第3話 噂話は歩き出す。
「おはよう。ネモア」
「おはようございます。ケースケさん」
部屋に居たのはネモアだけだった。
ユリアもカルディナ王も居ないことに、少し緊張して上がっていた肩が下がる。
「あの、ケースケさん。ウィズたちと、お昼を一緒にすることになりました」
「皆の予定は大丈夫だったのか?」
「ええ。あ、言われていた服と鞄も持ってきているので、どうぞ」
「ありがとう」
ネモアから受け取ったエルコティアソフィアでの一般的な服に着替えると、リュックの中で必要なものを鞄に入れ替える。
脱いだ服と中身の少なくなったリュックを部屋の中に隠して、ネモアとリビングへ移動する。
そこでネモアに今日の予定についての詳細を確認する。
まずは、ネモアの実家とオケアノス学院の学院長への挨拶、昼にウィズたちと合流してお昼を一緒にして、早めの夕食をカルディナ王と行う。
ネモアとユリアから俺が無事であることを伝えたときに、一週間後にまたこちらへ来るという話を聞いて提案されたことではあるので、俺の都合が悪ければ後日でも良いとのこと。
貴族と会い、国営学院の校長と会い、最後は国のトップと会食。
少し言い方を変えるだけで、自分が外交官にでもなったような気分になる。
気持ちがどうしても重くなるのは、分不相応に感じる立場の違いか、嘘をつかなくてはいけないという心理的な問題か。
比率的に大きいのは、後者だろう。
俺が日本に帰った間のネモアではないが、嘘を嘘で上塗りばかりしていると、いずれ雁字搦めになって抜け出せなくなってしまうのは目に見えていた。
だから、当面の目標は、嘘をつかず、事実を話さないことだ。
嘘をつかなければ話に綻びができにくくなるし、事実を話さなければ、その先に起きるかもしれない不都合を減らすことができる。
言質と表現するのは大袈裟かもしれないが、とにもかくにも、こちらに付け入る隙を少しでも無くすことが重要事項。
ネモアの話す予定を聞きながらそんなことを考える。
何にしても、まずは心配と迷惑を掛けたことへの謝罪廻りなのだと、予定についての了承をする。
たった一年ではあったが、濃い一年の内に育まれたそれなりにしっかりとした繋がりだと思っている。
「ヘランドにも寄りたいけど……、それは次に来たときかな」
「……やっぱり、今日も帰るのですか? 俺の家はいつでも大丈夫ですし、オケアノス学院の寮だってあるんですが……」
「それは、後々な。いつまでも、どちらとも、とはいかないよな」
「……」
馬車でネモアの家へ向かう途中、交わした言葉にネモアの表情が暗くなる。
俺が、一番のこちらの繋がりだと思っているのは、間違いなくネモアだと言い切れる。
年は離れているが唯一の秘密を共有するネモアが、俺のことを大事に思ってくれているのも知っているし、とても真面目で誠実な人間だということを知っている。
だから、この間帰ってきたとき、俺ははじめて召喚された時に吐いていた色々な嘘を思い出せる限りネモアに話した。
信頼も信用もしているネモアに疑心を持たれる可能性を少しでも減らしたくて、話すのであれば今しかないと全てを打ち明けた。
俺は自分を護るためについたいくつかの嘘と事実に、ネモアは少し哀しそうにした。だけどそれは、自分の所為で吐かせてしまったのだから、と深く頭を下げるネモア。
始まりは、俺から見ればネモアは加害者で、とても良いものだとは言えなかったけど。
それを上回るほど世話になっているし、ネモアが何か困っているのであれば、全力で助けたいという気持ちがその姿を見てより一層大きくなった。
だから、ネモアが一緒に過ごしたいと思ってくれることは、とても喜ばしいことだと思う。
「すぐには、決められない。だけど、どちらの結果になっても、ネモアのことはずっと親友だと思っているよ」
「親友……」
「あれ? 駄目だったか? やっぱり、歳の離れたおっさんとは親友はきつかったか?」
