第5話 お好み焼きと僕のことを嫌いな女
「ッとトロいなアンタ」
目の前でくるりと小麦とキャベツが裏返る
ヘラを奪われ睨まれて
すげなく手で追い払われた僕は
女奉行の前に無力だった
馴れた動作で
綺麗に形を整え
トッピングして
「東京モンのせいでウチのお好み焼きが不味くなるんは耐えられへんわ」
僕はきっと、彼女に嫌われている
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