第301話―その日は妹の日なので―
空は快晴とは言えないが今のところは暗雲が垂れ込めている。
夏が終わり明日には
視聴を終えるといつものように泊まりに来た冬雅と妹のような存在の比翼と感想と語り合う。
今回の仮面ライダーは本で変身してファンタジーな戦闘で今後も
時刻は12時30分、比翼のリクエストしたスパゲティを食べ終えて二人は見て欲しいものがあると2階に向かった。
俺は待っている間にPCを立ち上げ執筆を開始。どれほど経過したかドアが勢いよく開く。
「和服でしたので着るの苦労しました。遅くなりましたけど…えへへどうですか、お兄ちゃん」
「どうかな?どうかな!おにいちゃん?」
彼女達が袖を通したのは和服。ただの和服じゃなく古風でイメージは
冬雅の衣装は上が純白で下は橙色の膝丈スカートのような着物。
長く伸ばした黒髪の右に
朗らかな比翼は上は白に明るい花柄で
「あ、ああ。似合っているよ、すごく…天使のようで可愛い」
美少女が二人、大正浪漫の衣装は、どんな名画にも匹敵するだろうと思わせるほど可愛さがある。
一度、見れば視線を逸らすのが後悔するほどに。
「てへへ、天使だって冬雅おねえちゃん!褒められると嬉しいよねぇ」
「うん。そうだね!
…お兄ちゃん今日は9月6日なんの日か分かりますか?」
「え?…うーん大河ドラマとか?」
比翼が毎週いつも楽しみにしている。今年の主人公は清廉潔白で有名な
ともかく今日は何か特別な日なのだろうか?
「えへへ、今日は妹の日なのです。
で、ですので今日は妹とイチャイチャしませんか、お兄ちゃん?」
「なるほど、妹の日なのか。
それなら普通に思い出に残る何かしないと」
いつもと違い緊張していたが、表情や声がいつもの冬雅で普通に話せた。
冬雅が妄想するイチャイチャをした日には翌日に顔も見るのが難しくなる。
「うわぁ!?」
冬雅は走って向かい、両手を後ろに回し身体を密着。
そう、ハグしてきたのだ。
「ド、ドキドキしますよねぇ。
去年はあれだけハグしていたけど、お兄ちゃんがわたしを好きだって告白してから恥ずかしくなって勇気がなかなか出なかったかな。
わたし…すごくドキドキするけど、お兄ちゃんは?」
「…可愛いJKにハグされたら大抵の大人はドキドキすると思うけど」
本人の前では言えないがJKというよりも冬雅だからドキドキする。
おそらく大学生になった冬雅に下手な言い訳を続けるのだろう。
「冬雅おねぇちゃん!駆け抜けはズルい。わたしもギュッとする」
背後から軽い衝撃。おとなしく見ている訳がなかった。
比翼もハグされ俺は身動きが取れなくなった。…意識したらいけないのだけど比翼は冬雅よりも胸が大きい。
「毎日やる告白には敵わないけど、大好きな気持ちは冬雅おねぇちゃんに負けないつもりだよ」
……。そこまで好意を口にしてくれるのは素直に
しかしそこまですると後々、悶絶するよ。
少ししてから真奈と香音が遊びに来て告白に近い言動で、いつにも増して積極的になる。
言わずもながらイチャイチャで混迷を極め、
夜は羞恥に耐える静寂な包む。
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