第5話わたしはもう迷わない!

なかなか眠りにつけずいたわたしは

目を開きます。


原因はドキドキで眠れなかったからで、

お隣に好きな人がいる。しかも

ベタンダを軽くジャンプしたら

すぐに会える大好きな人。

それって、すごく魅力みりょく


でもドキドキさせる一番の原因は告白ですねぇ。

大きな決断したのはなかなか会えずに

寂しかったこと。いつかは付き合いとかどんどん妄想がふくらんで、

想いが募っていき告白した。


きっかけの前は

よく午後九時の夜闇に出会う。

ううん、これは運命の逢瀬おうせと呼ぶべきもの。

挨拶して世間話・・・ときには相談を聞いてくれた。


この午後九時が最も遭遇率が高い。

同じ道をグルグルと回って偶然を装って会えれば僥倖ぎょうこうそうでなければ落ち込み帰宅。

そんな関係でも幸せだった。


だけど1ヶ月も会えなかった。


前触れもなく。

このまま、わたしの初恋は

終わりこの想いも薄れていく

と想像すると涙が出て怖くなった。

苦しかった・・・心の奥底が、

深淵に呑まれ落ちていくような。


そんなのは、いやだ!

なら、わたしから行くしかない!

家は隣なので、インターホン押して

とりあえず仲良くなろう友達とか始めて。


(まさか、嬉しさのあまりに

いつもの想像していた

告白するなんて・・・

あぁぁぁぁぁぁぁーーーーー!?)


回想終了。

ベッドの上で頭を抱え悶える。

今、考えればなんて大胆で

とんでもない賭けに出たのか。

でも好きと言えた。グッジョブです!


山脇東洋やまわきとうようさんは、大人だ。今はニートと自虐じぎゃくしているが、いつか

仕事を見つけてここを離れるか

このまま会う機会が減る。


「わたしがここまで苦しくて

わるい方向へ考えていたのに。

山脇さんは、小説を書いていて

外に出なかっただけなんて・・・」


たぶん外に出ているけど必要最低限

だけでしょう。


わたしは、ただいたく

走ってこの高ぶる鼓動。わたしは

安心と幸せになる。


現実と妄想が一緒になり告白。

そして、返事は紳士的に断れた。


「ううっ、だ、駄目・・・思い

出しただけで・・・うぁぁぁぁぁぁーーーーー」


隣の家いるので声に気をつけて

嗚咽する。


「・・・よし!ネガティブは

ここまで。

大人とか、勘違いとか決めつける

山脇さんを愛しているって

言わせてみせます!

えへへへ」


そうと、決まったら膳は急げ。

どうすればドキドキさせるか。

まずは洗顔所で身嗜みだしなみをですね!洗面所で

何度も入念に髪を木のくしく。


(次はパジャマだよね)


地味なパジャマ・・・これでは駄目だ!

前に買った柴犬のパジャマがあった。

寝間着を別の寝間着に着替えてから

現場(ベランダ)に向かう。


ベランダから部屋を見ます。

ほぼ直線でカーテンで遮るものはなく

窓越しであっても見えます。

起きるまでスマホで勉強と

か、彼の・・・寝顔をときどきチラッと見るとか。


『お兄ちゃん朝だよ。ねぇたら・・・

早く起きてよーー!』


(えっ?スゴくかわいい声だったけど

妹さん!?)


スゴく甘い声だった。もしかして

妹さんも兄が好きなのかもしれない。

もちろん恋愛の意味で。


た、確かに山脇さん(兄)は

かわいいし、男らしいのにギャップと

照れる反応もギャップがある。

それとスゴく優しい。

あっ!目を擦っている・・・今だ!


「おはようございます」


な、なんとか言えた。

すごく驚いていました。

ネガティブな

思考は完全にどこかへ消えた。

わたしは思い切って試しに言います。


「へぇー、そうなんですね・・・。

お兄ちゃん」


「お、お兄ちゃん!?どうして

その呼び方を?」


「えへへ、その響きが好きなのかな

思って・・・まさか相好を崩すとは

思いもしませんでしたけど」


ど、どうしよう!

・・・ダメ元で

言ってみた言葉が、お兄ちゃんは

頬が赤くなり

嬉しそうで困惑している。


か、かわいいです。出来たらスマホで

すごく撮りたい!

衝動に駆られそうです!!


「そ、そうだ。早く朝食の準備を

しないと!じゃあ!」


「あっ・・・・・」


行ってしまいました。

それも、可愛くって癒される。

でも、もう少し話をしてほしかった。


(で、でも!手応えはあった。

お兄ちゃんと呼ばれるのが

好きらしいのは、謎でしたけど。

意識してくれたなら、もっと

もっーーーと、言おう!)


そうと決まれば、次に移行せねば。

オシャレな格好で照れさせて見せる。


純白のブラウスと

アイボリー色フレアスカート。

この違う白を外に出たときに

絶対的な確率で通りすがり人が

見惚れる反応する。


「で、でも・・・わたし自分では、

かわいいと思うけど、山脇さん

スゴく普通に扱うし、

魅力がないかって不安だよ」


洗面所に映る自分に呟く。


もっと、かわいい服に変えるか悩む。

こうしていると、時間が減り

刻一刻と想い人いられるのが失う。

女は度胸、行こう!


「はーい。どなたですか・・・

は、早いですね峰島さん」


若干、引かれしまったが構わない。

アタックあるのみ。


「は、はい・・・その上がっても

いいですか?」


わ、わたしなんて言葉をしているの

だろう!?危険な発言でドキドキ

が急上昇。


「や、やっぱり正式に恋人じゃ

ない。だから入るのは・・・」


常識に考えて当然の対応。


「で、ですよね。わたしみたいな

女子高生を上がらせるのは

無理ですよね」


困って当然だった。好きでもない

女の子に上がらせるわけがない。

それが、女子高生になると。

デメリットが高いわけで、

わたしが成人だったらよかったのに。


「えーと、約束だし。

朝食を今から作るから、せっかく

だから一緒に食べませんか?」


「は、はい!」


どうして、意見を変えたのか。

少なくともわたしのためなのは

明白。


困惑と優しい笑みを浮かべ・・・

これは、わたしのためだとするば

最高なんだけど。


最愛の人と一緒に食事。

懐かしく温かく、気づけば

感動で涙が止まらない。


普段のわたしは、

表情を外に出さないと

自負していた。


けど、作った表情を維持するのが

恋愛の経験がないわたしは

未知の感情に崩壊した。


素直になってしまう。

山脇さんの前で声や表情も大好きで

言葉で飾ると相応しくない。

ただ、大好きでしか現れない!


「それじゃあ、私の小説を

読んで感想をお願いしていいか?」


「・・・か、感想ですか?」


お願いされるのは、たぶん初めて。

山脇やまわきさんに甘えて

ばかりで、わたしが罪悪感を

苛まれないためかもしれない。


「そ、それでいいなら。

小説を読ませていただきます!」


想い人は、驚く。

あれ?もしかしたら、山脇さんの

好みの女の子を知れるのではないか。

・・・ゴクン。


「はい、わたしのためにも

なりますし」


だ、だけど・・・刺激な強い

妖艶ようえんな女の子が

好みなら、どうしよう。

で、できれば貧乳の女の子がタイプ

だといいなぁ。


(あ、あれ?このチャンネルは・・・

この時間だと)


「・・・え?プ、プリキュアですか」


わたしが、最後に観たのは

中学生ぐらい。


まさか、山脇さんが観るとは思えず

幼女向きではと、わたしは思った。

だけど、山脇さんだし。

すこく心がキレイなので

不思議とわたしは、納得してきた。


「純粋なんですね」


一話も観ていないのに、面白かった。

今のシリーズ最高だと思える

内容だった。


だけど、一話も観ずの途中なので

ついてこれないながらも

楽しめたのは好きな人と観たから!

鼓動が高ぶる。


(・・・こ、これが恋をすること)


初恋相手と観て、こんな

新婚のような日常を毎日したい!

スゴく幸せなのだからこの想いを

わたしは、もう迷わないと決意して。

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