第271話―VチューバーでしたⅢ―

真奈からのラインで不死川しなずがわさんからゲーム実況のお願いされたと送ってきた。それが送る頻度が多くって最初は断っていたのだが熱心にお願いされ引き受けることになった。

真奈の長所なのだが断固として断れるようになってほしい。いつか

苦労しそうなので。

放課後になると冬雅と上がっていく。怪しまないよう気をつけて

真奈を一人だけで見送ることなる。

どうして隠す必要性があるかと言えばクラスターの懸念が一番。

間違いなくどんな人なのかと不倫調査と言わんばかりに比翼が同行する。なら心配と冬雅も同行を懇願され挙げ句に花音も来る可能性もあるという芋づる式。


「月がキレイですねぇお兄さん」


「えっ、ああ。そうだなキレイだよ」


「フフ、なんだかワタシがキレイと言ってくれているみたいで

ドキッとしたかな」


(その前に夏目漱石が英語の訳し方を知らない真奈じゃないのに。いわゆる天然というものか?)


告白として使われる頻度が増えた現代。さて微笑んでいることから

告白ではないと見える。きっと、

そのはず。


「お兄さんワタシはいつも想っている。少しだけ今は、頼りなくても変えれる何がを持っています。そんなお兄さんだから、ワタシは。

星がキレイですね・・・お兄さん」


「えっ」


星が瞬く月光に照らされて、いつもよりも美しく横から真っ直ぐと俺を見つめる真奈。頬は赤くて羞恥は残り目は潤っていて下手に

話題を濁すわけにはいかない

真剣なのが心から伝わっていく。


(星がキレイですねか。どうしよう、意味がよく分かっていないんだよなぁ)


真剣な瞳を向けられどう応えるべきか窮した。意味を求めるのは

失礼に当たるのは重々と承知で尋ねることにした。それ以外の正解が分からずの消去法で至った。


「真奈その申し訳ないのたけど星がキレイですねって意味を理解していないんだ。失礼なのは分かっているけど教えてほしい」


「・・・・・い、言えない。お兄さん後で調べてよ」


顔を伏せられると、これは糾弾だと手を強く握ってくるけど痛みはない。強いていうならば好意をより強く意識してしまうだろうか。

ともかく、言葉数が無くなり不死川さんの自宅に到着後にすぐ

インターホンを押すと、三十秒ほど待たされドアを開けた。


「おぉー、こんばんは!年の差カップル」


笑顔で出迎えてくれるのは、よろしいですが誤解をしている。


「フフ、こんばんは」


あれ?いつもと変わらない雰囲気だが耐性がついたのだろうか。

寂しくはないけど、身体に風穴を開けられた悲痛はある。さて、

俺も挨拶を返さないといけない。


「こんばんは。今日はよろしく不死川さん」


「いやいや。お願いしたのはボクだから構わないよ。さぁ上がって、上がって」


居室に入ると俺の視線はすぐに置かれていて際立つを物を見る。

ローテーブルの上に様々な機械が所狭しと置かれている。中には

親しみのあるゲーム機が置かれている。質問をしようと指を機器に向ける。


「これは?」


「あー、それは収録用の物だよ。けっこう高いんだよねぇ、これ」


明るく答える不死川さんの発言を思案して自分で購入とかしたのだろうか。


「頑張っているんですね。それで真奈はゲームだけすればいいのですか?それともキャラみたいに振る舞って実況を?」


「出来ればそうしてもらいたかったけどキャラを用意していないんだよね。今日は声だけでボクと実況プレイしてくれると助かる」


俺の疑問を返しすのはゲストの配慮を込められている意識の高さ。

遊びではなく真剣に挑んでいるのが俺にまで熱くさせるほど。


「ええ、分かった。けどお兄さんはどうするの?」


「あー、ごめん。隣で見守るなり手伝いや遊んでしてくれると」


「了解した。真奈は気にせず楽しんで」


どうやら俺のことまでは考えていなかった。真奈は言いたそうであったけど口を閉じて我慢する。

不死川さんは準備に取り掛かり、

手伝うべきかと迷っているとすくに終わる。おそらく既に用意していたのだろう。


「実はマナマナのおかげで登録者数が増えたんだよねぇ。見てくれた動画がいつもなら千とかなんだけどマナマナの動画を配信したら10万超えで軽くビビったよ」


「えっ!?ワタシ10万も、そんなに見てくれる人がいてくれるんだ」


真奈は嬉しそうに微笑むが俺からすると当然の戦果かなと思う。

あの真奈がゲームをプレイしたのだから視聴者も多い。特に神がかった操作などを当たり前のようにすれば注目されても仕方ない。


「コホン、それじゃあ始めるよ。いい二人とも物の音を極力と立てずにお願いねぇ」


「分かった」


「気をつける」


そして収録が始まる。彼女はゆっくり吸い始めて吐き出すのは小さい。そして引き締まった表情を上げる。


『ひゃほーう!今日は、無理ゲーを一発でクリアを目指していこうと思います。プレイするのは、タナカまり思っている人もいると思いますが今日はゲストがやりますよ。うわぁーパチパチ!!』


高いテンションが一段と二段も上がってのハイテンション。

収録となるとキャラが出てスタートするためギャップが激しいのは

知識として知っていたが実際に

目にすると驚きはある。

けど、明るい彼女がテンションが上がっても驚きは大きくないだろう。

真奈の方はポカンとしていたが。


「こほん。あー疲れた」


ずっと叫んだり盛り上がったりとしたのは不死川さんで真奈は

ゲームに集中していて軽く返事だけになる。そして終わると、疲れたのは不死川だけで真奈は満足感で満ちた表情をしていた。


「あります水産だよ。あれがないか。ちょっと待ってて!ガンダで行くから!」


不死川さんは謎の言葉を口にして2階に向かって駆け上がる。真奈はコントロールを置いて俺の手を握る。


「お兄さん、どうワタシの操作の腕は?」


「ああ。すごかった、何度も引いてしまうほど」


「そうですか。まぁいい別にいいとして。ガンダの意味ですが

ガンダッシュの略で全力疾走の意味で使われるんです」


なるほどさすがは現役女子高生。

ギャル語には強いことか。

あれって20代になると弱くなるからなぁ。不死川さんが降りて中に歩いて入る。


「お待たせ。それじゃあ少ないけど報酬の金額を渡すよ」


三千円を真奈の前に差し出すように――いや、渡そうとしているのか。真奈も理解するまで5秒ほど

間が生じた。


「い、いいよ」


「受け取ってよ。ほらカップル二人の報酬金額だから」


「ワタシとお兄さんの。し、仕方ないかな。お兄さんと二人なら」


真奈が嬉しそうに受け取る。いわゆるチョロいのだが変な人にツボを購入しないか不安にさせる。

報酬を受け取り不死川さんの家を後にして目と鼻の距離にある駅前に着く。


「お兄さん行きましょうか」


「ああ」


真奈が家の前まで送るまで手を繋いだまま。父親が外の音に気づいて軽く理不尽に怒られるが、真奈が怒られシュンとなる父親。また明日と手を振っていたので、どうやら明日もあるのか。

俺は家に帰って真奈が言った。

星がキレイですねを調べた。


(そういうことだったのか。それを使うなんて真奈らしい表現だよ)


星がキレイですねは尊敬しています意であった。

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