第2話 『ファーストキス』
<紗菜>
今は物理の授業中
私の横には大好きな翔が居る!!
居るって言うより、私が仕組んだ!!
パパに頼んで私の隣の席にしてもらったのだ。
パパに
『私結婚したい人が居るの』
って言った時には、流石にビックリされちゃった。
私が内緒で撮った動画を見せたらなんとか納得してくれたわ
勿論、その動画は・・
翔が
『紗菜さん結婚してください』
って私の前で頭を下げている動画!!
だから今は私の親公認の仲!!
さしずめ
『婚約者』
って所かな!!
タダ・・
パパが
「彼が我々一族の試練をくぐり抜けて無事に生きて帰ってくればだがな・・」
と不穏な一言をボソッと私に聞こえるように言ったのは・・
気のせい?
普通温和なパパが、少し心配そうな表情をしたのが気にかかっちゃう・・
『何でパパはあんな事を私に言ったんだろう?』
それが唯一の不安
『パパとの約束、翔には内緒だけど・・うふっ』
それを翔が知ったらビックリして失禁しちゃうかも!!
私と翔は予定通り、青山学園に無事入学できた。
翔に声を掛けられたのは昨年中学3年に進級して、席替えでタマタマ横の席になった時
流石に
『此処解らないんだけど教えてくんない?』
って気さくに声をかけられたときはビックリしちゃった。
成績が悪くて悩んでたみたい!!
私に声を掛けてくる人は、私を青山学園の学園長の娘としてのお嬢様扱いをしてくるけれど、翔は違ってた。
私にはそれが新鮮で、凄く心地よかった。
『翔だけは私をお嬢様扱いしない』
それが凄く嬉しかった私
中間テストは私は何時ものように自信はあったけど。まさか張り出された中間試験順位の2位に翔が入ってるとは思ってもみなかったので正直ビックリ!!
私の前に偶然居た翔に声を掛けた時
『学年1位の青山紗菜さんには敵いませんでしたけどね!!苦手な数学教えてくれたお礼に美味しいケーキ屋さん知ってるんだけど食べに行かない?』
って誘われてまたまたビックリしちゃった私!!
『翔って私を好きなんじゃ?これってデートのお誘いなんじゃ?』
私はそう思ってドキッと思わずしちゃってた・・・
帰りがけ、私の机の上に然りげ無く置かれた翔の電話番号・・
私はその電話に電話を掛けた時
「うひょ~~超高級店じゃん~どうしたの?そんな高級店なんで秋元君が知ってのかな?で・・私秋元君に告白とかされちゃうのかな?」
ってカマをかけてみた・・
『どんな答えを返してくれるのか?』
そう思いながら・・・
そんな翔から帰ってきた言葉は
「ああ~そうだよ。俺はさながすきなんだよ!!でも良く解ったな?」
その言葉に一瞬で私の心は
『キュン』
ってなっちゃってた。
顔はイケメンっていう感じじゃないけれど・・
『翔と居るだけで心が落ち着く』
私は普段寄り道とかした事無かったから、洋菓子店アルブレランって聞いた時・・
有名店っては聞いてたけど、一人でそんな所に行くって事が不安だった。
不安気持ちで、洋菓子店アルブレランのレンガ作りの可愛いお店を見つけた時は迷わず来れた事に感謝!!
でも翔は・・もうお店の中で待っててくれてるのかな?
そう思うと不安気持ちが私の中から一気に込上がってくる。
でも・・
そんな不安な気持ちの私に
お店の中から出てきた翔が
「青山こっち~」
って手を振ってくれた時は嬉しかった。
でも店内に入ってケーキを選び始めたら不覚にも、私はケーキに夢中になってしまってた。
私の好きな色々な苺のケーキが食べきれない位並べられていて、それを全部食べても良いって言われたらもう~~
『コレは全部でも食べるっきゃない!!』
って私は苺のケーキを食べる事に夢中になっちゃってた。
そんな私は・・
ふと・・視線を感じて翔の方を見ると・・・
ケーキを無心に食べてた私を楽しそうに笑顔で見ていた翔と思わず視線が合って超~~ビックリ!!
そんな翔を見ていたら、フト・・悪戯心が湧いてきちゃって
「そういえば秋元君私に告白してくれるって言ってたね~では告白タイム行っちゃおう~~!!」
って思わず言っちゃった。
そしたら!!
何と!!
「さ・・・さな・・さん・・・けっこんしてください!!」
って言ってきてビックリ!!
私は飲みかけのイチゴジュースを思わず吐き出しちゃった。
そして体中が
『かぁ~~』
って一瞬で熱くなっちゃった。
『付き合ってくださいって言いたかったんだと思うけど、緊張しすぎちゃって間違っちゃったのね』
でも!!
私は偶然彼が言った彼のその言葉に乗っかることにしちゃった。
そして
「あはははは~~秋元君ってやっぱ面白いよ!!良いね良いね~それ1年間これから毎日私に心を込めて言って!!そしたら考えてあげるから!!」
って約束させちゃった。
『6月15日』
それは・・
私の誕生日
今度の
『6月15日』
がくれば私は16歳
法律的には結婚出来る年齢
まあ翔はまだだけど・・
その時まで私の気持ちが変わらなければ・・
『良いよ結婚してあげる』
って言おうと思ってる。
私は1年前にあの言葉を言われた時・・
『翔と結婚しようと、もう決めちゃってたのかもしれないな』
『6月15日』までもう後一ヶ月少々・・
その日がもう直ぐ来ると思う、と今からワクワクしてきちゃう
翔は物理の授業中だと言うのに
『チラッ』
『チラッ』
っと私をみてる。
こんな事を考えてるって知ったら
『どう思うだろう?』
そんな事を思いながら翔を見ていると
『くすっ』
思わず笑いが込上げてくる。
『凄く楽しい!!』
そんな翔の頭上に一瞬光が
『ピカピカッ』
っとフラッシュ
その瞬間
教室の中で授業を受けていた私と翔は木の生い茂る原始林の中に立っていた。
空の上から突然聞こえる
『ドドドドドーーーン』
っていう大爆発音
その瞬間私の体は突き飛ばされ、私の上に翔の体が被さってきた。
その途端に
「ウワァァァァァァァァァァァーーーーーーーーー」
っという翔の気痛に歪んだ悲鳴
そして翔の体から飛び散る血吹雪
翔の体に刺さった無数のドラゴンのウロコの破片の傷口から流れ出す熱い血で一瞬で血だまりが出来上がってゆく。
一瞬遅れて
『ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドーーーーーーーーーーーーン』
という地響きと共に私達の20メートル横に原始林をなぎ倒しながら空から落ちてきたドラゴン
私は
「ショーーーーーーーーーー」
と叫びながら血まみれになった翔を抱き締めた。
「こんな所で死なないでよ~~私アンタの告白受けて無いんだから~~」
そう無意識に叫んでしまってた私・・
『このままじゃ翔が死んじゃう』
そう思った瞬間!!
私は翔のくちびるに私のくちびるを・・・重ねて・・・いた・・
『私の・・・ファースト・・キス・・』
つづく・・
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