「いえっ! そんなこと、あるはずありません! その、ケースケさんが良いのであれば、ずっと……親友でいたいです……」
俺の言葉に、一瞬、呆けたネモアは続けた俺の残念そうな声を必死に否定する。
最後ははにかみながら嬉しそうに告げる年下の親友の頭を軽く撫でながら頷いた。
親友ではあるが、その素直な反応に、弟がいたらこんな感じなのかな。
「ケースケ君!」
両手をめいいっぱい広げて、本当に嬉しそうな笑顔で走ってくる人を誰が避けられるだろうか。
しかもそれが、溢れかえる安堵感と、少し前に一生の親友だと青臭い確認をし合ったネモアによく似た容姿ともなればなおのことだ。
拒否や拒絶と受け取られかねない、避ける、という行為に移し難い。
しかし、ここで世界の違いが大きな障害になる。
エルコティアソフィアの人達は体格が良い。
俺が何の疑問も持たれずに、オケアノス学院に学生として通えているという現状について。
日本人特有の幼く見える顔の造りの所為もあるだろうが、ネモアと大して変わらない身長や体格も理由の一つの大半をしめていることは間違いはない。
「ダ、ダンガルさ……、くるし……」
「? あっ、ケースケさん! 父上、放してください! 父上!」
細身であったダンガルは、筋肉質やマッチョと呼ばれる分類ではない。
それでも、エルコティアソフィアの平均的な成人男性。その適度に引き締まった腕で力を込めて抱きしめられる……いや、むしろ締め上げられるという表現の方が合っている行動に、色々な骨が悲鳴をあげた。
自分の父親と俺との感動的? な再会の場面に、ほのぼのと静観をしていたネモアだったが。俺の必死の救難信号は正しく受け取られ、慌てて引き剥がしてくれた。
意識が白くなる直前で解放された俺はぐったりと床に座り込んだ。
荒い呼吸を繰り返す俺の背中を優しく撫でる手の感触に視線を向けると、ネモアの母親であるリーシェが心配そうに顔を覗き込んできていた。
普段であるならば真っ先にその役についているネモアは、今回はリーシェにその役を任せ、代わりとばかりに、力の加減を誤ったダンガルに説教を始めていた。
息子に玄関前の床に正座をさせられ、項垂れるダンガルの姿はとてもシュールだ。
「すまない……」
「いえ、気にしないでください。こちらこそ、相談もせずに帰ってしまい、随分と心配をおかけしてしまって、すみません」
「それについては、謝る必要はないよ」
深く頭を下げるダンガルに、こちらも謝罪と共に頭を下げる。
しばらくしてリビングへと移動した俺たちは、用意されたお茶を飲んでやっと一息つくことができた。
昨夜のうちにある程度の理由をネモアから聞いていた様子のダンガルは、微笑みながら軽く頭を撫でてくれる。
「家族の元に一刻も早く帰りたいと願うのは当然のことだよ。そもそもの発端も、帰る方法の発見が遅れたのも、原因はネモアにあるわけだし」
「……そうかもしれないですが。ネモアがいてくれたからこそ、今の自分がいるんだと思うんです。学院に通って、人との繋がりができて。大変なこともありましたけど、それを乗り越えることもできて……。会えないかもしれないと思っていた家族にも再会できました」
俺の言葉に過去を振り返っているのか、一つひとつ頷きながら聞いてくれたダンガルは「ありがとう」と言葉を返してくれた。
ダンガルの隣に座るリーシェは微笑みを浮かべているが、その瞳にはうっすらと涙が滲んでいた。
数日はむこうとこちらを行き来することになると思うので、ユリアの家から一番近いネモアの実家にはこれからも何度か顔を出すかもしれない。
ダンガルにそのことを相談すると、ネモアと同じように泊まってくれて構わないと言われたが、家族が心配することを告げると、こちらはあっさりと納得してくれた。
逆に心配をかけないように時間には注意しなさい、とネモアはリーシャから何度も声をかける。
