第259話―冬雅と同棲みたいな生活が戻ってしまった件について―

真奈が泊まり期間が過ぎてしまい移山と比翼の3人生活が戻ったと思った。

だが、しかし。冬雅が両親さんに気づかれないようにしていたエネルギーが解放すればどうなるか

俺はその身で知ることになる。

あれ?ホラーな展開になるのこれは。


「・・・・・冬雅ふゆか?」


「あっ!目覚めましたか、お兄ちゃん。えへへ、おはようございます」


布団を敷いて一階で寝ていた俺だったが、少し離れた距離に正座して勉強していた目に入った。

たたみ式テーブルで俺を背にして布団から1ミリほど距離で。


「どうして、そんな所で勉強を?・・・いや、鈍くて気づくの遅れたけど受験相談だよね。

まだ半覚醒はんかくせいだけど話を聞くよ」


受験生だから勉強して待っているとなれば少し巡らせば至る答え。

計り知れないほど文武両道で花も木も恥じらう容姿端麗。

つい、よく知る俺でも気宇壮大きうそうだいな夢を持つと錯覚してしまう。

冬雅の夢は絵師になることである。もしかすれば、そちらの相談の可能性がある。


「ま、待って!そのまま横になっていてください」


真っ赤になり両手を慌ただしく動かして立ち上がろうとするの止める。

真っ赤になる事がありました?


「・・・・・そ、それじゃあ行きます!!」


「ああ、いいよ」


楽な体勢で聞いてほしいと解釈したが違った。冬雅は恥ずかしながらも布団の中に入って――


「わぁー!?ストップ。何をしているの冬雅。それは、まだ早いから」


「だ、だって真奈と寝ていたと聞いて。お、お兄ちゃんから告白されたクリスマスから相思相愛に

なったわけだから。そろそろ ・・・・・い、いいかなって」


「それは違うから!せめて確認を取ろうよ」


相思相愛にはまだ違う。それに普通は布団を入るとすればハードルが最も少ない俺が眠ている時だ。

何故か俺が起床して行う必要があったのか。こんな考えをしている

事も十分におかしいのだけど。

何度目になるか、海馬に記憶として残すか迷ったのか頭痛が発生する。

本格的に頭痛薬を購入する検討はありそうですね。

そして摩擦するような音をしてドアから弟の移山が入って呆然と

なる。でしょうね、JKと一緒に寝ているように見えるからね。


「これは!!・・・・・ごゆっくり」


ドアが閉まる。まさかラノベ主人公の必殺技を使ってしまったようだ。いやそんなバカな

自画自賛をしていないで誤解をなんとかしないと。


「えへへ、お兄ちゃんが寝ていたから暖かくて気持ちいい」


「寝ていたからね!それよりも

誤解をさせたままになるのは

危惧きぐするべきでは」


「わ、わたしが危惧しているのはドキドキしてくれない・・・お兄ちゃんです」


「ぐっ・・・!」


反則ではないでしょうか。横になっているから視線は同じで真っ直ぐとウルウルするのは。


「・・・本の少しだけど不覚にもドキッとした」


「幸せすぎます。えっへへへ、

いわゆるツンデレ属性ですよねぇ」


頼むから、真っ赤になって屈託のない笑顔は至近距離では威力が

途轍とてつもないんです。

スーパーノヴァに匹敵するじゃないのだろうか。

俺と冬雅はしばらくお互いの顔を見つめる。満足した冬雅は解放してくれた。自由を手に入れた!

ちなみに自由を得た英語で微妙に異なるのがある。リバティでは

自由を得た事でフリーダムは漠然と存在している自由・・・最初から存在する自由ことで。

さあ、家族プラス自称の妹と朝食タイム。なんだか字面から見て混沌となっている。


「お兄ちゃん・・・あーん」


肩が触れても臆せずに冬雅は、小さく食べやすいサイズに千切ったサンドイッチを口に入れようとする。


「だ、大丈夫だよ」


自分でも何が大丈夫なのか分からない。取り敢えず、この緊迫感な空気が大丈夫じゃない。


「あーんして下さいよ。お兄ちゃん」


断われるのを予想していた冬雅は

小さくしたサンドイッチを口を開けてと唇に攻撃を始めた。

すると黙って聞いていた比翼が、バン!と机を叩き、いきおいよく立ち上がる。


「冬雅おねえちゃん。色仕掛けするにもほどがある!

おにいちゃんが攻められるの弱いからって、やり過ぎだから」


どうやら比翼に、そんな風に言われるとは普通にショックだよ。

立ち直るには数秒ほど掛かる精神的な傷。


「い、色仕掛けじゃないよ。

お兄ちゃんと最近は遊んでいなかったから!」


「おにいちゃんをもて遊ぶのは

今すぐにやめて投降して!」


投降しては何ぞや?


「も、もて遊んでいないよ。

どちらかと言ったら攻めて欲しいのが本音だけど」


いえ、すぐ隣にいるのにそれをいいますか!?段々と冬雅が、とんでもない発言するじゃないかと俺はヒヤヒヤする。 そこで斜向はすむかいで座る移山は、顔を下にして「くっ、くく」と笑いを堪えている。見ているだけだから滑稽こっけいに思ったのでしょうね。

ともかく止めないと。


「二人とも、とにかく落ち着いて」


「えへへ、どうしようかな」


彼氏が出来たばかりの反応か!?とツッコミそうになるのを喉に留める。比翼の右目にぴくぴくと痙攣けいれんみたいに動いていた。

今日はいつも以上に模範的な言動をしないと冬雅の爆発する想いに耐えれないと俺は悟るのだった。

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