秋空と3人のJK

第54話好きな仮面ライダーは?

山脇東洋やまわにとうよう27歳よ。

この現状の習慣化にまずくないか?


9月1日の日曜の朝。

ソファーに座ってニチアサ(プリキュアや特撮の総称)を観ていた。


(その前にニチアサって古いかな?

プリキュアは、プリキュアで

特撮は、ヒーロータイムと

呼称されているから・・・)


「お、お兄ちゃん。

次は仮面ライダーですね・・・

観て真奈まなと同じぐらいに

話を楽しませるようにします!」


右隣に座るは、太陽のように燦々さんさんと輝くストレートロング

黒髪。


太陽のように明るく照らす

満面な笑みをするのが最大の魅力で

文武両道で才色兼備の

峰島冬雅みねしまふゆか

高校2年17歳。


そして、実の妹でもなければ

義理の妹でもない。

俺が、喜ぶと一方的に呼んでいる。


「今回は冬雅も一緒に観ると?」


「はい!ジオウを途中からで

ついてこれなかった。

でも、次のゼロワンを観て

お兄ちゃんと仮面ライダーも

話をしたいですし。

こ、こうして隣で観るのも・・・・・

幸福、なのです」


白皙はくせきの頬に薄い赤色が

目立っていく。

いつもは、俯くのだがまっすぐ

見つめている。

おそらく、俺の反応やドキドキさせ

ようと考えているのだろう。


「そうだね。

でも、俺のためになら

無理しなくてもいいんだよ」


「お兄ちゃん勘違いしていますよ」


「勘違いだったのか。はは、

意識高かったねぇ」


冬雅は、俺が困れば全力で

応援や協力などする女の子。

どこか危うく思っていたけど違った。


「お兄ちゃんいいですか!

わたしのためにやっているんです。

・・・好きな人に力になれて嬉しいし

お礼も心に強く残るほとまに

温かくって・・・

それに大好きな人を悩みを一つ

減らしたら本望なんですから」


冬雅の愛情を向けられた言葉に

俺は飛び跳ねたい嬉しく頬が

弛みにそうになる。


「冬雅の言うとおりですよ

東洋とうようお兄さん!」


左隣に座る清楚系の女子高校生。

平野真奈ひらのまな

真剣な表情を込め言う。


目は少し鋭い優等生と呼ぶのだろう。

茶髪のサイドアップにした

ポニーテール。


不撓不屈を持つ容姿端麗。

冬雅の親友で同じクラスと塾に

通っている。


「東洋お兄さんは、ワタシ達の

事を考えてくれるのは嬉しいけど。

時に優し過ぎるところもあります。

たとえば、過保護な親のような」


「二人が言うなら、過剰だった

だろうねぇ・・・あっ、

始まったよ!」


「はーい」


「・・・・・」真剣な真奈


スタートゥインクルプリキュアの

次に放送する仮面ライダーゼロワン。

令和最初の仮面ライダーと

謳われている。


「面白かったです!

仮面ライダーって男の子向けだと

思っていたんですけど、

女の子のわたしでも面白いです!」


「へぇー、女の子でもか」


ファンや子供、母親を視聴すると

思っていたけど最近のJKの

冬雅も楽しめるのか。

真奈は、オタク知識が豊富なので

真剣に視聴しても

不思議じゃなかった。


「は、はい!わたし

女の子なのですよお兄ちゃん。

えっへっへ」


「な、なるほど?」


どうして、嬉々として女の子と

呼ばれて喜ぶだろう。

一般的にアラサーの女性が

喜ぶなら得心するけど、

冬雅のような古今一ここんいち

の美少女と評する。


現役女子高校生が女の子を扱いなんて

日常。まして美少女よりも

超絶的な容姿を誇る冬雅が女の子と

ぐらいではしゃぐなんて

疑問よりも不安を覚える。


「お兄ちゃん不思議そうにしている

けど、女の子って呼ばれるの

誰でも嬉しいわけじゃないんですよ」


冬雅は、俺の表情を読み取り

疑問と不安を解消よセリフ。


「誰でもって?」


「え、えーと・・・お兄ちゃん

だからでして・・・・・

嬉しいとしか」


容量の得ない言葉。

しかし、表情が恋をする美少女なので

すぐになんとなく理解した。


(好きな人に言ってくれるのが

嬉し訳か)


「解ったよ冬雅」


態々わざわざ、訂正などせずに

こちらも要点が掴めないような

ありふれた返事をする。


仮面ライダーと戦隊シリーズを

見終わり談笑が始まる。


「今日も面白かったですね

東洋お兄さん」


楽しそうに笑みを浮かべる真奈。

前とは違いがあるといえば、

手を繋いでいる。

ソファーに座ってからずっと。


(まだ、離してくれないか。

右の冬雅には死角に入る形なのが

隠しているようです罪悪感が)


唯一の救いは恋人繋ぎじゃないこと。

それ、救いだろうか。


「そ、そうだね真奈」


「東洋お兄さん冬場と女の子とか

会話していましたけど?」


冬場が、どうして嬉々な声を

耳に入って疑問だったのか。


「す、ストップ!?

真奈いい!わたし好きなお兄ちゃんが言われたからドキドキして・・・

どうして手を繋いでいるの?」


冬雅は、立ち上がり真奈に

理由を口にするが俺が挟んでいたので

見えなかったもの繋ぐ手に

凝視する。怒っていないけど

悲壮感が漂っている。


「冬雅これは、真奈が繋いだわけで

冬雅が想像するようなことは」


「残念だけど、その通りだよ。

お、お兄さんが隣にいるから帰宅に

送るときと同じ要領であってねぇ!」


真奈は、平常心を保とうとしたの

だろう。途中から言葉が途切れたり

説明が悪化していく。

恋は恐ろしいなぁ。


そして、真奈の言葉にクセで

繋いだのかと納得。


「そ、そうなんだね。

・・・・・お兄ちゃんすみません!」


ソファーに座り身体を寄せて

肩と肩をくっつける。

これだけでも、冬雅かなり勇気を

用いたのだろう。

顔が沸騰ほどの赤らめている。


「お、お兄さん!?

