第83話お兄ちゃんにハグしたいです!

「ふわあぁ〜・・・・・」


カーテンの隙間から射すいつもよりも

明るく感じる光に明朝と告げる。

わたし、峰島冬雅は少し疲れが残る

上半身を上げて溜息がこぼれる。

昨日は色んなことがあった。

お兄ちゃんが、出し物メイド喫茶で

足を運んでくれたことが嬉しい。

それだけでも、幸せでした。


なんと、デートもしてくれました。

お兄ちゃんはデートを受け入れてくれたけど大人の対応を感じて

そこだけは不満でした。

理屈的に分析するけど、デートという

甘いイベントは、わたしの意識を

思考を想いはすぐに恋愛に入ります。


「えへへ。お兄ちゃん焦っていた

なぁ。キ、キスしましたし・・・」


間接キスでしたけど、物理的に

触れたことにならないとリアリティな

思考はそう判断する。

しかしです!

分析する考え、迸る想いは乖離かいりしているものです。

間接キス・・・間接キス。


「あわわ・・・・・えへへ。

感情がコントロールできないよ」


間接キス・・・なんて威力ですか!?

も、もし直で直接に接触するドラマや

小説でよくあるキスをしたら・・・

想像だけでも自分の顔が熱くなっていると自覚する。


「ハワアァァ・・・・・・・」


つい、変な声を出してしまうほどに

多幸感で満ちています。今まで感じたことない幸せに意識が飛びそうだよ。

妄想していたら昨日の疲れは

遥か遠くに消えました。


えへへ、まずは慣例の

お兄ちゃん寝顔を拝見しましょう。

カーテンを開けるとお兄ちゃんは

自室のベランダから朝の穏やかに

吹く風を浴び伸びをしていました。


「ん?冬雅ふゆかおはよう。

相変わらず起きるのが早くって

立派だね」


「お、お兄ちゃん・・・」


頭が真っ白になり硬直するわたし。


「珍しく小説がはかどってね、気づいたら早朝まで執筆していたよ。あ、あれ冬雅?聞こえている」


小説を捗ったのは、わたしも良かった

です。最近は上手く行かずに悩んでいたので少し不安で心配でしたけど

吹っ切れ嬉しいです。

ですが、今のわたしは地味な寝間着。


「キャアァァ―――――!!?」


全力で走りドアを開きバタンと閉めてから、背中を体重を乗せてダラダラと

脱力して床に座る。


「お、お兄ちゃんに見られた。

わたしの普通を・・・」


前にも見られたことはありましたが

今回は本当に可愛くもない

ジャージなんです。


「あはは、わたしもうダメかもしれないよ。お兄ちゃんにドキドキ

終わった・・・・・」


カタストロフィでも起きてくれないかなと現実逃避していく。

それからは、オシャレなど身支度して

お兄ちゃんの家に入りました。


「お兄ちゃん・・・大好きです!

ハグしてくれませんか!!」


「・・・え?ハグって抱きつくの

あのハグかい。夢を食べる

バクじゃなくて」


「お兄ちゃんわたしは真剣なんです!

速やかにドキドキさせないと

わたしが・・・ピンチなんです」


「お、落ち着こう冬雅。

ハグなんてしたことないし、仮に

やるとお互い変な空気になるよ」


「構いません!ドキドキと変な空気

なんて天秤をかけたことないでし。

なにより、いつもの事です」


「そうだけど、いつもよりもだよ!」


お兄ちゃんの居間に入って

ハグしてドキドキさせようと決めました。正直、すごく恥ずかしいですし

鼓動が高まって活動限界になりそう。


しかし、昨日は間接キスしたんです。

ハグも前にわたしが恐る恐ると

やったことあります。ですが

お兄ちゃんからハグしてもらう。


「お兄ちゃん!郷に入れば郷に従え

ということわざあります。

ですので、どうぞ」


「いや、どうぞじゃないよ。

冬雅の辞書ではことわざは独特だよ」


お兄ちゃんが溜息しています。

ムッ、わたしは真剣なのにお兄ちゃん

は疲労した溜息なんて。

こうなれば突撃あるのみです!


