第380話―序章の太陽と月―

小説のストーリーの重要まとめた設定集をプロットと呼ぶ。

執筆活動を始める前にこれを組んでいかないと後々から矛盾や完成度を関わっていく。

もし軽視したり用意していないと登場人物のほのめかすセリフや物語の真相に近づくシーンが拙くなる。昼過ぎの1月10日、昨日から冬雅と真奈の二人から励まされ助言をもらってからの

当日に俺は手を止めて悩んでいた。


(メインヒロインは冬雅と真奈をモデルにして、主人公は俺だと分からないようモデルにして…

さて、どういう出逢いにすればいいのやら)


ソファーの上で俺はキーボードを打たずに良案を求めて巡らしていくが、いたずらに時間を浪費していくのを意識すると、焦りと劣等感に苛まれていく。


「…どうしたものか」


まさしく手詰まり。

いいアイデアは思いかけずにひらめく、そんな僥倖ぎょうこうを頭から消える前にメモやプロットなどを書いて残す。

調子が悪く、今日は小説を読んだりして検討しているとローテーブルの上にスマホの振動と着信音が同時に伝わる。


(ま、また…か)


画面にはペネと表示とあった。

日本文化を心から愛してやまない確か…うろ覚えだが高校2年のペネロペ・サファイア。

はビデオ通話で日本文化を訊いたり語ったりとしてくる。

今日は、どんな話だろうかとタップ。


『ごきげんよう、お兄様。お元気な姿を窺えて一安心したですわ』


「ああ、ごきげんようペネ。

それだと俺が病気になったみたいだけど」


画面に移るきらびやかな金髪に負けず劣らず透き通るような碧眼をする容姿端麗なペネに合わせて挨拶を返した。


「真面目な挨拶は、この辺に。

せっしゃと昔話をしたいでありんす」


ペネは日本語は上手いのだが、最後のセリフが間違ったりとする。


「へぇー、昔話か。俺にはそういう物語には苦手なんだけど一体どんな話を?」


「一寸法師と桃太郎とそれから――」


趣味を語る人は普段よりもエネルギッシュなる。

独自の推論まで述べたりとするペネに苦笑をする俺はペネの昔話を語るのであった。

ここまで熱くさせる趣味に、俺の執筆に対する熱意を対比したら比べものにならない熱意に敗北感をなぜか抱いている。


「お兄さん紅茶を持ってきました。

少し休憩してネガティブな思考なんて似合わないよ」


真奈の声がして見上げると、普段着の上に明るい緑がかった鮮明の青色のエプロンを着けた真奈が立っていた。

加えてお盆を持ち、ここがリビングなのが妙に引き合っていた。


「ああ、ありがとう真奈」


「いえ、ワタシもお兄さんとゆっくりと談話でも楽しもうかなって…なんて。フフッ」


「楽しく話すと言われるとプレッシャーだな。でも真奈になら、気まずい空気にさせる方が難しいけど」


「うん、お兄さんとはなんだって息ピッタリですからねぇ」


さり気ない好意と見せかけての包み隠していない高度な技術のように感じる。

けど、本人は至って心から感じたものをそのまま口にしたり顔に出している上に自覚が薄い。

結論、端的に言って天然系の萌えキャラ…安直すぎたかな。


「お、お兄ちゃん真奈とイチャイチャしても構わない……けど、少しはわたしにもイチャイチャしてほしいですよ!あとあと、大好きです。抱きつきたいぐらいに大好きです!!」


「そ、そうだね…その、後ろからハグされても抱きつい来たのではないでしょうか?」


真奈と長い時間をイチャイチャと誤解…おそらくだけど、をした冬雅が危惧して意識を向けさせようとしてか後ろから抱きつく行為を敢行した。

ともかく明確的な表現を下げて暗喩メタファーを使えば起伏の少ない所が後頭部に当たっていて冷静にはいられないのと柔らかさの対義語アントニムに遭っていた。


「えへへ。お兄ちゃん小説の進行とか進んでいますか?」


「実は、まったく進んでいないんだ。どうすればいいのか悩んでいて、何をリサーチすればいいのかも」


手詰まりなら気分転換に関係のない事、散歩して無心となるなど

自ら動いて解決していくのだけど

今日はそんな気分になれず、そんな時は調べ事をするのだが

何をすればいいか分からない状態。


「お兄さんこういう時こそ、ワタシが一肌を脱ぎます」


真奈が何故か頬を赤らめて手助けをすると言ったのだった。


「協力を?気持ちだけ受け取るよ。これは俺が解決しないとだからね」


「い、いえ…ワタシ個人的にしたいといいますか。小説のシーンや心理的な理解を深めるためにも取材を不可欠だと思うの。

だ、だから、その家デートをしましょう」


「え…家デートを」


「は、はい。イチャイチャな家デートを。ラ、ライトノベルですので甘々なデートが学べる事は多いはずだよ」


くっ、イチャイチャしたデートをしたいという願望を剥き出しな目的が明確なのに魅力的に感じてしまった。

これはきっとラブコメをよくする何かがあるのだ。決して真奈とイチャイチャすることに鼓動が高鳴るわけではないので俺はロリコンではないことになる…だと信じたい。


「わ、わたしも!真奈ばかりで理不尽極まりない気持ちです。

お兄ちゃんとドキドキデートをするのでしたら制服も大事だと思うんです。はい!」


冬雅が前のめりにな主張する。

それは予想していたけど、胸が後頭部に体重を預けるぐらいに当たっていますよ!?これは予想外。

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