第53話最後はハッピエンドが一番に決まっている

サマー最後の8月31日。

土曜日の早朝から冬雅が家に訪れ

アニメやゲームなど遊んでいた。


いつも以上に甘えたりするのは、

一日中、俺と居れることが嬉しい

ようなのだ。

本人が告白と一緒に発言した。


(ソファーで隣にいると楽しそうに

満面な笑みを見ていると

太陽の下にいるような清々しく

気持ちや嬉しくなる笑顔。

だけど・・・俺達は真奈が来ない

ことに微妙に暗くなっている)


冬雅に真奈の学校で、無理している

ようだった評していた。

俺の想いを込めた小説は、徒労だった

のか・・・いや、そうじゃない!

受け取っただけでも効果はあるはず。


そう前向きに考えないと冬雅も真奈も

わだかまりが広がる。


「お兄ちゃん?」


「・・・・・」


「聞いてよーーお兄ちゃん!?」


「うわぁー!?冬雅?」


膝の上に頭を乗せる冬雅。

所謂いわゆる、膝枕。


最近の冬雅は積極的になることも

増えた。告白もどんどんレベルアップ

して、照れに耐性ができているのも

新しい悩みの種になっている。


アニメを観ていたが、俺が思考の

海に沈んだことが原因もあるか。

冬雅は、頬が赤く明らかに眼差しは

意中の人に向けるもの。


(前だったら羞恥に堪えずに

辞めてしまうけど、

これぐらいでは堪えれることかな?)


「・・・お、お兄ちゃん!

あ、頭を・・・・・なでなで・・・」


恥じらいながらも言葉を途切れても

言う冬雅。

二の句が継げない・・・頭を

撫でていいのだろうか?

いえ、やめたはうがいいね。

なにか、話を逸らさないと・・・。


「冬雅もしかして、真奈がいない

俺を励ましている?」


「・・・えへへ、そうですね。

寂しそうでしたので。

えーと、私欲的な目的も含まれて

いるので立派じゃないですよ」


手を振って、否定している。

冬雅の強い想いを込めた恋愛を

俺は|憧憬どうけいを覚える。


(冬雅、真奈には強い想いを

向けられて俺には持っていない。

時々それが眩しくって

うらやましく思う・・・)


ピンポーン。

居間にチャイムが鳴り響いた。

俺と冬雅は、目を合わせる。

思ったことは一緒。

ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン

・・・・・ピンポーン。


連打なんて珍しい。

普段なら、一回を押して次に押すまで

待つタイプ。

俺と冬雅は急いで玄関に向かい

ドアノブを引く。


「・・・ひ、久し振りねぇ

東洋お兄さん」


白のワンピース姿の真奈だった。

目を逸してもじもじとしていた。


「真奈・・・久し振り」


「わあぁー、真奈ーーーー!!?」


感極まり冬雅は、抱きつく。


「うわぁ!?

ふ、冬雅・・・」


優しく微笑む真奈は、冬雅の頭を

愛おしそうになでる。


「お兄ちゃんも真奈に

飛びついたら?」


「はぁ!?お、お兄さん・・・」


「それは、出来ないなぁ。

普通にセクハラになるよ」


冬雅は、えぇーーと不満そうにする。

真奈は、残念そうにしていた。

わるいけど正式に恋人になってから。


「とりあえず、真奈おかえり。

そして、ようこそ!」


俺が歓迎したことに真奈は

頬を涙を流していた。


「・・・お兄さんただいま!」


天使のような微笑を浮かべる真奈に

吹っ切れたかと、心中で喝采する。

真奈は、東洋お兄さんを普段は

呼ぶけど感情など高まると

お兄さんと呼ぶことが多い。


「えへへ、また3人だね」


冬雅の輝く笑顔に俺は頷く。


「東洋お兄さん。

早く入ろう話したいこと遊ぶ

時間にしたい!」


前よりも素直になる真奈。


「そうだね。中に入って

ゆっくりしよう!」


ネガティブだった頃の冬雅の出逢い。

今は、眩しいほど明るい笑顔をする。

俺は明るい気持ちでいられる。


清楚系ギャルのイメージと

警戒心だった真奈。

今やギャルらしさ除外され清楚系の

さり気なく助ける真奈。


二人の女子高校生に告白され

将来は、どうしようかと悩み

考えないといけないだろう。


二人がいるときは

俺も楽しんで遊ばないと失礼だろう。

やっぱり、夏の最後は

明るくハッピエンドが一番だ。

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