第5話 『ドラゴン』
<紗菜>
うう~翔にパンツ見られるなんて最悪~~
超~恥ずかしかったじゃん!!
気がついたら翔の顔が目の前にあってビックリしちゃった
ビックリしちゃって思わず翔の体から飛び退いちゃった
『でもマズっちゃったな~ビックリして尻餅ついた弾みにモロにパンツ見せちゃうなんて』
顔が・・・熱い・・
きっと私の顔・・
『真っ赤になっちゃってるんだろうな』
うう~恥ずかしい!!
真っ赤になってるの見られるのが恥ずかしかったから、そのまま後ろのドラゴンに向かって歩いてきちゃったけど・・・
『紗菜何をしようとしてるんだ?』
って翔に言われてビックリ!!
まさか・・
『パンツ見られて真っ赤になってるの見られるのが恥ずかしいから』
なんて言える訳ないじゃん?
『翔のバカ!!ニブチン!!その位解ってよねって感じ!!』
ドラゴンの体まで20メートル位・・
でも・・
何故だか恐怖を感じない
『こんなにも大きな体なのに!!』
映画のCGで見たようなジュラ紀から白亜紀にかけての古代原生林を押しつぶして落ちてきたドラゴン!!
こんな原生林、私達が住んでいた世界には絶対に無い!!
其れにこのドラゴン長さおよそ500メートル?
もしかしたらそれ以上有るかも!!
それにしても胸からお腹にかけて凄い傷で体が抉れて虫の息って感じね。
どうやったらこれだけ大きなドラゴンにこんな傷を負わせれるんだろう?
『え・・』
嫌だ・・
このドラゴン・・
『私を見てる!!』
体を動かす力はもう残っていないみたいだけど・・・
半分力なく開かれた瞳が・・
私が歩くたびに私の姿を追っているよう!!
音一つしない原生林の中
多分このドラゴンが居る為に動物たちは怖がって身を潜めてる?
それはそれで運が良かったのかな?
もしこのドラゴンが落ちてこなかったら私達は他の動物に襲われて今頃、食べられていたかも!!
そう思った瞬間
『体が震えてきちゃう』
『ミシッ』
『ミシッ』
『ミシッ』
『ミシッ』
『ミシッ』
私が歩く度に、地上に落ちた枯れ枝が音を立て音一つしない原生林の中に響き渡ってゆく。
原生林の中の50メートル・・
歩くと結構疲れるな。
都会の中ではこんな腐葉土のぼこぼこした足場の悪い所を歩くなんて事は絶対に考えられない!!都会の地上は殆どコンクリートとアスファルトに覆われ土すら見るのは稀なのだから!!
やっとドラゴンの所まで歩いてきた私。
見上げるような山が有るみたいな感覚
これが全部ドラゴンの体なんだなんてとても思えない。
そんなドラゴンの半分開いた瞳は相変わらず私の姿を追っているよう
半分に開いた透き通るようなブルーの瞳でさえ私の背丈よりも大きい位
何を食べたらこんなにも大きくなれるんだろう・・・
私は深い傷を負った部分に思わず手を伸ばす
何故そうしたのか・・
『私にも解らない』
好奇心?
いえ・・
何だろう
『何なんだろう心の中から湧き上がるようなこの気持ち・・』
解らない・・
私は傷を負った部分に手を添えて・・
『ゆっくりと撫でてみる』
私の手が・・
少し暖かくなってきた感じが・・する
『気のせい?』
そうかも!!
と思いながら、そのままドラゴンの体を撫でていると、私の手が少し光ってきてる錯覚?
いえ!!
『錯覚なんかじゃない!!』
『光ってる!!淡く金色に・・・光ってる~~~!!』
その金色に輝く光は私とドラゴンをあっという間に飲み込み
ドラゴンの深々と抉られた傷が・・
塞がって・・
そして無くなったドラゴンの片翼が・・・
『再生してゆく』
もしかして・・
翔も・・
ドラゴンのウロコの破片を体中に浴び血が噴き出していた翔
私のこの力で・・
『何?』
『何か起きてるの?』
私は目の前で起きている事が理解できずに混乱していた。
そんな中
「さな~~~~~~~~~!!!」
突然のそんな翔の叫び声に私は現実に引き戻された!!
つづく・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます