第11話とうやら夏休みは無縁だと思ったのだが
なんだろう?この覚えのない
寝床の感触は?
たまに床で寝るときもあるが
カーペットが違う。
「そ、そうだった。疲れて
峰島さんの部屋に寝たのか・・・」
「お兄ちゃん。ふ・ゆ・かですよ!」
声のした方に向いてみると私服にエプロン姿をして料理を作っていた。振り返って笑顔を向けて。
「ふわぁー・・・本当は慌てるべき
なんだろうけど、どうしてか
ここにいても不思議と落ち着く」
上半身を上げて欠伸と伸び。
毛布が掛けていることからして、
冬雅が掛けたのだろう。
「そんなの妻の家だから
じゃないですかお兄ちゃん!」
「よし、ストップ。
君は口にしているのスゴイ発言だよ
みねし―――
「え?・・・あぁぁぁぁ!!
あーーー、マタが落ちた!?」
・・・ツッコまないほうが良かったと俺は後悔。すみません。
味噌汁に混ぜている邪魔をさせてしまったお詫びに冬雅が作ってくれた料理に過剰なほど褒めながら食器をローテープルに並ぶ。ちなみに「美味しそうな料理で楽しみだ!」のセリフが喜んでくれた。
ソファーではなくローテープルの横に床に座る。先に座った冬雅は立ち上がり向かいに座る。
「いやいや、別にソファーから
離れてここに座らなくても」
「・・・だって、こうしないと
前がいないんだから」
恥ずかしいなら辞めたらいいのに自らの発言に頬を赤らめる。
視線を右へ左と泳いでいた。
「・・・冬雅、手を合わせて」
「えっ!はい」
首を傾げたがすぐに意図を理解した冬雅は、
「3、2、1、」
「「いただきます!」」
俺が一人だと絶対的に口にしない
セリフを目の前にいる女子高生が
いて、料理を作ってもらったのだ。
言わないほうが無礼だろうし
冬雅のために教育上これが
正解だろう。
(ごはんは普通だけど・・・
肉じゃがのジャガイモの形が
極端に小さいのある。
味噌汁は、定番の豆腐とワカメ。
だけど、ワカメで埋めている
なって溢れ豆腐か見えない)
乾燥ワカメを味噌汁に使おうと
すると量は少し。
やり過ぎると水を大量に吸い
スゴイことになる。
普段、料理をしていないか見極めるほどある訳ないけど慣れていないように思える。
まず口に運ぶのは味噌汁。
「・・・ど、どうですか?」
「ワカメが多いけど、味の
わるくないよ」
「そ、そうですか」
少し困った表情で苦笑をした。
どうやら望んたコメントじゃなかったようだ。
次は肉じゃが。肉は柔らかく
ジャガイモは、形は小さいのばかり。総合的な感想は美味。
「うん。美味しいよ肉じゃが」
「そ、そうですか!?
えへへ、嬉しいです」
そう伝えると冬雅は朝食から
ずっとにこやかにするのだった。
さて、テーブルを拭き終え
今度はソファーに隣り合う形で
座ってきた。
録画したアニメを鑑賞しながら。
「面白かったですねお兄ちゃん!」
今期のアニメを見終わり冬雅と話で盛り上がる。
普段はしない率直な感想で笑って楽しんだのはいついらいか。
「そうだね。面白かった!」
「わぁー、お兄ちゃんがわたしに
笑ってくれた!今になって
わたしの家だって意識すると、
ドキドキしますね・・・
お、お兄ちゃんはどう?
わ・・・わたしにドキドキして
くれていますか」
この言葉に、俺はドキッとした。
けど、それだけで本当の意味で
好きになっていないと思う。
「ああ、ドキッとしたよ」
必死にドキドキさせようとする
試行錯誤する
冬雅にどうしても、否定できる
わけがなかった。
「あ、あわわ。とうとう
お兄ちゃんもわたしに・・・
あ、愛のお言葉を・・・・・
ありがとう」
限界に達したのか、深くうつむき
愛の告白って壮大な解釈して誤解している。
「えーと、私はそろそろ自分の家に
戻ろうと思うけど冬雅はどうする?」
「も、もちろん好きな人から
離れるわけがありません。
すぐにわたし達の愛の巣に
行きましょう・・・・・」
「冬雅・・・無理してドキドキ
させようとしなくていいんだよ」
またも冬雅は
表情を見なくても、顔中がトマトの
ように真っ赤なのは想像できる。
「・・・だって、反応が薄しい。
わたしの事を本当に好きなのか
疑いたくなるほど、子供として
扱うようにして・・・今日も
前よりも扱うし。
女の子としてドキドキしてほしい」
顔を埋めたことが姿勢に腰が
痛くならないのか的はずれな
心配するなか、切実な想いを言う。
またも、隠すべき本音を隠さずに
勇者かと思いたくなる。
そして、そこまで敢行の続ければ
俺の心も響いて
しかし、伝えるべきは言葉を選ぶ。
「正直に戸惑っているんだ。
冬雅が、告白して来て暗かった
感情が、晴れてこうして
笑えている。毎日が
楽しくなっている。
冬雅が会えない日を考えたくないて
思っている・・・
ハッキリと返事するのは冬雅が
立派な大人になってからだよ」
そう、その頃になれば俺よりも
素敵な人はごろごろいる。
くだらない恋だったと悟り、諦めて本来の正しい道筋に進んで生活と恋愛に軌道へとなる。
それが来ないでほしいと思っても
覚悟はしないといけない。
「うぅー、逆にやられると
恥ずかしいんですね。
よく、お兄ちゃんはこんな
異世界チートレベルに
耐えれますよね」
その例えはどうだろうと思う。
「ありがとう。でいいのかな?」
咄嗟にお礼をしたが、なにか
違うと違和感を覚えた。
褒めているのか
「お兄ちゃん!」
防壁のように膝を腕で作り
埋めた顔を上げた。まだ、羞恥が残った頬は赤いまま弾けるような笑顔。
「知っていました?
今日は夏休みのスタートなんです。
そんなわけで、これからは
朝、昼、夜・・・そ、それ以上の
時間でわたしといられますよ!」
・・・そうだった。
大人になって、数十年ではないけど
気持ち的にはそう。
そして、生徒には
まちに待った夏休み。
一緒にいられる時間が増えたのを
歓迎する気持ちとなにか不穏な
事が起きるのではと予感。
これが、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます