第3話 『私をこんな所で一人にしないでよ!!』
<紗菜>
私のファーストキス!!
今まで誰ともキスなんてした事・・・無い
そんな私のファーストキスは・・
『翔の血の味がした』
私は翔のくちびるにくちづけしながら、次から次に溢れてくる涙で次第に目が霞んで見えなくなるくらい涙が・・
『涙が止まらない・・』
私こんなに翔の事・・
『愛してたんだ』
翔が死んじゃって気づくなんて!!
『私なんて馬鹿なんだろ!!』
こんな事になるんだったら、告白してくれた時に、付き合ってしまえば良かった!!
翔がこんな風に居なくなってしまって始めて気づくなんて・・
そう悔やみながら、翔の口からドクドクと流れ出してくる血を翔にくちづけしたまま飲み込んでゆく私
『此れは異常!!』
そんな事くらい解ってる!!
死んでしまった大好きだった人の死体から流れ出してくる血を飲むなんて・・
映画の世界のように・・
彼の血を飲んで眷属として生き返らせる事が出来るなら!!
『私は喜んで吸血鬼にでもなる!!』
でも・・
そんなの夢物語だと解ってる!!
今は・・
翔に血が原生林の大地に吸い込まれてゆく事が耐えられない!!
私は・・
翔の噴き出してくる血をどのくらい飲んだのだろう・・
解らない位大量の血を・・
私は無心に・・
『飲み続けていた・・』
異常な私・・
翔の血のせい?
頭がクラクラする・・
吐き気も・・
目眩がする・・
私の周りの世界がグルグルと回ってる・・・
意識が・・・
頭の中が段々と真っ白になってゆく感じ・・
「嫌だ~~~~死んじゃ嫌だ~~~~私より先に死ぬのは許さないから!!」
そう・・叫んだ瞬間・・
私の意識は・・・途切れた・・
つづく・・・
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