第2話
数日後、父さんと楓さんは婚姻届を正式に提出した。お互い再婚なので挙式はやらないらしい。そして父さんの実家はこれ以上人は住めないという理由で、俺たち5人は近所に引っ越すことになった。しかしアリ姉は俺一家が引っ越すことに最後まで反対していた。方角は逆だけど、同じ最寄駅なんだから通学くらいは付き合ってやるのに。というか誰のために15年前、爺ちゃんの家を増築したんだよ。当時のことは知らないけど。あと言っておくけど、これ以上は増築できないよ。で、結局アリ姉はその通学に毎日付き合うという条件で俺一家の引っ越しを承諾したけど。
新しい住居は築15年、4LDKの中古のマンションだった。間取り図が書かれたチラシには父さんのメモが書かれていた。メモによると、リビングの隣にある8畳の和室は両親の寝室となり、玄関側の3つある洋室のうち、西側の1室は父さんの書斎となり、廊下を挟んだ東側の2室は俺とさーやんがそれぞれ使うことになった。
そして引っ越しが完了し、俺達はこの家で暮らすことになった。しかし俺の部屋には大量のダンボール箱がある。そしてタンスと本棚の中は空っぽだ。俺はこれからこのダンボール箱の中の荷物を出さなければならない。これはさーやんも同じらしい。とりあえず必要な奴だけ順番に出して、あとはダンボール箱に詰めて押し入れに閉まおう。
引っ越しが完了したのが夜だったため、当日は必要な着替えだけダンボール箱から出して寝た。そして翌朝、ダンボール箱から荷物を出す作業が始まった。まずは衣服類をタンスの中に入れる。それは昨日から徐々に出していたので大したことはなく、すべてタンスの中に入れることができた。そしてフィギュアとぬいぐるみとポスター。ポスターはベッド周辺に貼れるだけ貼った。さーやんやさーやんが声を当てていたキャラクターのポスターが大半を占めているのは仕方がない。フィギュアとぬいぐるみもベッドの上に置けるだけ置いた。そして余ったものは、ダンボール箱にまとめて、押し入れの中に閉まった。
そして昼食後、問題の書籍・CD・DVD類に手をつける。教科書や参考書は勉強机の本棚にまとめたので問題はなかったのだが、問題は本棚に入れる漫画、ラノベ、ゲームソフト、CD、DVD、BDの数だった。本棚は漫画だけで埋まり、ラノベ、ゲームソフト、CD、DVD、BDは仕方なくダンボール箱にまとめて、押し入れの中に閉まった。ただしさーやんが歌っているCDや出ているDVD、BDは一部のゲームソフトとともに、テレビの下の棚に入れた。
こうして夕方まで部屋の整理が続いたのであった。しかし、大量の妹関係のグッズを自室に飾ってる兄って・・・まぁ、元々さーやんのファンなんだから仕方ないんだけどね。
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