冬雅に肩を当たっただけで

喜ばないでください!」


「って、それはまずいよ真奈!?」


俺の静止は虚しく恋人繋ぎに敢行した

真奈。さすがに、意識すると

恥ずかしいくなる。

真奈も限界だったようですぐに

普通の繋ぎに戻す。


「はぁ・・・はぁ・・・・・

お兄さんと・・・・・」


いつもの談笑が、イチャイチャタイム

に移行したの?

二人が落ち着くまで一時間を経過。


「お兄さん、お兄さん♪

好きなシリーズの仮面ライダー

ありますか?」


唐突な質問も慣れたのですぐ返答。


鎧武ガイムだよ。

戦国時代とフルーツを取り入れて

ストーリーやBGMも熱くって

残酷な現実を知った主人公が

立ち直るシーンもカッコよくて

一番、好きなシリーズだね」


キャラの名前に高虎たかとらがいて絶対に藤堂高虎から取っていると

思ったり、日本神話などの

アレだ!など一人

で盛り上がったことある。


「へぇー、東洋お兄さんはガイムか。

ワタシはWダブル

さあ、お前の罪を数えろ!」


「うわぁ!やっぱりダブルの

人気はスゴイなぁ。

真奈のような女の子が名言を

やると華やかすぎる」


「・・・う、うん。

冬雅が女の子で喜ぶなんて思ったけど

今は激しく同意できる」


「ですよね。

大好きな人が女の子として扱って

くれないと急に言葉だけだと

分かっていてもドキドキする」


「うん、分かる!

お兄さんが、恥ずかしがるのって

普通的なもので。

ワタシがあれだけ恥ずかしいのに!」


「ですね。

お兄ちゃんすぐに大人な対応する

割りに子供みたい。

でも、それがかわいいんですけどね。

えへへへ」


「そうだよね。

もやもやするから、ワタシが

告白するなんて事が起こしたのに

いつもと変わらない。

それが不満だけど手を繋ぎやすい

状況で助かることもあるよね」


お二人さん!体勢を前に

盛り上がっていますけど俺の

いない所でやってほしいのですけど。

・・・ほら、目を合ったら

やってしまった!って表情を!


「・・・その、わたし

好きなシリーズって分からないけど

今はゼロワンとしか言えないけど

いつかは、真奈のように

詳しくなります!」


「冬雅・・・東洋お兄さんが

困っているから、無理しないで

楽しむのが一番だよ」


真奈の意見に賛成だった。

人気だからと言って話を合わせる

ために見るのはちょっと違うと思う。


仕事なら仕方ないけど、

これは趣味の範囲で冬雅が好きな

事をするのが一番だ。


「真奈が代わりに言ってくれて

ありがとう。

冬雅が求めるならOOOオーズやガイムなど録画しているから

ひまがあったなら

一緒に観よう」


冬雅と真奈とはアニメ一緒に観るのが

当たり前になっている。

俺は、この一緒に観るのが

多幸感が溢れる

としか形容ができない。


「はい。お兄ちゃん」


「オーズか・・・東洋お兄さんが

観ているようだけど、

ワタシそのシリーズまだ

観ていませんねぇ」


「そうなのか、真奈なら

絶対にハマると思うよ。

個人的に言えば歴代シリーズでは

感動できる哲学的なセリフが

多いんだよ」


「哲学的なセリフ?

なにそれ、面白そう!

確か、9年前だから・・・

ワタシが8歳で東洋お兄さんが18歳。

わあぁ!?想像が出来ないよ!

あれ?お兄さんが高校生・・・・・

同い年だったなら、一緒に

デートに行っていたのかな」


それは、答えを窮する。

あと、熱くなって東洋が除外された

お兄さんとなっている。


真奈が妄想するような

付き合っていないと思う。

高校生は今と違って

少し孤高を貫くぼっちで

近づきにくいから。


「えーと、真奈・・・・・

お兄ちゃんが困っているよ」


「えっ?・・・・・・・キャ!?

ち、違うんだからお兄さん

これは、からかいなんだから

勘違いしないでよね!」


見事なツンデレなセリフ。


「はい、そうだね」


「ぐっ・・・なんて余裕を!

東洋お兄さん知っていました。

バトスピも仮面ライダーカードが

あるんですよ。

たとえば、ワタシのデッキに・・・

はい♪」


真奈は、ショルダーバッグから

デッキケースからデッキを

俺に差し出し見せてくれる。

スリープは、仮面ライダーW。


「おぉー!すごい・・・

カブトやハイパーカブト。

キャストオフが思ったより強い効果。

それに、ハイパーキャストオフすると

ブロックされない効果も。

えっ!ライダーキックのカードも

あるなんて!?」


「フフ、どうですかお兄さん。

他にもガイムデッキやクウガデッキ

も作っているけど?」


「なっ!?そこまで種類あるのか」


「うぅーん、一つの作品に統一すると

バランスが難しいのだけど

コレクション的には

スゴイ達成ありますからねぇ。

とくにお兄さんが喜んでくれると

ワタシも嬉しいよ」


「お、お兄ちゃんと真奈の

話についてこれないよ!?」


冬雅は、頭を抱え声を

上げるのだった。

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