんな状況なので止めてやめておく。


そんな翔は不安そうな表情で


「紗菜だ・・だいじょうぶ・・なんだろうな」

って念をおしてくる。


でも体が震えてるっぽいし・・

尻餅をついたままになってるから・・


『腰抜かして立てないんじゃ?』


それに

お股が少し濡れてるから・・・


『翔もしかしなくても・・・チビっちゃった?』


可愛そうだから突っ込まないであげよう!!

私つて何て優しいんだろう


『感謝しなさいよね翔!!』


私は震えている翔に向かって


「此処に居てもドラゴンが飛び立った途端に私達を取り巻いている数十万匹の魔物に


食食い散らかされるだけよ!!同じ食われるんなら一気にドラゴンに食われたほうが


楽よ?」


って言うと

「それってどっちにしても俺達食われるって事じゃん」

って情けない声で私に文句を言ってくる

「情けない事言ってんじゃないわよ!!食べられそうになったらアンタが私を守って


くれるんでしょ?今さっきだって私を命懸けで守ってくれたでしょ?」

って言うと・・


『ウン』


っと頷いてくれる翔

もう少し行動が伴ってくれれば・・私も頼りがえがあるんだけど・・

この分じゃ私がお迎えにいかなきゃいけない・・みたいね!!


商は多分・・


私はドラゴンを見上げ視線があった後、翔の方に向き直り、



『ミシッ』


『ミシッ』


『ミシッ』


っと原生林に落ちた枯れ枝を踏みしめながら、ゆっくりと翔の座り込んでいる所まで

歩いてゆく。


『ガサッ』


っと私達の周りで音がする。

でも音がした瞬間ドラゴンがその方向に睨みを利かすと、また静寂が蘇る。


ドラゴンが落ちてこなかったら、私達は確実に奴らの餌になってたんだろうな・・・

でもドラゴン何であんな怪我をしちゃってたんだろう?

こんな大きなドラゴンに死ぬほどの怪我を負わせるなんてこの世界には、このドラゴ


ンよりも強い何かが居るのかな?


そんな事を考えながら歩いていた私は、いつの間にか翔の所まで歩いてきてしまって


いた。


「翔なんて情けない格好してるのよ!!ドラゴンに驚いて腰抜かしちゃうなんてサイ


テー」

「しょうがネエだろ!!ドラゴンだぞ!!ドラゴン!!それも500メートル以上あ


るドラゴンだぞ!!あんなドラゴンを見ても正気でいられる紗菜の方がおかしいんだ


よ!!」


「しょうがないわね、コレじゃ反対じゃない!!私のお姫様」

私はそう言いながら翔に手を伸ばす


翔は驚いて

「さな・・・な・・なにすんだよ~!!」

って体を後ろに逸らして私の手から逃げようとする

そんな翔に向かって


「こうするのよお姫様」

って言って私は翔の体をお姫様抱っこ!!


『重たいんじゃって思ってたけど、軽い!!』

私、翔を抱えられる位力有ったっけ?


「おい!!さなって結構力有るんだな」

って私にお姫様抱っこされた翔がビックリしたように私を見つめてくる。

「それって女の子の言う言葉じゃ無いから」

って私が言うと

一瞬で顔を真っ赤に染め

「ご・・ごめん」

って私から視線を逸らす翔


『か・・・可愛い・・』


そんな翔の姿に私の心は一瞬で


『ドキッ』


っとときめいてしまう

私はそんな自分の気持ちに気が付いて混乱していた・・のだろうな・・


「翔って女の子の格好させたら結構似合うかも」

なんて思った事を声に出していた私


「服が・・あるなら良い・・・ぜ・・・」


って翔の言葉で私は、自分が思ってた事を言葉にしていた事に気が付いて焦ってしまう。

『服があったら・・良い?』

うっそ~~~

冗談のつもりだったのに!!

どうすんのよ私~~!!

『私これじゃ変態みたいじゃん!!』


ここは誤魔化すしかない!!


「じゃ~~翔は私の奴隷決定ね!!」

「おい!!なんで其処でそうなんだよ・・」

ってまたまた翔は顔を赤く染めて私の胸に顔を埋めてしちゃった

へっ?


『翔何?そのリアクション?』

な・・何で私の胸に顔を埋めちゃうわけ????????

訳わかんない!!



それに!!

『奴隷って言った言葉何で否定しないの??』


翔は


『ドMなの??』


私・・・

『恥ずかしくって話逸らすために言っただけなのに・・』

そんな事聞くわけにもいかずに私は、翔をお姫様抱っこしたままドラゴンの所まで帰ってきた。


ドラゴンを見上げると


『ウン』


『ウン』


って頭を縦に振っているから、一緒に乗って良いって事だよね?

そう思ってドラゴンの差し出した手の上に翔をお姫様抱っこしたまま足を進める


ドラゴンは私をゆっくりと背中に乗せた後、ゆっくりっと翼を広げてゆく

翼を広げ終わると

『羽撃く?』

って思ってたら・・

音もなくゆっくりとドラゴンが上空に向かって浮き上がってゆく

何かイメージと違う!!

こんな巨体が音もなく浮かび上がってゆくなんて不思議


原生林の間からドラゴンの体が上空に向かって浮かび上がってゆくに従って、今さっき私達が居た空間に一気に魔獣が溢れ出してきている。


眼下の空き地にワジャワジジャと蠢く魔獣達を上から見ると気色悪い。

あんな物に私達の周りを囲まれていたかと思うとゾッとする。

こんあ魔獣がウヨウヨいる場所じゃ人間なんてとても住めない・・


『この世界はどうなっちゃってるの?』


段々と上空にドラゴンが浮き上がって来るに従って、鬱蒼と茂った原始林そしてその中に点在する草原

その草原を10メートルはある巨大なティラノサウルスや首の長いブラキオサウルス首まで含めると20メートルはあるんじゃ?


私達は過去の白亜紀頃の世界にタイムスルップしたのかな?

でもそれにしては・・


恐竜の大きさが大きすぎす!!

それにあんな魔獣はこの地球上には居なかったはず!!



私達は・・


つづく・・・

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る