第473話―移山はあまり語らないはず―
このご時世だと一人っ子が普通だと思う。税金は、消費税だけではなく一般家庭を圧迫させていき共働きをする夫婦がいるのは当たり前であるほど日本は困窮している。
実際に先進国の中では相対的貧困ランキングでは上位にあたる。6人に一人ほど直面されている問題。
それを見ると冬雅と真奈を付き合ったとして結婚するのは厳しいかなと思ってきた。それでも彼女たちは、そんな問題を解決しようと努力するだろうし俺もしなければならないだろう。
「うーん、お兄さん」
就寝の時間になり真奈と寝ていた俺だったが途中で目覚めてしまった。時間を目にしなくても分かるのは起きたのが早すぎたことと目が冴えてしまっている。隣で真奈はどんな夢を体験しているかは皆目検討もつかないが少なくとも頬の緩みから夢のような
(約束されしパターンである手は握っている様子ですか。起こさないように離すのは至難の技になりそうだな)
空いた手で真奈の華奢な指を一本、一本と優しく離していく。3本目から「うーん」と不機嫌そうな唸り声を出すが揺るぎそうになるのを堪えて続ける。そしてやっと手が離すことに成功した。
「お、お兄さん…」
手を解放しただけで悪夢にうなされる反応をしますか!?
このまま部屋を出ていくのも気分が悪いので俺は真奈の頭を優しく
「よしよーし、真奈えらい良い子。
俺はここにいるから安心してくれ」
「……すぅー」
ダメ元でやってみたが想像したよりも効果は
真奈は穏やかなな表情を浮かべると寝息を立てて深い眠りについた。
ふむ、なんだか真奈の中ではとんでもないほど精神を支えになっているようだけど依存症になっていないか不安にもなる。
手を離しても穏やかな寝顔を確認して部屋を出て一階へと降りる。
「これも運の悪さなのか、粉骨砕身とあるのにモテ期は到来はしない」
……リビングから怪しい歌声が聞こえた。そして幼い頃から何度も聞いたことある声だったので正体が分かり俺は、げんなりする。
しかし二階に戻っても真奈は眠っているしパソコンと向かえば明るさで起きてしまうことがある。
二度寝をするには眠気が消えており結果的そうなれば入るしかない。
「…やっぱりか。お酒で酔っている」
「はい?そんなことありません。俺は別に酔っていないし酒ごときで酔うなんて
そんな世迷言を吐くのは2つ離れた弟である。かなりアルコール高そうなのを飲んでおいて酔っていないと
弟の
なぜ同じなのかは下の名前が江戸時代で活躍したことである同一人物から別の名前。その同一人物は、ドクターである山脇東洋の名だ。
そんな事情を一人で語るのはこの辺にしてテーブルには暴飲暴食のメニューで埋まっていた。それは絶対に冬雅たちには出さないものばかり。あっても滅多にない。
「からあげとコロッケに天ぷらそれに駄菓子か。揚げ物は好きなのは知っているけど駄菓子って好きだった?」
よくもこんな高カロリーを並べてと俺は現在おそらく顔を
そんな問いをして向かいの椅子に掛けると移山というと気分を害さずに大笑いをした。
「あっははは!これが合うんだよ。
なんだと思うか?それはなぁ駄菓子に、お酒は合うんだよ」
「はぁー、そうですか」
「反応が薄いなぁ。もっと驚いていいんだぞ。兄者が好きな駄菓子とお酒は…苦手だったなぁ。試しに飲んでみたらどうだ?」
「いやいい。遠慮させてもらう」
これで酔った状態で真奈がいる寝台で戻ったら酒臭さで迷惑をさせるのは確実であろう。
素では豪快であるが真面目さが窺えるような言動をする弟さまであるが
酔ってしまえば道中でよくいる酔っぱらいとなるのだ。
「その断り方なんだか、だっさいぞ兄者。飲まないか」
「
俺は織田信長や竹中半兵衛ように甘党なんだよ」
こんな意味もなくバカげた応酬をするのも久しぶりだな。お互いこれ他人どころか親友であってもしない会話だ。
そんな応えに満足をしたのか移山は獺祭を勢いよく豪快に飲んでいく。
ちなみに俺からのお願い。一気飲みは危険なので真似をしないように。
「
「そんなファンタジーなこと起きるわけないじゃないか」
「何を言っているんだよ兄者がそれを言っても説得力が完全にゼロなこと意識しろよ」
「ぐっ!」
弱いところを突かれてしまったなぁ。
確かにもはやファンタジーな恋愛をしているので移山の言葉には否定をしようがない。
「俺こんなことがあればイイなぁと思うんだ。パパ活している女子大学生の弱味を握って犬の面倒をお願いして
平和的に暮らすことを」
そんな馬鹿げたことを口にしていたビジネスマンは、JDと付き合いたいというのがある。まだ20代なのに、おっさんみたいなことをと俺は聞いていた。
だったらJKと付き合うという発想よりもマシなのかもしれないが。
それに内容からして、そんなラノベはあったなあと思ったが所々が違いがあるので移山は知らないはずだと思いたいが弱みを握るとか犬などでタイトルを知って言っていると確信する。
でもそこはスルーする。
「聞いているだけで頭が痛くなるような願望を……もしかして冬雅たちにそんな風に向いていない?」
「ストレート過ぎるぜ兄者。
好意を別の相手に向いている相手を無理やりと向かせるのは好きじゃないし安心しろよ」
どうやら興味を持っていないのは事実なのは態度で察した。お詫びに、お酒を注ぐことをした。
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