「お兄ちゃん好き・・・大好き!」


お兄ちゃんの胸に飛び込みます。


「ふ、冬雅!?少しやりすぎ!?」


「こ、これは課題の告白でして

いつも受け入れているじゃないですか!お兄ちゃん」


「うっ・・・冬雅その近い」


今の体勢はわたしがお兄ちゃんに

身着しています。顔を最愛の人の胸に

くっつけたままで上を向く。

もう楽園にいるような気分に

味わっています。

お兄ちゃんは、顔を逸らす。

珍しくあまり見れないレアな反応。


「う、うん・・・お兄ちゃんその

離れるねぇ」


これが真に限界です。

戸惑うお兄ちゃんもかわいいですし、照れるなんて稀すきる!

恋愛を少しは見れているなら

名残惜しくもありますが、離れ安堵するお兄ちゃん。


「冬雅とりあえず朝食でも

食べようか」


「・・・・・・・・・はい」


直視できない。返事を返すのも

これでいいのか考え決定しても

発するで容易ではなかった。

朝食を食べ終え、アニメを観てアバンあたりで真奈が訪れた。

3人で、アニメを観ては感想を言う。


「冬雅と真奈に見てもらいたいものがあるんだ」


凛としたお兄ちゃんの眼差しに

ドキッとしました。机を向かいに

座るお兄ちゃんでわたし隣が真奈。

その先は想像できます。


「東洋お兄さんもしかして小説を?」


挟む形になるテーブル上にはPC。


「ああ、恥ずかしながら妹ものを

ね。今回は女性読書でも楽しめる

内容にしたのだけど自信がないから

お願いできるかな?」


「うん!任せてお兄ちゃん」


「ひまだからいいよ」


わたしと真奈は快諾する迷いなく。

大まかな説明すると、主人公は

シスコンだけど恋愛対象として

見ていない。そして、妹は兄を

尊敬していて深く愛している。


特に、顔を合わせれば妹が先に

挨拶する。学校では普通に接する。

文字数が5千ちょっとなので

すぐに読み終える。


「東洋お兄さんその、何ていうか

普通でした」


「普通か・・・」


苦笑するお兄ちゃん。その笑みは

なんとかして作っていました。

真奈は、お兄ちゃんを真っ直ぐ向けたままで続けて言います。


「それと小説でよくあるインパクトが足りません、次にイチャイチャする

シーンを改善の余地があります。

具体的には手を繋ぐとしても

握る強さで大事にしているの感じ、

ぬくもり存在をなどですかねぇ」


手を繋ぐあたりで熱弁する真奈。

うん、毎日お兄ちゃんと手を繋ぐから

こだわりが強いのですねぇ。


「お兄ちゃんわたしの感想ですけど

参考になるか不安ですけど

素直に指摘しますねぇ。

主人公をお兄ちゃんをモデルにしてはどうでしょうか?」


ビクッとお兄ちゃんの肩が 上げて

いました。なにか変なことを

言ったかな?


「主人公を俺にか・・・」


「うん。それとヒロインを

実在する人をモデルもありです。

リアリティがありますので」


「・・・なるほどそのモデルは

どうすればいいのだろうか」


お兄ちゃんは、腕を組み困った

表現をします。


「で、でしたらメインヒロインは

わたし・・・とかは?」


「そ、そそそ、そうだなぁ。

でも悪いよ」


「いえ、そんなことは?」


お兄ちゃんはそっぽを向いて

小さい声で返事します。まるで

後ろめたさをあるように。


「お兄ちゃんその後は―――」


わたしと真奈は、欠点や問題などを

指摘する。お兄ちゃんはメモをして

なるほどとか確かになど納得

しています。うん、向上心があって

さすが、わたしと真奈が好きになった

人です。わたしが抱いた事を全て

言葉にしました。


「以上ですお兄ちゃん」


メモを閉じわたしと真奈の順で見る。


「ありがとう二人とも」


頭を下げるお兄ちゃんに真奈は

立ち上がり頭を上げてくださいと

困っていました。


(お兄ちゃん頑張ってください。

いつか、夢を叶えれますよ!)

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