第488話―ツムギの現実を紡ぐ1ページ―
今どき女子高校生のボクは今日も今日とて暗い部屋の中でパソコンと向かい合っていた。
「…はぁー、マナオリン可愛いなぁ」
ちなみにマナオリンとはマナマナになるのだ。今々どきのハーレムの道をゆく兄ちゃんは真奈と呼んでいる。
さて作業を戻そう。Vチューバーとしてボクは細々と活動している。
ボクの両親の二人は共働きなので
(はは、とりま爆発な元気なんだよね今は…今どきのボクは。
こんなボクでもマナマナみたいな学園なら上位スクールに相当するクラスと友達だから人生って迷路だな)
学校では馴染めないながらも通信教育を受けている。
ボクが引きこもってから精神が落ち着いて、あそこに戻ろうと思ってはいるけど苦しい思いをまた感じないといけないと想像すると足をすくんでしまってしまう。
マナマナの前には、ギャル語を使ってはいるが実は一種のキャラ作りなの。
遅れたくないと意思はあって今どきの流行についてこれるように追いかけている?いや、なんかおかしいなぁ…
色に染まろうとしている……どうでもいいかこんなこと。
めっちゃ古い言い方をすんなら時勢に沿っていけば言葉を容姿を飾ることで流行の中でボクもそこにいるような気がするから。
これをただの装飾であるのをマナマナ達の前に突き進んで羽ばたく姿を間近で見ていたら隣で見ていたボクは、そう思うようになった。
(けど今どきの可愛い女の子にしては個性が強すぎるけどね。
こんなボクの知り合いの輪は)
ただ隣で見ているとしてフミミンが兄ちゃんを告白をしているのを強制イベントの発生は二人の世界だけで
やってほしいと、いつも思う。あんな恥ずかしいセリフをなんの躊躇いもなくやるなんて正気じゃない。フユミンは自他ともに認める変態。
「あっはは……ボクとしたことが笑っているなんて」
何もないそこから丁寧にこねて完成度が高い笑顔を出すのをボスは常にしていた。でも、量産して玄人のような笑顔ではなく拙くて見栄え良くなんて考えていないのを出してしまう。
あの世界は優しくて温かすぎてボクがここにいていいのか思ってしまう。
「顔を洗うか」
席を立って暗い部屋から出る。
あの部屋で何をしているのかと誰かが言ったら動画の編集と、敬語が出来ない今どきの若者みたいにマシンガントーク加えて攻めるように前のめりに言うと思う。
ただの勢いで口にしたマナマナとの撮影は良好だった。当時なんて数千だけで一人と増えたり減ったりで一喜一憂していたものだ。
マナマナのおかげで1万人も突破しており収入源が上がっている。
お礼をこめてマナマナを余裕のある時間で、ごかんをおごったり兄ちゃんの話を聞いたりしている。
何者でもないような人生の最高潮に達している今どきボクなりに恩を返せればと思っている。
静寂なこの家で蛇口から水が流れる音でも大きな音のように錯覚していた。顔を洗って向かいにある鏡から自分のだらしない姿を見る。
「そろそろこのメガネ変えた方がいいかな?」
黒髪をいつも手入れしていないショートヘアと青縁メガネの奥からボクの唯一の長所ともいえる子供のような純粋な欠片のある大きな瞳。
ボクの名前は
今どきな自己紹介するなら、どこにでいる普通の女の子。けど、そうした普通の捉え方は色々とあり確固たる一つの定義なんてないのを温かい人達と付き合ってから悟っている。
どこにでもいる普通な人なんて、どこにでもいないのを。改めて自分に対して語るならボクは、どこにでもいる
矮小で前へと進んでいる女の子だ。
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