第13話デートの最初は大事です

家から近い定食屋で焼き魚定食を

注文。冬雅も同じのでと注文する。テーブル席で座る位置というともちろん斜向かいではなく向かい合う形で。


「えへへ、わたし達きっと

恋人とか思われているのでしょうね」


「・・・いや、疑っていると

思うんだけど」


とくに周囲の目が居心地が悪くなるのだが、そんなの気にしないほど無邪気に大好きと言わんばかりに・・・雰囲気を隠さない冬雅。


「そ、そんなに見られると

恥ずかしいですけど、わたし

頑張ります!」


「それは、頑張らなくてもいいけど」


信頼と愛情がない混ぜった笑顔は

すたれていた心が浄化して油断すると微笑で返したくなる。


「お兄ちゃん。なにか忘れて

いませんか?」


「うーん、忘れたものはない

はずだけど」


「・・・しっかり、見て考えて

ください。見るのはわたしの違う

ことですよ」


冬雅は両手を広げヒントを出す。

言及とそのアクションからすれば

なにを伝えようとしたか気づく。


「なるほど。これは、気づくのが

遅かった。

似合っていて、かわいいよ」


家に訪れたラフな格好ではなく一張羅いっちょうらだということ。

それが好きな人とデートなら当然過ぎて触れなかったことが不安にさせたか。

青のフリルシャツと

白のロングスカートこれもフリルした夏の印象を与えるファション。


「あ、ありがとうお兄ちゃん。

・・・・・えへへ、訊いて下さい。

学校の同級生や先輩、後輩、先生に

かわいいって褒められても

あまり嬉しくありませんけど、

やっぱり好きな人が言ってくれると

百万の賛辞よりも価値はありますね」


「はは、それは光栄だけど

恐縮すぎるよ。私じゃファションに

疎いから参考にもならないと

思うよ」


「そういうことじゃ、

ないんですけど。お兄ちゃんって

ときどき鋭いのに鈍かったり

しますよね。マンガとかアニメの

鈍感な主人公の真逆みたいで!」


「真逆か・・・曖昧みたいな

言葉に聞こえる!

アニメなどに例えるなら、冬雅は

・・・なんだろう年下なのに

好き好きとあふれるような愛情で

甘えてくる・・・娘キャラかな?」


「お、お兄ちゃん・・・

そう思っていたんだ・・・・・」


「え、えーと冬雅?」


「パパ!大好き♪」


冬雅は声優のように幼い声で両手を広げて今にもハグしそうな笑み。

どういう目的でしたか想定内。


「すまないけど、パパじゃないよ」


真っ当な回答に頬を膨らませ

怒っていなあが不満で可愛らしく睨んだ。


食べ終え店を後にして冬雅の買い物に付き合いついでに夕食の食材と新刊の補充のためショピングモールに歩幅を合わせ進み向かう。


手を繋いだ状態のおかげ

注目されこちらには怪訝な眼差し。

そんな視線を気にするのも疲れ半ば諦め頭の隅に放り出して冬雅と会話に集中する。

さて、手を引かれるままついて行くと大変な場所へ連れられた。

そこは、男性が入れば警戒心を

向けられる所。


「ちょ、ちょっと。ここ下着!

さすがに私が入るのは、まずいよ」


「いえいえ、カップルとか兄妹に

見えますよ。えへへへ、

照れているお兄ちゃんはかわいいよ」


「それは、どうも。その好きな相手に下着を選ばせようと?」


「うぅ~、お兄ちゃん。

好きな相手とか嬉しいですけど、

好みの下着を教えていただいて

参考にするんです。

だ、だから勘違いしないで」


少々、刺激が強かったのだろう。

まさか返すとは思わなった冬雅は戸惑い赤く染まる。

こんな無神経な発言するから俺は

恋愛を知らないんだなと再確認される。


「・・・それで、お兄ちゃんはどんな

下着が好きですか?」


冬雅に引かれてついて行くと突然、足を止めた冬雅はそう言った。どうしてその質問する?視線を巡らすと中高生向きの下着が棚に整然と並べている。


「お、大人の俺でも刺激が・・・

強い」


「俺と!?・・・お兄ちゃんの

レアなセリフ2回目になる

聞けました!」


「そこで、喜ぶの!?

