第4話 線香花火と茶髪のキミと台風

夏が来たら台風が来るなんて

沖縄では毎度のことだ

「ね、今すぐ来て」

震えるスマホを覗くと

寂しがり屋の伝言が見えた

纏わりつく風の中を自転車で走る

海辺の駐車場、砂の舞う中に

茶色の髪を遊ばせる君の横顔

「買っちゃってさ、線香花火」

頷く僕

湿気て出来やしない事くらい

お互いわかっていた

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