ネモアの家の馬車でオケアノス学院に向かったのはそれから一時間ほど経ってからだ。
俺が帰ってきている間に起きた、ネモアが重ねてしまった嘘のための騒動を面白おかしく話すダンガルは活きいきとしていた。
随分と多くの人に迷惑をかけてしまったようで、ネモアがその人達を把握しているので、都度、教えてもらえることになっている。
オケアノスがクインに着いた時間がちょうど授業中だったおかげで、学院長室に向かう途中に他の生徒に会うことはなかった。
たまたま、授業のなかった教師とすれ違い、その際に風邪の心配をされた。
その教師にネモアが簡単に経緯を説明したことで驚かれたが、自分のことのように喜んでくれた。今日の内には、学院中に転送の魔法陣の話が広がっているのだろう。
「よかったのか? 転送の魔法陣のことを公にして」
「カルディナ王と師匠の指示なので大丈夫です。むしろ、ケースケさんのことを隠すためには必要なことだから、と言われました」
「……なるほどな」
俺のことを隠す、とは、カルディナ王に語った外海にあるかもしれない俺の故郷のことだろう。
今の俺は「外部の交流が少ない小さな村から転移の魔法陣の誤作動で呼び出された者」と認識されている。
故郷に帰れたということは、結局そこはどこだったのだ、という話題が出てこないとも言い切れない。
その出てくるかもしれない疑問より、大きな話題に関心を持たせるために、転送の魔法陣を有効活用することに決めたらしい。
ユリアとしては既に国家魔法研究所へ転送の魔法陣を研究資料として提出しているため、むしろ噂を広めて独占させないという意図もあるとのこと。
既に転送の魔法陣の資料はカルディナ王の指揮の下で管理されていて、申請と厳正な審査を通過すれば閲覧することは可能だという。
ただし、俺という一度の成功例はあるが、転移の魔法陣のように誤作動が起こらないという保証はない。
このため、使用する場合は、誤作動で呼び出された者の同意とカルディナ王の許可、国家魔法士二名以上が監視にあたった上で、という制限がつく。
この話だけを聞くと、転送の魔法陣にも使用制限をつけるべきだと思うのだが、使用許可を出してから年数が経過していることもあって、反発が大きく、現状維持となったらしい。
オケアノス学院に編入した時、課外自習の一件で怒られた時、学習発表会後に国家魔法研究所の結果を聞いた時。
学生時代、校長室なんて入った記憶がなかったが、あっても小学校ぐらいの時だったと思うが。
オケアノス学院に来てからは、学院長室によく来ている。
重厚な木の扉をノックしてネモアが声をかけると、ゆっくりと開かれる扉と、学院長秘書のセイルの姿。
ヘリオス学院長の変わらない容姿と柔らかい笑みが、初めて学院長室を訪れた時の情景と重なる。
「お帰り。元気そうでなりよりだ」
「ありがとうございます。それと、ご心配をおかけして、すみませんでした」
促されるままにソファに座ると、紅茶と焼き菓子がテーブルに置かれる。
ヘリオス学院長も事情を知る一人だと、道すがらネモアから教えられた。
その事情には、ところどころ俺の吐いた嘘が散りばめられているので、浮かべられた笑みの優しさに何ともいえない気分になる。
一度目に召喚された時もそうだが、二度目で更に嘘を重ねて。
今以上の嘘はつかない方がいいと、改めて認識する。
申し訳ない気持ちと、嘘を吐いているという罪悪感が、胸や胃の辺りを重たくさせる。
グリサラーサ家で聞いている騒動の話とかの他に、俺が帰っていた間に進んでいる授業の話や学院の状況などを教えてくれた。
しばらく、こちらとあちらを行き来することになるため、授業に出られるかわからないことと今後のことを相談する。
「辞める必要はないよ。オケアノス学院は知識を求める者は大歓迎だ。授業についてはネモア君に教えてもらいなさい」
「任せてください」
ヘリオス学院長の言葉に元気よく応えるネモアに頬が緩む。