まぁ、いいんですけど・・・えーと

シンプルに白とか明るい色が

好きかな?」


「フムフム。白でシンプルなら

これですか?」


冬雅がたなに取り出したのは白ショーツだ。なにを思ったか広げたのだけど。


「・・・そ、そうそう。

だから、出ていいかな?」


「なるほど、お兄ちゃんはこれに

ドキドキしているようですね。

よし!次はブラジャーですよ。

レッツゴー」


「まだ、行くの!?」


どうやら地獄は続くようだ。

それから俺のしどろもどろになり

スキップしそうな満面な笑みの冬雅。

やっと下着を会計を済ませ出る。


「じ、地獄だった」


「わたしは楽しかったです!」


手を繋ぎブンブンと振って動かされかなり上機嫌だ。俺なんと出かけて

楽しんでくれたなら、まぁ良いか。

人波が激しい中へ入り精神は摩耗まもうしていく。


「あれ?冬雅だよね」


「そ、その声・・・真奈まな!」


透き通った声して後ろへ振り返ると、つややかな茶髪サイドアップにしたポニーテール。白磁な肌、清楚でありながらギャルの雰囲気があった。


カジュアルな格好した、

オレンジ色ボロシャツと紺色の

ショーツパンツ。

そのため、太もも・・・美脚に

目が移動しようとなる。


「この人だれ?」


「わ、わたしのお兄ちゃんだよ」


「あ、ああ。私は冬雅の兄です。

名前は東洋とうようと言います。いつも妹が大変、お世話になって感謝しています」


「ここ、これはご丁寧にどうも。

わたしは、冬雅の友人をやらせて

もらせている平野真奈ひらのまなと言います。・・・えーと、

よろしくお願いします!」


まさか頭を下げるとは。

言葉遣いはそこまで軽薄そうなイメージと違い真面目な印象だ。そう見えるけど・・・それとも大人の前で自己紹介した緊張から来たことも考えられる。


「ど、どうして真奈がここに!?」


「そんな冷たいことを言わないでよ!んっ、冬雅ってそんなに喋って

いたけ?」


「えっ、えーと・・・わたしって

人見知りでお兄ちゃんと

休日にはいつもこうして

遊んでいるの」


「へぇー、わたしのときも

テンション高くしてほしいかな?」


「そろそろ本題に言いたいけど。

真奈どうしてここに?」


詰問に近い質問を平野真奈は、あごを

指で触れ考察する。


「近くのメイトあったから、

その帰りだから。用はもうないかな」


「そう・・・メイト?」


「アニメイトの略称だよ」


疑問符を浮かべた冬雅を

応えるのは俺。


「たしか、お兄ちゃんが前に

行ったことある」


「よく、覚えているね。そうだよ。

アニメ好きなら、行くべき場所の

一つ。あと、ラノベの特典もあるし」


「わたし、そこに行きたいです!」


両手を胸の前でグッと引かないと

上目遣いで頼まれる。

おそらく、このしぐさは無意識。


「わかったよ。行きたいって

言うなら」


「やっーーーたです♪」


嬉しさのあまりにジャンプをした。

元気すぎないかなと、不安になり苦笑。

しかし、平野真奈から冬雅に驚いていたのと、その明るさにだ。


今でも信じられないと顔に

現れている。

前のやりとりに友人らしさを感じるが

一歩を引いた感じがする。


色々な情報を照らし合わせれば

冬雅は暗かったと推測できる。


「仲睦まじい兄妹ことで。

それじゃあねぇ」


「は、はい。それじゃあね真奈」


軽く手を振り一刻も早く別れたい。あっという間だったけど友達だと

こんなものだろうか。


「えへへ、お兄ちゃん。

仲睦まじいですよ。恋人に

見えたかもです」


「ハァー、本当に裏切らない

返し方だね冬雅は」


それから、冬雅のご希望のメイトに

向かう。ショピングモールから

南に信号を2つにある。

ほぼ一直線で徒歩およそ15分。


「わあぁーー、きらびやか!」


「最初に入ると少し驚くよね。

なんと店内のすべてがアニメ関連

なんだよ。アニメショップに

違う特典があって、たとえば

新刊とかフェア対象だと」


「ふーん。あっ、お兄ちゃんと

一緒に観たアニメのCDがある」


今期のアニメで放送して

原作はマンガを見て少し前に観た。

それから、グッズを物色した。


缶バッチやクリアファイルなど

目を輝かせ見ていたので

せっかく初めての記念に俺が

奢ることにした。


「いいよ!」と断っていたが、

少し強引に私がそうしたいと

ことで納得してくれた。

ラノベコーナー。


「おぉー!ラノベがいっぱい

ありますね」


「はは、そうだな。女性向けの

ラノベもあるからこっちに行こうか」


「うーん、それもいいですけど

お兄ちゃんの好きな物を

教えてくれませんか?」


きっと俺の反応を参考に分析して

俺をドキドキさせるための

情報収集だろう。


「えーと、ほとんど持っているけど

ロクアカ、すかすか、いもいも、

リゼロ、このすば・・・などなど」


「多いです!?」


好きな属性とか好きな下着?など

知られてしまったが、なるべく

回避せねば。またも下着の件みたいな事は避けたい。


「それじゃあ、女性ラノベに

行こうか」


「・・・はい」


満足な返答ではなかったようで

少し落ち込んでいた。

好きなラノベで一番なんてつけられないのが本音。


それは置いといて冬雅は

しぶしぶと本を眺めて次第に気に入ったのがあっか明るくなる。

そして、いくつか本を選び出す。

6冊ぐらいを。


「気になったの見つかった?」


「はい!面白そうな本が

ありました。この社会人の男性が

女子高生と恋愛するものとか」


「・・・えーと、そうか」


なんだか、俺達みたいだと考えを

するのは自意識過剰だろう。

純粋に選んでいるとはずなのだから・・・たぶん。

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