第36話わたしは、告白できても先は進めず

「くううぅぅぅぅぅ」


お兄ちゃんが伸びをしています。

わたしは朝の風に髪を遊ばせたままベランダで待機していました。

時は来たのでした。

ベッドから出るお兄ちゃんに…

ロックオン!


「お兄ちゃん、お兄ちゃん!

おはよう。今日もいい天気ですねぇ。

お兄ちゃんに癒されます。えへへ」


「お、おはよう冬雅…

いつに増して元気だね」


困惑していますね。いえ突然の大声での挨拶に引いていて驚いています。

予想の範疇はんちゅうなので、ノーダメージ。


「えへへ、愛していますので

…そ、それじゃあ!」


「あまり、無理しないでね」


いえ、無理です!恥ずかしくなり

いつものように部屋を出ていきます。

オシャレを終え、すぐにピンポーン

と押します…無断で

入るのはまずいかな?入りたい!

そう念じていたら届いたようですねぇ。妨げられし壁は開きました。


「朝食の準備を終えたよ」


「えへへ、お兄ちゃんありがとう。

今日はなんですか?」


玄関に入ってすぐ靴を脱ぎ、かまちに足を踏むと前のお兄ちゃんは

廊下を歩きながら答えます。


「目玉焼きと味噌汁だよ」


おぉ、ザ・シンプルです。

お兄ちゃんは、朝はすぐにできる

物を作ります。まぁ、手の込んだものを昼夜に作るので当然だと思いますが。ともかくとしてです、

料理と食器洗いでも驚くほど

時間が経つと最近になって

分かった。特に終わるのを楽しみに

待ったり、手伝いで知って。


「あれ?けど、真奈は。

いつもは、後で来るのに」


「ああ、それなら遅れるらしいよ。

勉強に専念するから昼に

来るらしい」


ならしばらくは二人だけ…ドキドキしてきました。

リビングルームに入り言います。


「へえー、とうとうお兄ちゃんに

報告して、わたしにはしない

関係になったんですねぇ。

お兄ちゃんは…」


少し意地悪な問いをして、お兄ちゃんの机を向かいの椅子に腰を掛ける。

たぶん今のわたしは非難の目を向けている


「あ、あれ?でもそんなこと真奈は

考えていないよ。それに、

そんな関係とか言えるような

事じゃなく、友人的に近いかな?」


追求された事に戸惑いあせり、しどろもどろ言うのでした。


「ふーん、お兄ちゃんは、わたしと

いうものがありながら不倫したの

ですか。そうですか」


腕を組んで問い詰めるような眼差しを向けます。嫌われるかもしれないと怖くなりながらも、

負の感情が上回る。


「冬雅もしか…しなくとも

からかっている?」


「えへへ、看破まで速いですね。

今日の課題を言います。

コホン。

お兄ちゃん、わたしのために

色々とありがとう…好きです」


「どうも、いたしまして」


いつものやりとり、これが尊いと

わたしは、思えてくる。

そして昼になると真奈が来ました。


東洋とうようお兄さん…どうですか」


鍵を開けると真奈は玄関に進んで急にそんな事を言うのでした。


「ああ、美容院に行ったんだね。

キレイになっているよ」


「う、嬉しくないけど…

感謝す、するわ!」


玄関先で挨拶ではなく唐突な言葉にも

お兄ちゃんは、迷いなく当てました。


「お、お兄ちゃんそろそろ真奈を

家に上がらせよう!」


「そうだね…えーと、

シンプルなのに輝いてみえるよ」


わたしに向かって褒めてくれました…ど、どうしてそんな事を!?

でも嬉しいです!!


「そ、そうですか?えへへ、

お兄ちゃんそろそろカジュアルなら

どうかなと思ってねぇ。

この、ピンクのシャツと

赤のミニスカート。かわいいなら

お兄ちゃんもわたしも幸せです!」


天に登る気持ちでした。幸せです。


「ワタシは不安に思うよ二人とも

…どうしよう。冬雅が

どんどん積極的だし、

東洋とうようお兄さんに関しては、女性の機嫌を取るナンパを

生業とする駄目人間みたいですよ」


真奈は人差し指を向けると注意をしました。もちろん、お兄ちゃんはナンパを生業という不名誉すぎる呼び方に目を見開いて

ショックを受けています。


「真奈!わたしは、ともかく

お兄ちゃんは、

ナンパ師じゃないよ!

だって、告白しても笑顔を向けても

回避しようとするし、ドキドキしないから、すごく悩んでいるんだよ」


すごく手強いのが、お兄ちゃんなのです。途中から言いたい事が変わったけど気にしたら負けです。

閑話休題かんわきゅうだいは無い。


「冬雅。それはできれば、私がいない場所で

言ってほしいかな?」


あ、頭が熱くなって非難したら

お兄ちゃんにどう思われるのか考えていなかったよ。

こうなれば、わたしだけ

恥ずかしいのは

損しかなく不公平と結論して、

玉砕覚悟で行きます!


「だ、だって…

お兄ちゃんのお嫁さんになるって

頑張っているから無茶しているだよ」


「えっ…あっ、うん………」


て、照れています!かわいい。


「……」


「あー、東洋お兄さん。お嫁さん

志望の女子高生の言葉に

鵜呑うのみにしないでね」


真奈は冷静にそう指摘しました。


「真奈ちがうよ!

別に……違っくなくて」


「ふ、二人とも、取り敢えず

中に入らないか?」


お兄ちゃんの提案に賛同しました。

わたし達の言葉に驚いている通りすがりさんの

方々。すっかり風物詩と感じてしまう…わたしがいました。

それよりも、お兄ちゃんを見れば

わたしのお嫁さんになりたいで

頬を赤らめドキドキさせました。

かなりの成果…お兄ちゃんの

距離を近づけたとわたしは、

心中で踊りたくなる気持ちになった。

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