やる気をみなぎらせるネモアの姿が、心からそう思ってくれていると感じられて気持ちが温かくなる。
「いつまでも、ケースケ君はオケアノス学院の生徒だ」
学院長室を出るときに掛けられたヘリオス学院長の言葉に、鼻の奥がつんとした。
学院長室のある階から降りると、ちょうど授業が終わったところのようで、廊下は寮へと向かう生徒の姿であふれていた。
既に転送の魔法陣の噂が広まっているのか、俺やネモアの姿に気づいた生徒がこちらの様子を気にしているのがわかる。
編入してからしばらくの間感じていた動物園のパンダになった気分を思い出した。
そんな周りを少し気にしながら、ネモアについて学院の入口へと向かう。
門の所に固まっている三人の姿を見て、懐かしさに口元が緩む。
ざわざわとした空気から俺とネモアに気づいたファンが、こちらに背を向けて立っていたウィズの肩を叩く。
勢いよく振り返ったウィズと、ゆっくりとこちらに顔を向けるミリィ。
ウィズと目があったな、と思った時には、彼は既に駆け出してきていた。
「ケースーケェー!」
「ぐぇ……っ!」
唸り声のように名前を呼ばれて、走り出した勢いのままに俺は地面へと押し倒された。
剥き出しの土の上を滑る感触が服越しに伝わるが、ウィズに抱き込まれるようにされた頭は打ち付けることはなかった。
衝撃としては、押し倒された時の重みと、抱きつぶされるような苦しさだけだったが、同年代の中でも体格の良いウィズの下から自力で抜け出すのは不可能だ。
俺の隣を歩いていたネモアがウィズの行動を止めなかったことと、勢いはあったが怪我への配慮がされていたこと、今日ネモアから用意されていた上着が妙に頑丈なものだったこと。
それらの事実を統合すると、ネモアの予想の範囲内の行動だったか、そもそも計画されていたできと後だったか、おそらくは後者であろう。
「まぁ、当然の報いね」
肯定を示すような声が右から聞こえて、何とか顔を向けると、いつの間にか近づいてきていたミリィとファンの姿があった。
ミリィの瞳孔が鋭くなった目と視線が合うと、うっすらと口元に笑みが浮かべられる。
「こちらの気持ちを考えるということをそろそろ学んで欲しいです」
逆光で光り、大きな眼鏡越しに見えるはずの、いつもの柔らかい雰囲気が消えたファンが続ける。
ユリアから随分と心配をしていたという話を初日に聞いてはいたが、嘘でも誇張でもなかったようだ。
怒っているようにも見える二人の反応と、口ほどにものを言うと表現される視線から滲み出る、心配や安堵といった感情に自然と目尻が熱くなる。
どうも、最近は涙腺が緩くなってしまったみたいで、困る。
「……ごめん」
ウィズに押しつぶされながらも絞り出した俺の声に、ふっと二人の表情が緩む。また、近くにあるウィズから息が漏れる音が聞こえ、肩が小刻みに震え始めた。
声に出しているわけではないが、近いが故に明らかに笑っているとわかるウィズが、俺の上からどいたのはそれから少しして。
ミリィの「いい加減に離れなさい。そろそろ、お昼にいくわよ」との掛け声の後だ。
お昼はオケアノス学院の食堂ではなく、街の個室がある店に予約を取っているらしい。
周りの目を気にせずに話をできるようにとのことらしい。
しばらく会わなかっただけだが、ウィズは黒い尖った耳と尻尾を持つ獣人で、ミリィは薄い桃色の髪と金色の目が特徴の竜人で、ふとした瞬間に地球とは違うのだと意識する。
席についてとりあえずそれぞれが好きなものを注文して、すぐにやってきた料理をまずは食べて、食後の紅茶とデザートを頼む。
「黙って帰ってごめん。心配を掛けて悪かった」
「本当にね」
「重い病気じゃなくてよかったです」
「今度は気を付けろよー」
俺の言葉に軽く同意するミリィ、神妙に返すファン、ケーキを口に頬張りながら応えるウィズ。
気兼ねのないそのやり取りが心地いい。
