第3章
第14話
4月。俺は高校3年生になった。
始業式当日の朝、俺はいつものように明日香と駅で待ち合わせて、そのまま学校へ向かった。
「今年もトシと同じクラスになれたらいいね・・・」
「そうだな。俺も明日香も文系学部志望だっけ」
俺と明日香はそんな話をして学校に到着した。ちなみに、昨日は新1年生の入学式だったので、全学年揃い踏みとなるのは明日だ。
始業式はまず、旧クラスの教室で集合し、そのまま体育館に移動し、式を行う。式で新クラスの担任が発表され、その後旧クラスの教室に再度移動し、それぞれの新クラスの発表、そして新クラスに移動するのだ。俺の新クラスは3年5組。担任は
◇ ◇ ◇
4月も半ばとなった頃、我が
「1年1組、
「1年4組、
「同じく1年4組、
「1年5組、
新しく入部した1年生は4人。女子3人・男子1人という構図だ。そして、顧問の
「初心者もいると思いますのでこれを言うのは少し酷かもしれませんが・・・まずは9月の文化祭で、全員小説なり詩集なり1つ発表します。ですので、夏休み中には何か提出する作品を完成させてください」
関本先生の活動内容の紹介に、部長である俺がフォローする。
「ですけど、上下関係はありませんし、みんなでワイワイと楽しむことができる部活です。来月の連休中には『新入生歓迎会』と称して、カラオケに行きます。楽しみにしてくださいね」
◇ ◇ ◇
「そういえば、文芸部何人入ったの?」
「4人。そのうちの2人はネットで小説書いてるみたい」
「そうなんだ。私のとこは10人入った」
夕方になり、お互い部活が終わった俺と明日香は一緒に帰路につくことになった。後で知ったことなのだが、真凛ちゃんと新田は創作経験者で、ネットで小説を書いているとのことだ。書いている小説の内容は、真凛ちゃんがBLで新田が異世界ファンタジー。俺が書いているラブコメとはジャンルが違う。
そして最寄り駅に到着し、明日香とはここで別れた。俺はこのまま帰宅し家に戻ると、さーやん、そして優さんの姿があった。
「あ、お兄ちゃん。おかえりー」
「俊彦くん、お邪魔してまーす」
そしてしばらくすると、仕事を終えた父さんと楓さんが一緒に帰ってきた。ちなみに、優さんは今日ここで夕食を食べるとのこと。
「ところで、優さんとはどこまでいったんだ?AかBかCか?」
食事中、父さんが俺にこんな話を吹っかけた。俺は「まだ知り合いなだけだから!」と声を出す。しかし、それに対して父さんは、
「俊彦、実は優さんのことが好きなんだろ?」
衝撃の一言を言ってきた!これにはさすがの俺も動揺する。心拍数が凄いことになっている。優さんも顔を真っ赤だ。そして、
「お父さん、何勝手なこと言ってるの・・・だからまだ好きだなんて感情は・・・」
優さんは俺にこう小言を漏らしていた。優さんはかなり動揺をしている。俺は軽く凹む。そしてさーやんも、
「お兄ちゃんの結婚相手が優さんなら別にいいかなー。むしろ、私は嬉しいよ」
と俺にこう言い放った。そして食事を済ませた優さんは俺たち家族に一礼をし、我が家を後にしたのであった。
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