あとがき



 まきやです。


「僕らが犯人を許したのには理由がある」


 またしてもこの長いタイトルの短い話に、最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。


 今回は前回以上のコメディに推理展開を混ぜた作品となりました。


 前回と変わらず、文字数が1.5万字の制限があったにも関わらず、調子に乗って書きすぎて、2.3万字に。コンテスト版は頑張って削りましたが、失くすにはもったいない話が沢山あったので、先にこちらを完全版として公開するに至りました。


 前回でコンテスト応募については満足していたはずでした。なのになぜまた続編を書いたのか? それは5人のキャラクターたちが気に入ったからです。


 もともとキャラクター推しの作品を書くのが苦手で、登場人物はあくまでもストーリーを演じる役者的に扱ってきた、まきやです。でも人物が固まってくると、私の思いを超えてキャラクターたちが勝手に喋りだすような感覚を覚えることがありました。

(長編「シキラク」や「フローリスト」シリーズがそうでした。創作される方のあるあるですね)


 タイチたちも、あんな短い話なのに最後はそんな動きをしていたのです。これは嬉しい誤算です。このままで終わってしまうにはもったいない。


 そんな時にコンテストのもう一つのテーマ「キミは絶対に騙される」に刺さるアイディアを思い付いたので、この5人で試したくなったと……そんな訳です。


 コメディ部は、タイチが前回よりもぶっ飛んでいたりイチヤが駄目駄目だったりと、やりすぎた感じはあります。ちょっとお下品だし(笑)


 推理部分は名探偵○ナンのようにあまり凝った謎にはせず(人も殺さず)、簡単にすませようと最初から決めていました。謎を解くというよりは、5人の性格が出る会話や行動を楽しんで欲しかったからです。


 相変わらずありきたりで「こそばゆい」展開なのは意図的ですw


 そして最後にテーマについて。皆さんに聞きたいことは唯一つ。


「気持ちよく騙されましたか?」


(「NO!」という方、申し訳ありません!!)


 「街~今日も夜がやってくる」でも使ったやり方です。ただあちらは全開と言えるぐらいにそれ・・を押し出しても良かった。けれど今回、主役はあくまでもタイチたち。テーマが主張し過ぎると話に違和感が出るし、全く意識に残らないのもオチを弱めてしまう。そんな葛藤があり、書きっぷりに悩まされました。


 コンテストのテーマで書いて欲しいのは、おそらく「作品中の登場人物が騙される話」だと思いますので、それを中心に据えていない絡め手の本作は選考初期で外れるでしょうね。


 でもそれでも良いです。だって書いてて楽しかったんだもん(^_^)


 え、そもそも何のことって? あなたは意識すらされてない人です。ある意味、正常ですw


 まあテーマといいながら、オマケ的な仕込みだったので、本編が楽しいほうが大事ですね。このあたり、皆さんの感想をお待ちしています(^^)


 「ワケありシリーズ」の次回はまだ未定です。新しいジャンルで挑みたい、とだけ宣言させてもらって、あとがきの終わりとさせて頂きます。


 最後にご拝読頂いた皆さま(特に連載中から追いかけて頂いたネオンさん、三上エルさんのお二人)、本当にありがとうございました。


 ではまたどこかのあとがきで、お会いしましょう。



2019年7月14日   まきや

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

【完全版】僕らが犯人を許したのには理由がある まきや @t_makiya

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