その後に続いた言葉が全員「良かった」だった。
俺の帰っていた間に進んだ授業など日常的な話が続く中、転送の魔法陣や俺の故郷の話には触れてこなかった。ネモアから何かを聞いているのかもしれない。
楽しい時間がすぎる中、ミリィの言葉に俺だけでなくネモアも一瞬眉を寄せる。
「エリオット・アロディーンが昨日に休学申請を出したの」
すぐに頭に浮かぶのは、学習発表会と国家魔法研究所だ。
俺はエリオット・アロディーンと直接話したことは少ないが、国家魔法研究所が資料の盗難をした時に運営を任されていたのが彼の父親であるヒュースト・アロディーンだった。
真相解明の後、ヒューストは更に横領の証拠などが明るみになり、貴族位を取り上げられ、今は辺境の地で無償労働として過酷な仕事をしているという話だった。
ただ、ヒューストから取り上げた貴族位は、エリオットに与えられることになっていた。
エリオットが全ての事件に全く関与していないことが調査の結果認められたからだ。
オケアノス学院に通っている学生であるエリオットは、まだ貴族としての任を任されたことがなく、中等学に入ってからその辺りの教育がされることになっているようだった。
それはグリサラーサ家のネモアの兄も同じであったらしい。
年齢が近く幾度となくライバル視されていたネモアはアロディーン家やエリオットのことを知っていた。
そのネモアが知らないエリオットの休学申請の話をミリィが知っていた。
「ミリィ、その話を一体どこで……」
「直接、エリオットに言われたわ。それと、一緒に来て欲しいということも」
「は? それは、俺たちも聞いてないぞ!」
ウィズとファンが反応を示さなかったことが不思議だったが、事前にミリィから説明を受けていたらしい。
ただ、最後の発言については二人も聞いていなかったようで、噛み付くように吠えるウィズと吃驚しているファンの姿があった。
エリオットは学習発表会の一件以降、自身の家のこともあって、授業に出る頻度が減っていたらしい。
最近になって学院に来るようになっていたが、事件のこともあってか、ネモア達に接触してくることも無くなっていたのだとか。
それが昨日になってミリィを呼びに来たので、ウィズとファンはとても警戒していたという。
丁寧な態度でミリィと二人だけで話がしたいというエリオットに、ウィズとファンが窓のついたドアの前に立つことを条件に許可を出した。
ミリィの話では、エリオットは感情的にはならず、以前からは考えられないくらい落ち着いた雰囲気だったという。
俺はそんなエリオットの姿を過去、学習発表会の資料を図書室で探していた時に見たことがあった。
そもそも、エリオットと俺が対峙したのが、学習発表会のチーム決めで起きた騒動の時と図書室で会ったその二回だけだった。
貴族然としてはいたが、追い詰められるような恐怖を感じたのは確かだ。
「詳しくは教えてもらえなかったけど、何かをするために私に力を貸してほしいということだったわ。それが、私の学力や体力についてのことなのか、私自身についてのことなのかは解らないけど」
「……何かをするため」
「どうしてその話を今したんだ?」
「まったく関係ないかもしれないけど、関係があるかもしれないじゃない」
考え込み始めたネモアに変わり、俺は気になったことを確認するとミリィは答えた。
ネモアは同じ貴族でライバル視されていたから関係ある可能性が高い。俺は学習発表会でのヒューストとの件があるから関係がないとは言えない。
ミリィはエリオットの誘いを断り、エリオットは納得していた様子だったと。
普段とは違うエリオットの雰囲気がどうしても印象に残ってしまい、気になってしまうのだとう。
それが昨日のことだと。
ミリィがエリオットの話を初めてからのネモアの表情はすぐれない。
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